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恋の女神は微笑まない (249)
2015.01.21 Wed
「とにかく着替えて。はい」
千尋が何も答えないでいることをどう受け取ったのか、単に喋るのがしんどくて黙っているだけと思ったのか知らないが、大和はベッドに投げっ放しになっていたパジャマを、千尋に差し出した。
仕方なく千尋はそれを受け取る。
せっかくがんばって着替えたのに、また着替え直さないといけないのかと思ったら、何だか一気に疲れが押し寄せて来た。
「それで、店長さんには電話したの? 結局」
「…してない」
「する?」
「………………ん」
諦めて、千尋は頷いた。
何でもないのだと、千尋はずっと自分に暗示を掛けていたけれど、あいにく千尋は自己暗示すらも効かないタチのようで、体調がよくなった様子はさっぱりない。
これは大人しく大和の言うことを聞いていたほうがよさそうだ。
千尋はカバンから充電のなくなりそうなスマホを取り出して、今度こそ間違えないように、店長に電話をする。
もともとそんなに電話を掛けたり受けたりするほうではないので、仕事上の間柄でしかない店長の電話番号も、発着信履歴の上のほうにある。けれど、その上に大和の番号があったのだ。昨日、電話をした。
「病院は? 行くなら送ってくけど…」
その問いには、千尋は首を振った。
病院に行くほどの病状かどうかは判断しかねるが、大和に送ってもらうなど……大和との関係性を抜きにしても、そこまで迷惑は掛けられない。昨日の話では、彼は今日、昼から仕事なのだ。
「ご飯食べてないよね? おかゆ――――コンビニのレトルトのだけど……温めてくるね?」
病院に行きたがらない千尋をそれ以上は追及せず、大和は持っていたコンビニの袋を掲げてから、寝室を出て行った。
千尋は片手にスマホ、片手にパジャマの状態で、着替えと電話の両立が難しいのは熱があるせいか? なんてどうでもいいことを考えていたら、電話が繋がった。
「てんちょ~……仕事休みたくないです~……」
『え、村瀬くん?』
相手がもしもしを言う前に話を始めてしまったが、千尋のことをいつもどおり村瀬くんと呼ぶし、声も間違いなく店長のものだ。
『どうしたの?』
「店長ぉ~~~…、仕事休みたくないぃ~~~……」
『…もしかして、風邪引いた? 熱あるの?』
「うぅ…」
まだ本題を話していないのに、店長は千尋の言葉から状況を把握したらしく、千尋が一番認めたくないことをあっさりと言って来た。
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千尋が何も答えないでいることをどう受け取ったのか、単に喋るのがしんどくて黙っているだけと思ったのか知らないが、大和はベッドに投げっ放しになっていたパジャマを、千尋に差し出した。
仕方なく千尋はそれを受け取る。
せっかくがんばって着替えたのに、また着替え直さないといけないのかと思ったら、何だか一気に疲れが押し寄せて来た。
「それで、店長さんには電話したの? 結局」
「…してない」
「する?」
「………………ん」
諦めて、千尋は頷いた。
何でもないのだと、千尋はずっと自分に暗示を掛けていたけれど、あいにく千尋は自己暗示すらも効かないタチのようで、体調がよくなった様子はさっぱりない。
これは大人しく大和の言うことを聞いていたほうがよさそうだ。
千尋はカバンから充電のなくなりそうなスマホを取り出して、今度こそ間違えないように、店長に電話をする。
もともとそんなに電話を掛けたり受けたりするほうではないので、仕事上の間柄でしかない店長の電話番号も、発着信履歴の上のほうにある。けれど、その上に大和の番号があったのだ。昨日、電話をした。
「病院は? 行くなら送ってくけど…」
その問いには、千尋は首を振った。
病院に行くほどの病状かどうかは判断しかねるが、大和に送ってもらうなど……大和との関係性を抜きにしても、そこまで迷惑は掛けられない。昨日の話では、彼は今日、昼から仕事なのだ。
「ご飯食べてないよね? おかゆ――――コンビニのレトルトのだけど……温めてくるね?」
病院に行きたがらない千尋をそれ以上は追及せず、大和は持っていたコンビニの袋を掲げてから、寝室を出て行った。
千尋は片手にスマホ、片手にパジャマの状態で、着替えと電話の両立が難しいのは熱があるせいか? なんてどうでもいいことを考えていたら、電話が繋がった。
「てんちょ~……仕事休みたくないです~……」
『え、村瀬くん?』
相手がもしもしを言う前に話を始めてしまったが、千尋のことをいつもどおり村瀬くんと呼ぶし、声も間違いなく店長のものだ。
『どうしたの?』
「店長ぉ~~~…、仕事休みたくないぃ~~~……」
『…もしかして、風邪引いた? 熱あるの?』
「うぅ…」
まだ本題を話していないのに、店長は千尋の言葉から状況を把握したらしく、千尋が一番認めたくないことをあっさりと言って来た。
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