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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (9)
2015.04.16 Thu
「でも、疾しいことがないなら、俺がハルちゃんのこと見掛けた、て話になったら、どこで? とか、いつ? とか聞いて来ねぇ?」
「聞く」
「だよな!?」
絶対に聞くとは限らないが、そう会話を続けるのが自然な流れではあると思う。
しかし、遥希の気持ちや性格を、大和はそこまで熟知しているわけではないから、何とも言えない。千尋だったら、『へぇ』で終わらせそうだし…。
「もうこうなったら、あれじゃね?」
「…何?」
「南條に頼んで、ちーちゃんに聞いてもらう」
「おいっ」
大和の提案に突っ込みを入れたのは、当然、いきなり話を振られた南條だったが、琉も『何でだよ!?』という顔で、大和を見た。
確かに南條は、高校来の千尋の友人だが、大和だって千尋の恋人だ。千尋に事情を聞いてみるというのであれば、南條に頼まずとも、大和が聞いたらいい。
「だって、ちーちゃん、そういうの、すごい面倒くさがりそうだし…」
「それは俺が聞いたって同じだろ」
「それに…」
「それに?」
「せっかくちーちゃんと一緒なのに、琉の話題で過ごすとか、嫌だし」
「………………」
冗談だとは信じたいが、シレッとした顔でそう言われると…。
琉は再び、テーブルに突っ伏した。
「一ノ瀬!」
「えー何で? 俺が悪いの? 琉がヘタレなだけなのに? 南條だって放棄したくせに、俺だけの責任なの?」
大和も、自分自身のことで琉や南條にはいろいろと助けられているから、琉に協力する気がまったくないわけではないが、自分だけがこんなに責められるのは納得がいかない。
そもそも、何度も言うが、琉がヘタレで気にし過ぎなのが悪いのに。
「と…とにかく! 千尋に会うんだったら、ついでに聞いてみてくれよ、一ノ瀬」
これまでに、千尋に嫌というほど迷惑を掛けられ、琉のおかげでとばっちりを受けて来た南條は、今回こそ千尋を巻き込んでは係わりたくないらしく、絶対に引き受けようとはしない。
大和の態度もなかなかだったかもしれないが、何気に南條もひどい。
「…………貸し1だかんな、2人とも」
これで琉が期待するような、納得するような答えを得られなかったときは、一体どうしたらいいものかと、大和は密かに溜め息を零した。
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「聞く」
「だよな!?」
絶対に聞くとは限らないが、そう会話を続けるのが自然な流れではあると思う。
しかし、遥希の気持ちや性格を、大和はそこまで熟知しているわけではないから、何とも言えない。千尋だったら、『へぇ』で終わらせそうだし…。
「もうこうなったら、あれじゃね?」
「…何?」
「南條に頼んで、ちーちゃんに聞いてもらう」
「おいっ」
大和の提案に突っ込みを入れたのは、当然、いきなり話を振られた南條だったが、琉も『何でだよ!?』という顔で、大和を見た。
確かに南條は、高校来の千尋の友人だが、大和だって千尋の恋人だ。千尋に事情を聞いてみるというのであれば、南條に頼まずとも、大和が聞いたらいい。
「だって、ちーちゃん、そういうの、すごい面倒くさがりそうだし…」
「それは俺が聞いたって同じだろ」
「それに…」
「それに?」
「せっかくちーちゃんと一緒なのに、琉の話題で過ごすとか、嫌だし」
「………………」
冗談だとは信じたいが、シレッとした顔でそう言われると…。
琉は再び、テーブルに突っ伏した。
「一ノ瀬!」
「えー何で? 俺が悪いの? 琉がヘタレなだけなのに? 南條だって放棄したくせに、俺だけの責任なの?」
大和も、自分自身のことで琉や南條にはいろいろと助けられているから、琉に協力する気がまったくないわけではないが、自分だけがこんなに責められるのは納得がいかない。
そもそも、何度も言うが、琉がヘタレで気にし過ぎなのが悪いのに。
「と…とにかく! 千尋に会うんだったら、ついでに聞いてみてくれよ、一ノ瀬」
これまでに、千尋に嫌というほど迷惑を掛けられ、琉のおかげでとばっちりを受けて来た南條は、今回こそ千尋を巻き込んでは係わりたくないらしく、絶対に引き受けようとはしない。
大和の態度もなかなかだったかもしれないが、何気に南條もひどい。
「…………貸し1だかんな、2人とも」
これで琉が期待するような、納得するような答えを得られなかったときは、一体どうしたらいいものかと、大和は密かに溜め息を零した。
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