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恋の女神は微笑まない (203)
2014.12.04 Thu
「ハルちゃん…………電話、アイツからだけど…」
「えっ? え? ちーちゃん??」
琉が電話の主を遥希に教えると、遥希も、千尋からの電話には驚いたようで、我に返ってスマホに飛び付いた。
「もしもし、ちーちゃ…」
『おっせぇよっ、出んのがっ!!』
「うえぇっ!!?? ゴゴゴメンなさいっ!!」
電話に出て早々に、何の前置きもなく怒鳴られて、遥希はわけも分からず謝った。
電話に出るのが遅いくらいで、ここまでキレることもないのに…と思うものの、触らぬ神に……余計なことは言わないでおく。
「どっどうしたの、ちーちゃん、何かあったの?」
時間的には、まだ千尋の家には着いていないと思うが、まさか電車の中で、こんな声を張り上げているわけではあるまい。
もしかして結局終電に乗り遅れてしまったんだろうか。しかしそうなったらタクシーで…と言っていたし、千尋がキレる理由が思い浮かばない。
『水落はっ? いんだろっ? 代われよっ!』
「ははははいっ!」
理由もなくキレられて、これなら逆上しても文句は言われないだろうけれど、もうすっかり千尋の剣幕に押されてしまった遥希は、素直に返事をして、琉にスマホを差し出した。
「琉、ちーちゃんが代われって…」
「おっ俺っ!?」
遥希のスマホが鳴ったのに、琉に矛先が向くというまさかの展開に、琉の声も上擦ってしまう。
電話に出た遥希の様子と、電話の向こうから聞こえてくる千尋の声色の感じからして、電話を代わってもロクな目に遭わないのは分かり切っていたが、電話に出ないという選択肢がない以上、さっさと出るしかない。
琉は恐る恐る遥希からスマホを受け取った。
「もしも…」
『水落、てめぇっ、どういうつもりだ、このヤロウっ!!』
「………………」
思っていたよりもずっと、ずっとずっと千尋が怒っていて、あまりのことに言い返すどころか、琉は本気で言葉を失ってしまう。
いや、だって、千尋はさっき帰って行ったばかりで、その帰るときだって、まぁ特別機嫌がよかったわけではないが、ここまでご立腹ではなかったはずだ。
そのときから今までに、何か千尋を怒らせることがあったとして、しかしそれで、どうして琉がこんなに怒鳴られなければならないのだ。どういうつもりも何も、何もしていない。
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「えっ? え? ちーちゃん??」
琉が電話の主を遥希に教えると、遥希も、千尋からの電話には驚いたようで、我に返ってスマホに飛び付いた。
「もしもし、ちーちゃ…」
『おっせぇよっ、出んのがっ!!』
「うえぇっ!!?? ゴゴゴメンなさいっ!!」
電話に出て早々に、何の前置きもなく怒鳴られて、遥希はわけも分からず謝った。
電話に出るのが遅いくらいで、ここまでキレることもないのに…と思うものの、触らぬ神に……余計なことは言わないでおく。
「どっどうしたの、ちーちゃん、何かあったの?」
時間的には、まだ千尋の家には着いていないと思うが、まさか電車の中で、こんな声を張り上げているわけではあるまい。
もしかして結局終電に乗り遅れてしまったんだろうか。しかしそうなったらタクシーで…と言っていたし、千尋がキレる理由が思い浮かばない。
『水落はっ? いんだろっ? 代われよっ!』
「ははははいっ!」
理由もなくキレられて、これなら逆上しても文句は言われないだろうけれど、もうすっかり千尋の剣幕に押されてしまった遥希は、素直に返事をして、琉にスマホを差し出した。
「琉、ちーちゃんが代われって…」
「おっ俺っ!?」
遥希のスマホが鳴ったのに、琉に矛先が向くというまさかの展開に、琉の声も上擦ってしまう。
電話に出た遥希の様子と、電話の向こうから聞こえてくる千尋の声色の感じからして、電話を代わってもロクな目に遭わないのは分かり切っていたが、電話に出ないという選択肢がない以上、さっさと出るしかない。
琉は恐る恐る遥希からスマホを受け取った。
「もしも…」
『水落、てめぇっ、どういうつもりだ、このヤロウっ!!』
「………………」
思っていたよりもずっと、ずっとずっと千尋が怒っていて、あまりのことに言い返すどころか、琉は本気で言葉を失ってしまう。
いや、だって、千尋はさっき帰って行ったばかりで、その帰るときだって、まぁ特別機嫌がよかったわけではないが、ここまでご立腹ではなかったはずだ。
そのときから今までに、何か千尋を怒らせることがあったとして、しかしそれで、どうして琉がこんなに怒鳴られなければならないのだ。どういうつもりも何も、何もしていない。
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