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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (7)
2015.04.14 Tue
「バイト…。そっか、土曜日で大学お休みなのに、仕事とか大変なんだね」
「ふふ、琉に大変て言われるなんて。琉のほうが、絶対お仕事大変なのに」
「ハルちゃんのほうが大変だって。俺なんて、まず、勉強が無理だし」
かわいらしく笑う遥希につられて、琉も頬が緩む。
つい、先ほどの微妙な空気を忘れてしまいそうになるけれど、今はそれで話を終わらせてはいけないのだ。
「じゃあ、俺の見間違いだったのかな。ハルちゃんのバイトしてるトコと全然違う場所だったし」
「う、うん。そう思う」
「そっか…、そうだよね」
「うん、そうだと思う」
バイトだったと言う遥希の言葉に、琉がホッとしたのも束の間、遥希の態度に琉はやはり少し引っ掛かった。
遥希は恐ろしく嘘が下手くそだから、バイトだったというのが嘘なら、態度はもっとバレバレのはずで、そういう意味では、それは嘘ではないはずだ。
しかし、琉に言えない何かを隠しているのは、まず間違いない。
最初に遥希がハッとしたのは、琉が遥希を見掛けたと言ったときで、しかし、バイトをしているところや、その行き帰りなどで街中を歩いている姿を見られただけなら、そんなに動揺することはないだろう。
むしろ、いつ? とか、どこで? とか、話を続けて来ていいはずなのに。
どこで見掛けたのかも聞かないまま、遥希は、琉の見間違いだということで、話を決着させたがっているようにしか思えないのだ。
(それって、やっぱ俺には隠しておきたいことがあるから…?)
そして、その隠しておきたいことというのは、あのとき遥希の隣を歩いていた女性のことなのだろう。
そもそも遥希はゲイなんだし、本当に女性と一緒に歩いていたとしても、何の疾しいこともなければ、琉に隠す必要はないのだ。それなのに、この態度…。
「――――ハルちゃん、」
「え、何?」
「…何でもない。好きだよ」
「なっ…何急にっ…」
「だって好きだから」
本当は俺に何か隠してるんじゃない?
あの女の人は誰?
聞きたい言葉を飲み込んで、代わりに琉の口から出たのは、そんな愛の言葉で。
遥希は頬を染め、恥ずかしそうに視線を逸らした。
ねぇ、その態度は、嘘なんかじゃないよね?
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「ふふ、琉に大変て言われるなんて。琉のほうが、絶対お仕事大変なのに」
「ハルちゃんのほうが大変だって。俺なんて、まず、勉強が無理だし」
かわいらしく笑う遥希につられて、琉も頬が緩む。
つい、先ほどの微妙な空気を忘れてしまいそうになるけれど、今はそれで話を終わらせてはいけないのだ。
「じゃあ、俺の見間違いだったのかな。ハルちゃんのバイトしてるトコと全然違う場所だったし」
「う、うん。そう思う」
「そっか…、そうだよね」
「うん、そうだと思う」
バイトだったと言う遥希の言葉に、琉がホッとしたのも束の間、遥希の態度に琉はやはり少し引っ掛かった。
遥希は恐ろしく嘘が下手くそだから、バイトだったというのが嘘なら、態度はもっとバレバレのはずで、そういう意味では、それは嘘ではないはずだ。
しかし、琉に言えない何かを隠しているのは、まず間違いない。
最初に遥希がハッとしたのは、琉が遥希を見掛けたと言ったときで、しかし、バイトをしているところや、その行き帰りなどで街中を歩いている姿を見られただけなら、そんなに動揺することはないだろう。
むしろ、いつ? とか、どこで? とか、話を続けて来ていいはずなのに。
どこで見掛けたのかも聞かないまま、遥希は、琉の見間違いだということで、話を決着させたがっているようにしか思えないのだ。
(それって、やっぱ俺には隠しておきたいことがあるから…?)
そして、その隠しておきたいことというのは、あのとき遥希の隣を歩いていた女性のことなのだろう。
そもそも遥希はゲイなんだし、本当に女性と一緒に歩いていたとしても、何の疾しいこともなければ、琉に隠す必要はないのだ。それなのに、この態度…。
「――――ハルちゃん、」
「え、何?」
「…何でもない。好きだよ」
「なっ…何急にっ…」
「だって好きだから」
本当は俺に何か隠してるんじゃない?
あの女の人は誰?
聞きたい言葉を飲み込んで、代わりに琉の口から出たのは、そんな愛の言葉で。
遥希は頬を染め、恥ずかしそうに視線を逸らした。
ねぇ、その態度は、嘘なんかじゃないよね?
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