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恋の女神は微笑まない (265)
2015.02.06 Fri
『ちーちゃん、ちーちゃぁ~ん』
「じゃあちょうだい、カッコいい彼氏」
『えっ』
謙虚なのか図々しいのか分からない遥希に、千尋はビシッと言ってやる。
遥希が買えるもので、例えば欲しいものがないのかと言えば、ないわけではないが、それをただ普通に答えるのはつまらないし、遥希をやり込められないので。
「俺、1人で寂しい。クリスマスも1人だし。だからカッコいい彼氏が欲しい。ちょうだいハルちゃん」
『そんなの…』
遥希は急に語気を弱める。
遥希は結構考え込みすぎる性格だから、今も千尋の言葉を深読みして、いろいろ考えているのかもしれない。
「ハルちゃんが言ったんでしょ、クリスマスプレゼントくれる、て」
『そーだけどぉ…。ちーちゃん本気で言ってる?』
「ハルちゃんが本気で聞いたならね」
『え? え? ぅ??』
遥希が最初から全部冗談で言っていたのなら、千尋の答えも冗談だけれど、遥希が本気なら千尋も本気。まぁ、どちらで受け止めるかは遥希次第、といったところだ。
こんな言い方をされたら、きっと遥希は相当悩むだろうけど、知ったことではない。
「じゃあハルちゃん、サンタさんによろしくね」
『え、ちょっ、ちーちゃん!』
「あ、ハルちゃん、寝るならちゃんとふとん行きなよ? どうせ今、床に転がってんでしょ? 風邪引いて水落とクリスマスデートできなくなっても知らないよ?」
お節介だけれど、もし遥希が風邪を引いて…などということになれば、遥希は地の底まで凹み、千尋もそのとばっちりを受けることは火を見るよりも明らかなので。
『おふとん行く…』
「はいはい、そうして」
一体どうしてこんな母親みたいなこと…と思いつつも、素直に言うことを聞く遥希を、かわいくも思う。
さっきほどまで鬱陶しいほどのテンションだった遥希も、千尋からの難問に頭を使いすぎたのと、本当に眠くなってきたのとで、ようやく大人しくなってきた。
「ハルちゃん、ちゃんとふとん入った?」
『んー…』
「ホント?」
『らいじょーぶぅ…』
「じゃあ電話切るよ? お休み」
『あぃ…』
切るよ、と言ってから、しばらく電話の向こうの様子を窺って、遥希がちゃんと寝たことを確認すると、千尋はようやく電話を切った。
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「じゃあちょうだい、カッコいい彼氏」
『えっ』
謙虚なのか図々しいのか分からない遥希に、千尋はビシッと言ってやる。
遥希が買えるもので、例えば欲しいものがないのかと言えば、ないわけではないが、それをただ普通に答えるのはつまらないし、遥希をやり込められないので。
「俺、1人で寂しい。クリスマスも1人だし。だからカッコいい彼氏が欲しい。ちょうだいハルちゃん」
『そんなの…』
遥希は急に語気を弱める。
遥希は結構考え込みすぎる性格だから、今も千尋の言葉を深読みして、いろいろ考えているのかもしれない。
「ハルちゃんが言ったんでしょ、クリスマスプレゼントくれる、て」
『そーだけどぉ…。ちーちゃん本気で言ってる?』
「ハルちゃんが本気で聞いたならね」
『え? え? ぅ??』
遥希が最初から全部冗談で言っていたのなら、千尋の答えも冗談だけれど、遥希が本気なら千尋も本気。まぁ、どちらで受け止めるかは遥希次第、といったところだ。
こんな言い方をされたら、きっと遥希は相当悩むだろうけど、知ったことではない。
「じゃあハルちゃん、サンタさんによろしくね」
『え、ちょっ、ちーちゃん!』
「あ、ハルちゃん、寝るならちゃんとふとん行きなよ? どうせ今、床に転がってんでしょ? 風邪引いて水落とクリスマスデートできなくなっても知らないよ?」
お節介だけれど、もし遥希が風邪を引いて…などということになれば、遥希は地の底まで凹み、千尋もそのとばっちりを受けることは火を見るよりも明らかなので。
『おふとん行く…』
「はいはい、そうして」
一体どうしてこんな母親みたいなこと…と思いつつも、素直に言うことを聞く遥希を、かわいくも思う。
さっきほどまで鬱陶しいほどのテンションだった遥希も、千尋からの難問に頭を使いすぎたのと、本当に眠くなってきたのとで、ようやく大人しくなってきた。
「ハルちゃん、ちゃんとふとん入った?」
『んー…』
「ホント?」
『らいじょーぶぅ…』
「じゃあ電話切るよ? お休み」
『あぃ…』
切るよ、と言ってから、しばらく電話の向こうの様子を窺って、遥希がちゃんと寝たことを確認すると、千尋はようやく電話を切った。
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