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どうせ伝わらないのなら、言葉なんていらない (3)
2015.04.10 Fri
「多分て何だよ、大和~~~!!!」
「うっせぇなぁ…」
「お前、さっきのあれがハルちゃんじゃなくて、千尋だとしても同じこと言えるか!? このヤロウ~~~!!!」
テンパりすぎて、テンションもキャラも壊れてしまった琉が、しつこく大和に絡む。
大和はそんな琉を邪魔そうに押し退けながら、それでも素直に琉の言葉を受け止め、脳内で先ほどの遥希を、最近ようやく本当の恋人になれた千尋に置き換えてみる。
「………………、いや、見つけた俺が言うのも何だけど、一緒にいたの、女の子だったじゃん? ハルちゃんの場合、それって、そういうことになるのかね」
「え…」
「かといって、男2人でいるのを疑うのもだし…………そうなるとハルちゃんもちーちゃんも、誰とも一緒にいられなくなるよな?」
「た…確かに…」
ゲイである2人は、女性に対して恋愛感情はないから、ノン気の男と違って、先ほどの光景が疑わしいものだとは言い切れないけれど、でも相手の女性もそうだとは限らない。
遥希がゲイだということを知らなくて、遥希のことを好きになっちゃって、ぐいぐい攻めて来て、遥希もそれに押されて、その子のことを好きになっちゃうかもしれない。
今まで知らなかった女性の魅力に気が付いて、そのままどんどん気持ちが傾いて行って……
「…………想像だけで、よくそこまで落ち込めるよな、お前」
最初に言い出したのは自分だけれど、琉がどんどんと落ち込んで、絶望の淵に立たされる様を見ていると、琉の遥希への想いの強さに、ちょっと引く。
もしこれが千尋だったら…………うーん…、千尋が今さら女性に傾くとか、あるかなぁ…?
「つかさぁ、だったら今メールしてみればいいじゃん。もしくは電話。今どこいんの? て。そうすりゃハッキリすんだろ」
「でっ…でもっ…」
大和はとても面倒くさそうに、しかしとっても尤もなことを、冷静に伝えた。事情がハッキリすれば、何もかも解決するのだ。
しかし、その会話を聞きながら、琉にそれが出来れば苦労はいらない、と南條は運転しながら思う。琉に対して気を遣いすぎる遥希と、遥希のことに関してヘタレすぎる琉に、振り回されるのは結局南條なのだ。
「なら俺が聞いてやろっか?」
「………………へ……?」
「俺がハルちゃんに聞いてやろっか?」
思い掛けない大和の言葉に、本気で琉の目が点になっている。
大和だって遥希とは友人だし、琉が聞けないと言うなら、代わりに聞いてやってもいいと思っただけのことなのだが。
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「うっせぇなぁ…」
「お前、さっきのあれがハルちゃんじゃなくて、千尋だとしても同じこと言えるか!? このヤロウ~~~!!!」
テンパりすぎて、テンションもキャラも壊れてしまった琉が、しつこく大和に絡む。
大和はそんな琉を邪魔そうに押し退けながら、それでも素直に琉の言葉を受け止め、脳内で先ほどの遥希を、最近ようやく本当の恋人になれた千尋に置き換えてみる。
「………………、いや、見つけた俺が言うのも何だけど、一緒にいたの、女の子だったじゃん? ハルちゃんの場合、それって、そういうことになるのかね」
「え…」
「かといって、男2人でいるのを疑うのもだし…………そうなるとハルちゃんもちーちゃんも、誰とも一緒にいられなくなるよな?」
「た…確かに…」
ゲイである2人は、女性に対して恋愛感情はないから、ノン気の男と違って、先ほどの光景が疑わしいものだとは言い切れないけれど、でも相手の女性もそうだとは限らない。
遥希がゲイだということを知らなくて、遥希のことを好きになっちゃって、ぐいぐい攻めて来て、遥希もそれに押されて、その子のことを好きになっちゃうかもしれない。
今まで知らなかった女性の魅力に気が付いて、そのままどんどん気持ちが傾いて行って……
「…………想像だけで、よくそこまで落ち込めるよな、お前」
最初に言い出したのは自分だけれど、琉がどんどんと落ち込んで、絶望の淵に立たされる様を見ていると、琉の遥希への想いの強さに、ちょっと引く。
もしこれが千尋だったら…………うーん…、千尋が今さら女性に傾くとか、あるかなぁ…?
「つかさぁ、だったら今メールしてみればいいじゃん。もしくは電話。今どこいんの? て。そうすりゃハッキリすんだろ」
「でっ…でもっ…」
大和はとても面倒くさそうに、しかしとっても尤もなことを、冷静に伝えた。事情がハッキリすれば、何もかも解決するのだ。
しかし、その会話を聞きながら、琉にそれが出来れば苦労はいらない、と南條は運転しながら思う。琉に対して気を遣いすぎる遥希と、遥希のことに関してヘタレすぎる琉に、振り回されるのは結局南條なのだ。
「なら俺が聞いてやろっか?」
「………………へ……?」
「俺がハルちゃんに聞いてやろっか?」
思い掛けない大和の言葉に、本気で琉の目が点になっている。
大和だって遥希とは友人だし、琉が聞けないと言うなら、代わりに聞いてやってもいいと思っただけのことなのだが。
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