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恋の女神は微笑まない (246)
2015.01.18 Sun
え、大和が来る?
昨日……いや、日付などとうに変わっていて、ほんの数時間前の話だ、2人は関係を終わらせたばかりではないか。
互いに好きだという気持ちを確認し合って、けれど付き合うことは出来ないと、千尋は大和の車を降りたのに。
「えぇ~~~~っっっ…………ううぅ…」
あまりの展開に驚いて千尋は声を張り上げたが、途端にめまいに襲われて、ベッドに倒れ込んだ。
思った以上に、具合が悪いかもしれない。
それはそうと、大和が来るって? あんなことがあった後に、間違えて電話をする千尋も千尋だが、いくら千尋に熱があるとはいえ、来ようとする大和も大和だ。
でも、熱があって、薬も食べるものもない一人暮らしの男から電話が掛かって来たら、放っておくことも出来ないか…。
だとすると、ただ単に千尋が、バカで間抜けで格好悪いだけか。
いや、格好悪いくらいならいいけれど、本当に大和が来たらどうしよう。どんな顔をして会ったらいいのか。何を話せばいいのか。だって数時間前、もう会わないと言って別れた相手だ。
大和が来たときのことを想像していたら、血の気が引いていくのを感じた。寝起きで、熱があって、仕事を休まなければならないというショックもあったとはいえ、とんでもないことを仕出かしてしまったものだ。
血の気が引くついでに、熱も引いてくれればいいと思ったが、残念ながら、そうはならなかった。
「大和くん…、本気で来る気かな…」
ベッドの上に倒れていた千尋は、のそのそと起き上った。寝るならふとんに入って……と思ったのだが、スマホが目に入った瞬間、よからぬことを考えてしまった。
大和が来る前に、仕事に行ってしまおう。本当に大和が来るかどうか知らないが、その前に仕事に行ってしまえば、たとえ大和が来たところで、顔を合わせることはない。
幸いにも、千尋はまだ店長に、仕事を休む電話をしていないのだ。
「よし、仕事に行こう」
何でもない振りで仕事に行こうと1度は思ったことだし、その作戦で決まりだ。
大体、熱だって測ったわけではないのだ。20年以上生きて来た経験から熱があると思っただけで、本当に熱があるかどうかは分からない。もしかしたら、千尋は今すごく健康かもしれない。
千尋はベッドを降りると、着替えるためにふらふらとクローゼットへと向かった。
大和に電話をしていて時間がだいぶ過ぎてしまったし、着替えたらすぐに仕事に行かないと。ご飯を食べている時間はないぞ。あ、そもそも食べるものもないんだった。
クローゼットのドアに掴まりながら、千尋は着ていく服を探す。いや、別に掴まっていないと立っていられないわけじゃない。ちょっとガタが来ているんだ、このクローゼット。押さえていないと。
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昨日……いや、日付などとうに変わっていて、ほんの数時間前の話だ、2人は関係を終わらせたばかりではないか。
互いに好きだという気持ちを確認し合って、けれど付き合うことは出来ないと、千尋は大和の車を降りたのに。
「えぇ~~~~っっっ…………ううぅ…」
あまりの展開に驚いて千尋は声を張り上げたが、途端にめまいに襲われて、ベッドに倒れ込んだ。
思った以上に、具合が悪いかもしれない。
それはそうと、大和が来るって? あんなことがあった後に、間違えて電話をする千尋も千尋だが、いくら千尋に熱があるとはいえ、来ようとする大和も大和だ。
でも、熱があって、薬も食べるものもない一人暮らしの男から電話が掛かって来たら、放っておくことも出来ないか…。
だとすると、ただ単に千尋が、バカで間抜けで格好悪いだけか。
いや、格好悪いくらいならいいけれど、本当に大和が来たらどうしよう。どんな顔をして会ったらいいのか。何を話せばいいのか。だって数時間前、もう会わないと言って別れた相手だ。
大和が来たときのことを想像していたら、血の気が引いていくのを感じた。寝起きで、熱があって、仕事を休まなければならないというショックもあったとはいえ、とんでもないことを仕出かしてしまったものだ。
血の気が引くついでに、熱も引いてくれればいいと思ったが、残念ながら、そうはならなかった。
「大和くん…、本気で来る気かな…」
ベッドの上に倒れていた千尋は、のそのそと起き上った。寝るならふとんに入って……と思ったのだが、スマホが目に入った瞬間、よからぬことを考えてしまった。
大和が来る前に、仕事に行ってしまおう。本当に大和が来るかどうか知らないが、その前に仕事に行ってしまえば、たとえ大和が来たところで、顔を合わせることはない。
幸いにも、千尋はまだ店長に、仕事を休む電話をしていないのだ。
「よし、仕事に行こう」
何でもない振りで仕事に行こうと1度は思ったことだし、その作戦で決まりだ。
大体、熱だって測ったわけではないのだ。20年以上生きて来た経験から熱があると思っただけで、本当に熱があるかどうかは分からない。もしかしたら、千尋は今すごく健康かもしれない。
千尋はベッドを降りると、着替えるためにふらふらとクローゼットへと向かった。
大和に電話をしていて時間がだいぶ過ぎてしまったし、着替えたらすぐに仕事に行かないと。ご飯を食べている時間はないぞ。あ、そもそも食べるものもないんだった。
クローゼットのドアに掴まりながら、千尋は着ていく服を探す。いや、別に掴まっていないと立っていられないわけじゃない。ちょっとガタが来ているんだ、このクローゼット。押さえていないと。
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