スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
恋の女神は微笑まない (267)
2015.02.08 Sun
大抵の人が、クリスマスまでにプレゼントを購入するとはいえ、デートでお店を訪れるカップルも多いので、イブやクリスマス当日でも、それなりに混雑する。
しかし、風邪もすっかり治った千尋は、そんな恋人たちをやっかむ気持ちなどみじんも起こさず、やる気十分に、いや十分すぎて店長から『ちゃんと休憩をしなさい』と言われるくらい、働きまくっている。
あまりに千尋が熱心に仕事をするものだから、もともとイブに休みの入っていたバイトの子まで、『仕事…来たほうがいいですよね、俺…』と気を遣う始末だった(結局、店長が説得し、当初のとおり休みとはなった)。
「村瀬くんが仕事熱心なのは分かったから、もうちょっとクールダウンしてね、お願いだから」
「でも店長、俺仕事したくてしょうがないんです。この気持ち、どうしたらっ…!」
「いや、仕事してくれていいんだけどね…。仕事嫌いだって言われるより、仕事したくてしょうがないって言われるほうがいいけど、そこまでの抑えられない衝動が、一体どこから湧いてくるわけ?」
あまりに千尋が熱く語るものだから、苦笑気味だった店長も、とうとう吹き出して笑ってしまった。
元から千尋が仕事に熱心なのは知っているが、風邪を引いて休んで以来、その度合いはますます大きくなっているように思える。
「何か……体の奥底から湧いてきますっ!」
「そんな、真顔で言われても」
クリスマスには恋人が欲しい…、いや、新しい恋を始めるのは年が明けてからだ、という葛藤を経て、最後は、もう恋人なんか一生いらない、という悟りの境地に至った千尋は、以前にも増して、仕事への熱意が溢れているのだ。
「気持ちは分かったけど、閉店時間を延ばすつもりはないから、そろそろ店閉めるよ?」
「はうぅ~…」
やる気が空回りして、不完全燃焼だ。
しかし、コンビニとはわけが違い、深夜まで店を開けていたからといって、いつまでもお客がやって来るというものではない。費用対効果を考えても、閉店時間の延長は出来ないのだ。
「でも、村瀬くんがすごいがんばったから、クリスマスまでの売り上げ、結構よかったと思うよ?」
「ホントですか!?」
もうお仕事終わり…と千尋がしょんぼりしながら、closedの看板を出して戻って来たら、店長にそう言われて、再びテンションが上がる。
仕事に対する情熱のやり場を持て余している千尋をかわいそうに思って、そういうふうに言ってくれたのだとは思うけれど、それでもやっぱり嬉しい。
「そういえば去年もさ、クリスマスだかイブだか忘れたけど、村瀬くん、そのときも、まだ帰りたくない、仕事したい、て言ってたよね」
「…そうでしたっけ?」
「何だっけ? 何かこの後にコンサート行かなきゃいけないの、行きたくないとか言って」
「…………」
back next
しかし、風邪もすっかり治った千尋は、そんな恋人たちをやっかむ気持ちなどみじんも起こさず、やる気十分に、いや十分すぎて店長から『ちゃんと休憩をしなさい』と言われるくらい、働きまくっている。
あまりに千尋が熱心に仕事をするものだから、もともとイブに休みの入っていたバイトの子まで、『仕事…来たほうがいいですよね、俺…』と気を遣う始末だった(結局、店長が説得し、当初のとおり休みとはなった)。
「村瀬くんが仕事熱心なのは分かったから、もうちょっとクールダウンしてね、お願いだから」
「でも店長、俺仕事したくてしょうがないんです。この気持ち、どうしたらっ…!」
「いや、仕事してくれていいんだけどね…。仕事嫌いだって言われるより、仕事したくてしょうがないって言われるほうがいいけど、そこまでの抑えられない衝動が、一体どこから湧いてくるわけ?」
あまりに千尋が熱く語るものだから、苦笑気味だった店長も、とうとう吹き出して笑ってしまった。
元から千尋が仕事に熱心なのは知っているが、風邪を引いて休んで以来、その度合いはますます大きくなっているように思える。
「何か……体の奥底から湧いてきますっ!」
「そんな、真顔で言われても」
クリスマスには恋人が欲しい…、いや、新しい恋を始めるのは年が明けてからだ、という葛藤を経て、最後は、もう恋人なんか一生いらない、という悟りの境地に至った千尋は、以前にも増して、仕事への熱意が溢れているのだ。
「気持ちは分かったけど、閉店時間を延ばすつもりはないから、そろそろ店閉めるよ?」
「はうぅ~…」
やる気が空回りして、不完全燃焼だ。
しかし、コンビニとはわけが違い、深夜まで店を開けていたからといって、いつまでもお客がやって来るというものではない。費用対効果を考えても、閉店時間の延長は出来ないのだ。
「でも、村瀬くんがすごいがんばったから、クリスマスまでの売り上げ、結構よかったと思うよ?」
「ホントですか!?」
もうお仕事終わり…と千尋がしょんぼりしながら、closedの看板を出して戻って来たら、店長にそう言われて、再びテンションが上がる。
仕事に対する情熱のやり場を持て余している千尋をかわいそうに思って、そういうふうに言ってくれたのだとは思うけれど、それでもやっぱり嬉しい。
「そういえば去年もさ、クリスマスだかイブだか忘れたけど、村瀬くん、そのときも、まだ帰りたくない、仕事したい、て言ってたよね」
「…そうでしたっけ?」
「何だっけ? 何かこの後にコンサート行かなきゃいけないの、行きたくないとか言って」
「…………」
back next
- 関連記事
-
- 恋の女神は微笑まない (268) (2015/02/09)
- 恋の女神は微笑まない (267) (2015/02/08)
- 恋の女神は微笑まない (266) (2015/02/07)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。