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31. ミルクティーは薔薇色の夢 (後編)
2008.09.14 Sun
「貴久…………ありがとう…」
「……何が?」
何で急に礼を言われたのか、分からない。
何で? 何が? て思ってたら、いきなりキュッて抱き付かれて、思考が止まった。
多少の戸惑いはあったけど、俺も哲也の背中に腕を回す。
さすがに男相手にはないけど、俺だって今まで付き合った女の子をこうやって抱き締めたことくらいあるのに、何だろ、すげぇ緊張してる、俺。
「……俺のこと、見捨てないでくれて、ありがとう」
「見捨てるて……そんなの…、何それ」
「まだ俺のことを好きでいてくれて、ありがとう。またこうして一緒にいてくれて、ありがとう。…………ありがとう、貴久」
「…………そこまで感謝されんのも、何か恥ずかしいんだけど…」
そう言って少し手を緩めれば、哲也がくっ付いたまま顔だけ上げて。目が合ったら、何だかおかしくなって、2人して吹き出した。
「そんなんだったら、俺もだ」
「何が?」
「言っとくけど、俺はいっぺんお前に出てかれてんだぞ? いわば、俺は哲也に捨てられたってことじゃんか?」
「違うよ、貴久が俺のこと捨てたんだろ? だから俺が出てったの!」
「違うって」
「違うよ」
「……………………」
「……………………」
「ふはっ」
しょうもないことで言い合ってたら、またおかしくなってくる。
ホント、小学生の会話だよ、これ。
「そんなの言いたかったんじゃないの。俺も哲也に"ありがとう"て言いたいって思ったの。…………戻って来てくれて、ありがとう、て」
「そんなの…………だって、」
キュ~て哲也の腕に力が入って、その額をグリグリ俺の肩口に押し付けてきて。
「何? どうした、哲也」
「…………好き」
「、」
それはそれは小さな。
蚊の泣くような声やったけど。
はっきりと耳に届いたその言葉に、自分でもビックリするくらい心臓が高鳴って。
哲也が顔を上げて、俺のほうをジッと見た。
俺の言葉を待ってる。
「…………好き、だよ?」
「何で疑問形やねん!」
「だって!」
めっちゃ顔熱い!
だって、だってこんなの! ………………ラブラブ?
だあぁ~~~~!!
「貴久?」
…………………………。
「…………ゴメ……ちょっと恥ずかしかった……」
今度は逆に、俺が哲也の肩に頭を乗せた。
「貴久が壊れた…」
「やってこんなの、恥ずかしいじゃんか」
「何でだよ。今まで彼女にしてきたのと同じだろ?」
「……………………」
「何で黙んだよ」
えーっと。
まぁ俺も今までに何人かの女の子とお付き合いをしてきましたけどね。
よくよく考えると、こんな風にイチャイチャ、みたいなんしたことがないなって。
「嫌いなの? そういうの」
クリクリした目で下から覗き込んでくるから、俺は曖昧に笑ってごまかした。
嫌いってわけじゃないけど…………苦手? いや、別にいいんだど。
「くふふ……好きだよ、貴久」
「ッ……分かったって!」
もー! めっちゃ恥ずかしい!
「あんまりからかうなよ…」
「貴久、ヘタレー」
「るさい! 違うわ!」
「違うの?」
「違うて」
「ふーん…………ねぇ、なら、キスして?」
……………………。
「…………はい?」
「キス。して? 好きって言って」
「哲…」
こんなの普通に言ってくるなよ、恥ずかしいじゃんか! とか思いつつ、うっかりかわいいとか思ってる俺も俺だ。
「貴久?」
あーもうっ!
「何回も言わすな、ボケッ」
重ねた唇からは、甘いミルクティの味がした。
*END*
開始したのが6月だって事実に、笑ってもらえるといい。もう9月だし。
ここまでお付き合いくださったみなさま、本当にありがとうございました。
そして拍手、コメント、ランクリしてくださったみなさん、大変励みになりました。本当にありがとうございました。
「……何が?」
何で急に礼を言われたのか、分からない。
何で? 何が? て思ってたら、いきなりキュッて抱き付かれて、思考が止まった。
多少の戸惑いはあったけど、俺も哲也の背中に腕を回す。
さすがに男相手にはないけど、俺だって今まで付き合った女の子をこうやって抱き締めたことくらいあるのに、何だろ、すげぇ緊張してる、俺。
「……俺のこと、見捨てないでくれて、ありがとう」
「見捨てるて……そんなの…、何それ」
「まだ俺のことを好きでいてくれて、ありがとう。またこうして一緒にいてくれて、ありがとう。…………ありがとう、貴久」
「…………そこまで感謝されんのも、何か恥ずかしいんだけど…」
そう言って少し手を緩めれば、哲也がくっ付いたまま顔だけ上げて。目が合ったら、何だかおかしくなって、2人して吹き出した。
「そんなんだったら、俺もだ」
「何が?」
「言っとくけど、俺はいっぺんお前に出てかれてんだぞ? いわば、俺は哲也に捨てられたってことじゃんか?」
「違うよ、貴久が俺のこと捨てたんだろ? だから俺が出てったの!」
「違うって」
「違うよ」
「……………………」
「……………………」
「ふはっ」
しょうもないことで言い合ってたら、またおかしくなってくる。
ホント、小学生の会話だよ、これ。
「そんなの言いたかったんじゃないの。俺も哲也に"ありがとう"て言いたいって思ったの。…………戻って来てくれて、ありがとう、て」
「そんなの…………だって、」
キュ~て哲也の腕に力が入って、その額をグリグリ俺の肩口に押し付けてきて。
「何? どうした、哲也」
「…………好き」
「、」
それはそれは小さな。
蚊の泣くような声やったけど。
はっきりと耳に届いたその言葉に、自分でもビックリするくらい心臓が高鳴って。
哲也が顔を上げて、俺のほうをジッと見た。
俺の言葉を待ってる。
「…………好き、だよ?」
「何で疑問形やねん!」
「だって!」
めっちゃ顔熱い!
だって、だってこんなの! ………………ラブラブ?
だあぁ~~~~!!
「貴久?」
…………………………。
「…………ゴメ……ちょっと恥ずかしかった……」
今度は逆に、俺が哲也の肩に頭を乗せた。
「貴久が壊れた…」
「やってこんなの、恥ずかしいじゃんか」
「何でだよ。今まで彼女にしてきたのと同じだろ?」
「……………………」
「何で黙んだよ」
えーっと。
まぁ俺も今までに何人かの女の子とお付き合いをしてきましたけどね。
よくよく考えると、こんな風にイチャイチャ、みたいなんしたことがないなって。
「嫌いなの? そういうの」
クリクリした目で下から覗き込んでくるから、俺は曖昧に笑ってごまかした。
嫌いってわけじゃないけど…………苦手? いや、別にいいんだど。
「くふふ……好きだよ、貴久」
「ッ……分かったって!」
もー! めっちゃ恥ずかしい!
「あんまりからかうなよ…」
「貴久、ヘタレー」
「るさい! 違うわ!」
「違うの?」
「違うて」
「ふーん…………ねぇ、なら、キスして?」
……………………。
「…………はい?」
「キス。して? 好きって言って」
「哲…」
こんなの普通に言ってくるなよ、恥ずかしいじゃんか! とか思いつつ、うっかりかわいいとか思ってる俺も俺だ。
「貴久?」
あーもうっ!
「何回も言わすな、ボケッ」
重ねた唇からは、甘いミルクティの味がした。
*END*
開始したのが6月だって事実に、笑ってもらえるといい。もう9月だし。
ここまでお付き合いくださったみなさま、本当にありがとうございました。
そして拍手、コメント、ランクリしてくださったみなさん、大変励みになりました。本当にありがとうございました。
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- 31. ミルクティーは薔薇色の夢 (後編) (2008/09/14)
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ 祝・完結!!(;_;)おめでとう貴&哲!!!
あああ~やっとやっと……(号泣
ふたりの恋の行く末にやきもきやきもきしながら手に汗握っていた読者の一人として、ハッピーエンド本当に嬉しい…マジ泣きしそうです。
もう、もうもうもう!気をもませるんだからっ!
いっぱい優しさと切なさをいただいたこのシリーズが終わってしまうのは寂しくはありますが、素敵な読後感の最後まで可愛さがいっぱいつまったストーリーを、ありがとうございました!!
ふたりの恋の行く末にやきもきやきもきしながら手に汗握っていた読者の一人として、ハッピーエンド本当に嬉しい…マジ泣きしそうです。
もう、もうもうもう!気をもませるんだからっ!
いっぱい優しさと切なさをいただいたこのシリーズが終わってしまうのは寂しくはありますが、素敵な読後感の最後まで可愛さがいっぱいつまったストーリーを、ありがとうございました!!
柚子季@携帯 ⇒
はぁ~(*´∀`)♪
最後まで可愛いかった~~~!
完結お疲れさまでした!
毎朝待ち侘びては楽しませて頂きましたよ~(o>ω<o)
哲と貴久たんは、きっとずっとこんなんなんでしょうねぇ(笑)
啓ちゃんにも出会えて幸せでした~♪゜+。(*′∇`)。+゜
最後まで可愛いかった~~~!
完結お疲れさまでした!
毎朝待ち侘びては楽しませて頂きましたよ~(o>ω<o)
哲と貴久たんは、きっとずっとこんなんなんでしょうねぇ(笑)
啓ちゃんにも出会えて幸せでした~♪゜+。(*′∇`)。+゜
如月久美子 ⇒ >りりさん
あぁ~~、嬉しいお言葉ありがとうございます!
ここまでダラダラと続けてしまって、途中、私もヒヤヒヤしましたが、何とかまとまってホッとしてます。
何とかハッピーエンドになりましたしね。
こちらこそ、本当にありがとうございました。
コメント、とても励みになりました!
ここまでダラダラと続けてしまって、途中、私もヒヤヒヤしましたが、何とかまとまってホッとしてます。
何とかハッピーエンドになりましたしね。
こちらこそ、本当にありがとうございました。
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如月久美子 ⇒ >柚子季さん
哲也タン、かわいく仕上がってますかね!?
柚子季さんの癒しになってくれれば、こちらも嬉しいです~!
くっついたり離れたりの、もどかしい2人でしたけど、見守っていてくれてありがとうございました!
いつもコメントありがとうございました。
励みになりました!
柚子季さんの癒しになってくれれば、こちらも嬉しいです~!
くっついたり離れたりの、もどかしい2人でしたけど、見守っていてくれてありがとうございました!
いつもコメントありがとうございました。
励みになりました!
如月久美子 ⇒ 秘密のコメ→名無しさま
如月久美子 ⇒ 秘密のコメ→Eさま
何とかハッピーエンドにまで、たどり着きました~!
長い道のり…。
書いてるほうも、何度ヒヤヒヤしたことやら(苦笑)
みなさまのおかげで、何とかラブラブになりましたv
拍手、ありがとうございました!
長い道のり…。
書いてるほうも、何度ヒヤヒヤしたことやら(苦笑)
みなさまのおかげで、何とかラブラブになりましたv
拍手、ありがとうございました!
イチゴ ⇒ 遅ればせながら
おおおおめでとうございます完結!!(何故倒置法)すっっごい、良かったです!!!もう最後のお話は読んでいるこっちが悶えるくらい恥かしくて恥かしくて…うう、甘酸っぱさをありがとう貴久くんたち…
ちょっと哲也くんに振り回され気味の貴久っちが、すんごい好きです♪いいなあ、この二人♪♪
番外編、楽しみにしております☆
ちょっと哲也くんに振り回され気味の貴久っちが、すんごい好きです♪いいなあ、この二人♪♪
番外編、楽しみにしております☆
- |2008.09.15
- |Mon
- |14:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >イチゴさん
ひぃ~~~、ものすごいほめ言葉、頂いちゃって、舞い上がっております!!!
ホント、甘々すぎて、ちょっと恥ずかしいくらいですよね。
何だかんだで、振り回されてる貴久タン…。
何とか番外編が書けるように、がんばりたいと思います(いつになるやらですが)。
コメント、ありがとうございました!
ホント、甘々すぎて、ちょっと恥ずかしいくらいですよね。
何だかんだで、振り回されてる貴久タン…。
何とか番外編が書けるように、がんばりたいと思います(いつになるやらですが)。
コメント、ありがとうございました!