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30. 曲がり角で明け星ひとつ (後編)
2008.09.12 Fri
哲也と、再会して。
それでもやっぱり一緒にいたいって、気持ちに気が付いて。
だからって、そんな、駆け落ちみたいな真似が出来るわけでもないから、ひとまずは互いの戻るべき場所に戻って。ケジメを付けようって。
そして、今日だ。
何でこんな時間になったのかは分からないし、聞くつもりもないけれど、哲也は一緒に住んでた人のところを出て、俺のところに来た。
…………奪った、て言うのかな。こういうの。
略奪愛?
そんなの、絶対あり得ないって思ってたのに。
普通に彼女が出来て、付き合って、いつか結婚する……みたいな、そんな普通の将来像を、何となくやけど、ぼんやりと思い描いてたのに。
気付けば男を好きになってて、こんなことになってる。
「あ…あれ」
「え?」
隣で、哲也が空を指差してる。
だんだんと明るくなり始めてる、東の空。
「何?」
「明星。明けの明星だよ、あれ」
「あれって、どれよ」
俺、そんなに星とか詳しくないから、全然分かんない。
哲也が指差してる方向に、じっと目を凝らす。
「あの、ホラ、すっごい明るいヤツ」
「あー……あれ、かな?」
何となく、哲也の言わんとするものなのがどれなのか、分かってくる。
「で? それが何? だいたい明星って何? 一番星?」
「貴久のアホ! 明星て、金星のこと! 明けの明星は、明け方に見えるヤツで、宵の明星が夕方に見えるヤツ」
「ふぅん」
「…………あんま興味ないだろ?」
「ゴメン」
「バカ。…………明けの明星は、ラテン語で"ルシフェル"って言って、最高位の天使に与えられた名前なんだよ? でもルシフェルは天界を追放されて、堕天使になっちゃうの」
そこまで言って俺のほうを見た哲也は、ちょっとだけ複雑な表情で、でも口元に笑みを作った。
どっちの意味の笑顔かは知らんけど。
でも出来れば、俺が星座とか神話とか何も知らなくて、アホだなぁって呆れてる笑いだったらいいな。
堕天使とか何とか、そんなの気にしてるのをごまかしてるんじゃなければ、いいと思う。
「……寒いから、早く帰ろ?」
「…………うん」
それでもやっぱり一緒にいたいって、気持ちに気が付いて。
だからって、そんな、駆け落ちみたいな真似が出来るわけでもないから、ひとまずは互いの戻るべき場所に戻って。ケジメを付けようって。
そして、今日だ。
何でこんな時間になったのかは分からないし、聞くつもりもないけれど、哲也は一緒に住んでた人のところを出て、俺のところに来た。
…………奪った、て言うのかな。こういうの。
略奪愛?
そんなの、絶対あり得ないって思ってたのに。
普通に彼女が出来て、付き合って、いつか結婚する……みたいな、そんな普通の将来像を、何となくやけど、ぼんやりと思い描いてたのに。
気付けば男を好きになってて、こんなことになってる。
「あ…あれ」
「え?」
隣で、哲也が空を指差してる。
だんだんと明るくなり始めてる、東の空。
「何?」
「明星。明けの明星だよ、あれ」
「あれって、どれよ」
俺、そんなに星とか詳しくないから、全然分かんない。
哲也が指差してる方向に、じっと目を凝らす。
「あの、ホラ、すっごい明るいヤツ」
「あー……あれ、かな?」
何となく、哲也の言わんとするものなのがどれなのか、分かってくる。
「で? それが何? だいたい明星って何? 一番星?」
「貴久のアホ! 明星て、金星のこと! 明けの明星は、明け方に見えるヤツで、宵の明星が夕方に見えるヤツ」
「ふぅん」
「…………あんま興味ないだろ?」
「ゴメン」
「バカ。…………明けの明星は、ラテン語で"ルシフェル"って言って、最高位の天使に与えられた名前なんだよ? でもルシフェルは天界を追放されて、堕天使になっちゃうの」
そこまで言って俺のほうを見た哲也は、ちょっとだけ複雑な表情で、でも口元に笑みを作った。
どっちの意味の笑顔かは知らんけど。
でも出来れば、俺が星座とか神話とか何も知らなくて、アホだなぁって呆れてる笑いだったらいいな。
堕天使とか何とか、そんなの気にしてるのをごまかしてるんじゃなければ、いいと思う。
「……寒いから、早く帰ろ?」
「…………うん」
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カテゴリー:アスファルトで溺死。
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
りり ⇒ おぉ?一番乗りですか?
自分とこの夜の更新分あげて、ボロボロになってこちらに打ち上げられています。
愛が、愛が欲しい……。
堕天使とか思っちゃいけないよ!
純愛じゃないですか!!
すんなり結ばれなかったぶん、絆が固くなればいい。
幸せになってくれたら、嬉しくって泣きたくなります…。
愛が、愛が欲しい……。
堕天使とか思っちゃいけないよ!
純愛じゃないですか!!
すんなり結ばれなかったぶん、絆が固くなればいい。
幸せになってくれたら、嬉しくって泣きたくなります…。
如月久美子 ⇒ >りりさん
一番乗り、ありがとうございま~す!
哲也タン、意外と繊細な気持ちをお持ちのようで…。
でも貴久タンが、どこまで気付いてあげられるやら(苦笑)
>すんなり結ばれなかったぶん、絆が固くなればいい。
まさにそうですね。
もうホントに、我が子を見守る母の心境です。
コメントありがとうございました!
哲也タン、意外と繊細な気持ちをお持ちのようで…。
でも貴久タンが、どこまで気付いてあげられるやら(苦笑)
>すんなり結ばれなかったぶん、絆が固くなればいい。
まさにそうですね。
もうホントに、我が子を見守る母の心境です。
コメントありがとうございました!