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恋の女神は微笑まない (278)
2015.02.19 Thu
「それは…………俺というわけにはいかないの?」
「言うと思った。大和くん、自分で『カッコいい彼氏』て言っちゃうの? ナルシスト」
「『カッコいい』はちーちゃんが言ってるんでしょ。ねぇちーちゃん、俺じゃダメなの?」
大和はもどかしそうに言う。
千尋のことを好きだと言う男がいて、カッコいい彼氏が欲しい千尋は、その男をまだ嫌いにはなっていない。
なのに本当、どうしてダメなんだろう。
「…分かんない」
「分かんないの?」
「何でダメなのか、分かんない」
「分かんないけど、ダメなの?」
「ダメかどうかも分かんない」
千尋が言うと、さすがに大和も、困ったように眉を下げた。
ダメだと拒否するでもなく、かといって大和の申し出を受け入れるでもなければ、困るしかないだろう。
別に千尋は、大和のことを困らせたいわけじゃないのにな。
「分かんないときは、ちーちゃん、お得意のがあるよね」
「…お試しはもうしない」
大和の言わんとすることを察して、言われる前に先手を打っておく。
もう今さら、そんなややこしいこと、したくない。それだったら、本当に付き合うほうがいい。いや、大和と本当に付き合いたいわけじゃなくて、お試しと比べたら、てだけで、
「お試しがダメなら――――じゃあ?」
さらに大和が1歩進んで、そのブーツの爪先が上がり框にぶつかる。千尋も1歩下れば、靴を履いたままで、それ以上は進めない大和は、千尋に追い付けない。
だから千尋は、逃げようと思えば逃げられるけれど、大和がその気になれば、いくらでも千尋を捕まえられるだろうから、結局は逃げ場などないのだ。
そもそも、外への出口は大和の後ろだ。大和がそこにいる限り、千尋はどこへも逃げられない。
――――逃げる?
逃げたいのか? 大和から。
「あ…」
千尋が1歩下がるより先、逃げるより先に大和の腕が伸びて来て、閉じ込められていた。
大和の腕の中。初めてのことではない。けれど、途端に顔に熱が集まるのが分かった。耳も熱い。
あのときと同じだ――――初めて大和に抱き締められたとき。大和は今、バスローブ姿ではないし、ここはコンサートが終わった後の楽屋でもないけれど。
ちょうど1年前の、今日。
「…タイムアウト」
大和の声が、耳元で響いた。
back next
更新についてのお知らせ
お話がすごくいいところなのに、大変申し訳ないのですが、数日、更新をお休みさせていただきたいと思いまして、お知らせいたします。
実は今、仕事がものすごい忙しくて、連日残業&昼休みもないような状態で、まともにお話を書いている時間を取れない状態です。
帰宅後、お話は書いているのですが、寝る時間を取らないと体調を崩しそうで、あまり長い時間PCに向かえずにいます。
もう少しで書き上がるところなのですが、ちゃんとしたものをお届けできるよう、少しお時間をいただきたいと思います。
週明けには再開できるようがんばりますので、よろしくお願いします。
「言うと思った。大和くん、自分で『カッコいい彼氏』て言っちゃうの? ナルシスト」
「『カッコいい』はちーちゃんが言ってるんでしょ。ねぇちーちゃん、俺じゃダメなの?」
大和はもどかしそうに言う。
千尋のことを好きだと言う男がいて、カッコいい彼氏が欲しい千尋は、その男をまだ嫌いにはなっていない。
なのに本当、どうしてダメなんだろう。
「…分かんない」
「分かんないの?」
「何でダメなのか、分かんない」
「分かんないけど、ダメなの?」
「ダメかどうかも分かんない」
千尋が言うと、さすがに大和も、困ったように眉を下げた。
ダメだと拒否するでもなく、かといって大和の申し出を受け入れるでもなければ、困るしかないだろう。
別に千尋は、大和のことを困らせたいわけじゃないのにな。
「分かんないときは、ちーちゃん、お得意のがあるよね」
「…お試しはもうしない」
大和の言わんとすることを察して、言われる前に先手を打っておく。
もう今さら、そんなややこしいこと、したくない。それだったら、本当に付き合うほうがいい。いや、大和と本当に付き合いたいわけじゃなくて、お試しと比べたら、てだけで、
「お試しがダメなら――――じゃあ?」
さらに大和が1歩進んで、そのブーツの爪先が上がり框にぶつかる。千尋も1歩下れば、靴を履いたままで、それ以上は進めない大和は、千尋に追い付けない。
だから千尋は、逃げようと思えば逃げられるけれど、大和がその気になれば、いくらでも千尋を捕まえられるだろうから、結局は逃げ場などないのだ。
そもそも、外への出口は大和の後ろだ。大和がそこにいる限り、千尋はどこへも逃げられない。
――――逃げる?
逃げたいのか? 大和から。
「あ…」
千尋が1歩下がるより先、逃げるより先に大和の腕が伸びて来て、閉じ込められていた。
大和の腕の中。初めてのことではない。けれど、途端に顔に熱が集まるのが分かった。耳も熱い。
あのときと同じだ――――初めて大和に抱き締められたとき。大和は今、バスローブ姿ではないし、ここはコンサートが終わった後の楽屋でもないけれど。
ちょうど1年前の、今日。
「…タイムアウト」
大和の声が、耳元で響いた。
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お話がすごくいいところなのに、大変申し訳ないのですが、数日、更新をお休みさせていただきたいと思いまして、お知らせいたします。
実は今、仕事がものすごい忙しくて、連日残業&昼休みもないような状態で、まともにお話を書いている時間を取れない状態です。
帰宅後、お話は書いているのですが、寝る時間を取らないと体調を崩しそうで、あまり長い時間PCに向かえずにいます。
もう少しで書き上がるところなのですが、ちゃんとしたものをお届けできるよう、少しお時間をいただきたいと思います。
週明けには再開できるようがんばりますので、よろしくお願いします。
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けいったん ⇒ No title
如月さま、御多忙の中 更新をして下さっていたのですね。
本当に ありがとう♪
リアル生活重視は、当然です。
それに 無理して お体を壊されては、辛く悲しいですし!
三寒四温の時季、
この季節の変わり目は 特に 体調を崩し易いので くれぐれもご自愛し お過ごし下さい。
☆゜.+:。゜(oゝω・o愛)゜.+:。゜☆...byebye☆
P.S.私も 去年より ずっと バタバタと慌ただしくしておりまして 読み逃げばかりして ごめんなさい(o*。_。)oペコリ
本当に ありがとう♪
リアル生活重視は、当然です。
それに 無理して お体を壊されては、辛く悲しいですし!
三寒四温の時季、
この季節の変わり目は 特に 体調を崩し易いので くれぐれもご自愛し お過ごし下さい。
☆゜.+:。゜(oゝω・o愛)゜.+:。゜☆...byebye☆
P.S.私も 去年より ずっと バタバタと慌ただしくしておりまして 読み逃げばかりして ごめんなさい(o*。_。)oペコリ
- |2015.02.21
- |Sat
- |13:52
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
けいったんさんもだいぶお忙しいみたいですね。
読み逃げ歓迎!
読んでいただけるだけでも、すごく嬉しいです。ありがとうございます。
私は寝不足になると、すぐに体調を崩す人なので、睡眠時間を削ることが出来なくて。。。
優しいお言葉、ありがとうございます。
お話の完結に向けてがんばりますので、ぬるい目で見守っていただければと思います。
私の住んでいるところは、とんでもない豪雪地帯なので、まだまだ春は遠いのですが、今日は春のような日差しでした。
春が待ち遠しい(季節だけでなく、仕事の忙しさも多少は解消されるので…(笑))
コメントありがとうございました!
読み逃げ歓迎!
読んでいただけるだけでも、すごく嬉しいです。ありがとうございます。
私は寝不足になると、すぐに体調を崩す人なので、睡眠時間を削ることが出来なくて。。。
優しいお言葉、ありがとうございます。
お話の完結に向けてがんばりますので、ぬるい目で見守っていただければと思います。
私の住んでいるところは、とんでもない豪雪地帯なので、まだまだ春は遠いのですが、今日は春のような日差しでした。
春が待ち遠しい(季節だけでなく、仕事の忙しさも多少は解消されるので…(笑))
コメントありがとうございました!
- |2015.02.21
- |Sat
- |22:44
- |URL
- |EDIT|