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恋の女神は微笑まない (219)
2014.12.20 Sat
嫌な予感を覚えつつ、大和はスピードを落として、辺りを窺う。
もしかしたら、物陰にいて、気付けていないだけかも…
「うわっ」
駅の出口の前を通過しようとしたところで、大和は閉じたシャッターの前に蹲る人影を発見した。
膝を抱えて、そこに顔を埋めているので、誰なのか分かりかねる。先ほどまでの電話のやり取りからすれば、千尋のような気はするが、声を掛けて違っていても困るし、どうしたものか…。
「…ちーちゃん?」
静かに車を停め、なるべく小声で呼んでみるが、ピクリともしない。
もし千尋でない誰かだとしても、この静かな場所で声がしたら、気になって少しは動くものではないだろうか。
寝ているのか? それとも具合が悪くて動けないとか? 余計なことには巻き込まれたくないが、もしそうだとすれば、このまま放っておいてどうにかなったら、後味が悪い。
「ちーちゃーん…?」
まだ千尋だと確信は持てないが、大和はうんと静かにドアを開けて、そのうずくまっている人影に声を掛けるものの、反応がなさすぎる。
このままこの人に声を掛け続けるよりも、再度千尋に電話してみるか、コンビニを覗いたほうがいいかもしれない…と、大和は車に戻りながら、とりあえず千尋に電話を掛けてみる。
先ほどは千尋のほうから電話をして来てくれたわけだし、出ないということはないと思うんだけれど…。
「…ん?」
不安に思いながら大和が電話を掛けると、それとほぼ同じタイミングで、どこからかメロディが聞こえて来た。それはどう考えても、携帯電話の着信音だ。
車に乗り込もうとしていた大和がキョロキョロと辺りを見回すが、着信音が聞こえてきそうな発信源は、1つしかない。シャッター前で蹲る、例の人物だ。
慌ててその人に駆け寄って、注意深く様子を窺うと、やはり着信音はそこから聞こえて来る。
試しに大和が電話を切ると、鳴っていたメロディも止まった。
「………………」
念のためにもう1度掛けてみると、再び鳴り出すメロディ。
「ちーちゃん!」
「…ぅ?」
今度こそ確信を持って、大和は千尋の名を呼ぶ。
動かない千尋の肩を揺さぶれば、ようやく千尋はもぞもぞと動いて顔を上げた。拗ねて無視していたわけではなく、どうやら寝ていたらしい。
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もしかしたら、物陰にいて、気付けていないだけかも…
「うわっ」
駅の出口の前を通過しようとしたところで、大和は閉じたシャッターの前に蹲る人影を発見した。
膝を抱えて、そこに顔を埋めているので、誰なのか分かりかねる。先ほどまでの電話のやり取りからすれば、千尋のような気はするが、声を掛けて違っていても困るし、どうしたものか…。
「…ちーちゃん?」
静かに車を停め、なるべく小声で呼んでみるが、ピクリともしない。
もし千尋でない誰かだとしても、この静かな場所で声がしたら、気になって少しは動くものではないだろうか。
寝ているのか? それとも具合が悪くて動けないとか? 余計なことには巻き込まれたくないが、もしそうだとすれば、このまま放っておいてどうにかなったら、後味が悪い。
「ちーちゃーん…?」
まだ千尋だと確信は持てないが、大和はうんと静かにドアを開けて、そのうずくまっている人影に声を掛けるものの、反応がなさすぎる。
このままこの人に声を掛け続けるよりも、再度千尋に電話してみるか、コンビニを覗いたほうがいいかもしれない…と、大和は車に戻りながら、とりあえず千尋に電話を掛けてみる。
先ほどは千尋のほうから電話をして来てくれたわけだし、出ないということはないと思うんだけれど…。
「…ん?」
不安に思いながら大和が電話を掛けると、それとほぼ同じタイミングで、どこからかメロディが聞こえて来た。それはどう考えても、携帯電話の着信音だ。
車に乗り込もうとしていた大和がキョロキョロと辺りを見回すが、着信音が聞こえてきそうな発信源は、1つしかない。シャッター前で蹲る、例の人物だ。
慌ててその人に駆け寄って、注意深く様子を窺うと、やはり着信音はそこから聞こえて来る。
試しに大和が電話を切ると、鳴っていたメロディも止まった。
「………………」
念のためにもう1度掛けてみると、再び鳴り出すメロディ。
「ちーちゃん!」
「…ぅ?」
今度こそ確信を持って、大和は千尋の名を呼ぶ。
動かない千尋の肩を揺さぶれば、ようやく千尋はもぞもぞと動いて顔を上げた。拗ねて無視していたわけではなく、どうやら寝ていたらしい。
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