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恋の女神は微笑まない (195)
2014.11.26 Wed
(あ~あ、ちーちゃんて、よく分かんない…)
すごく分かりやすいときもあるけれど、今日みたいに全然分からないときもある。すべて承知で、わざとやっているのかと思えば、実はまったくの天然だということもあるし。
今さらながらに千尋という人間の人間性について考えながら、遥希は千尋に言われたとおり、さっさと風呂を上がる。
この狭いアパートに、脱衣場なんて気の利いたものはないから、風呂場の中で服を着るんだけれど、何だかドアの向こうが少し賑やかな気がして、遥希は首を捻る。
テレビは点けていたけれど、こんなにボリュームは大きくなかったはずだし、遥希ほどはテレビ好きでない千尋が、テレビを消すことはあっても、わざわざボリュームを上げるとは思えない。
というか、この声は千尋と…
「琉!」
聞き覚えのある声に、遥希は風呂場を飛び出した。
遥希が風呂に入っている間に琉が遥希の家に到着し、千尋が遥希に代わってドアを開けたらしい。
「あ、ハルちゃーん…」
「ちょっとハルちゃん、どういうこと?」
遥希が風呂を出ると、玄関に琉と千尋が対峙していて、中に入りたそうにしている琉に対して、千尋がドアと壁に手を突いて、それを遮っている。
情けない顔で遥希に助けを求めている琉と、すごい目力で遥希を睨む千尋に、遥希は思わずたじろいでしまう。
「何で俺がいんのに、水落が来んの?」
「いや、それ俺のセリフだし! 俺と約束してたじゃん。何でコイツがいんの?」
「まさかのダブルブッキング?」
「オーバーブッキングな」
「このアメリカかぶれ野郎がっ」
千尋と琉の両方と約束していたのかと、千尋が不機嫌そうに尋ねれば、琉がその和製英語を訂正したので、余計に千尋の機嫌を損ねてしまった。
「俺のが先にハルちゃんちいたんだから、水落帰ってよ。バイバイ」
「ちょっちょっと! 俺、約束してたよね? ねぇハルちゃんっ」
千尋に無理やり閉め出されそうになって、琉は慌てる。
遥希と約束していたのは間違いないのに、このままでは完全に千尋に追い返されてしまう。
たとえ遥希がどちらとも約束していたのだとしても、恋人の琉としては、遥希と過ごす夜を千尋には譲りたくない。つまりは、千尋に帰ってもらいたい。
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すごく分かりやすいときもあるけれど、今日みたいに全然分からないときもある。すべて承知で、わざとやっているのかと思えば、実はまったくの天然だということもあるし。
今さらながらに千尋という人間の人間性について考えながら、遥希は千尋に言われたとおり、さっさと風呂を上がる。
この狭いアパートに、脱衣場なんて気の利いたものはないから、風呂場の中で服を着るんだけれど、何だかドアの向こうが少し賑やかな気がして、遥希は首を捻る。
テレビは点けていたけれど、こんなにボリュームは大きくなかったはずだし、遥希ほどはテレビ好きでない千尋が、テレビを消すことはあっても、わざわざボリュームを上げるとは思えない。
というか、この声は千尋と…
「琉!」
聞き覚えのある声に、遥希は風呂場を飛び出した。
遥希が風呂に入っている間に琉が遥希の家に到着し、千尋が遥希に代わってドアを開けたらしい。
「あ、ハルちゃーん…」
「ちょっとハルちゃん、どういうこと?」
遥希が風呂を出ると、玄関に琉と千尋が対峙していて、中に入りたそうにしている琉に対して、千尋がドアと壁に手を突いて、それを遮っている。
情けない顔で遥希に助けを求めている琉と、すごい目力で遥希を睨む千尋に、遥希は思わずたじろいでしまう。
「何で俺がいんのに、水落が来んの?」
「いや、それ俺のセリフだし! 俺と約束してたじゃん。何でコイツがいんの?」
「まさかのダブルブッキング?」
「オーバーブッキングな」
「このアメリカかぶれ野郎がっ」
千尋と琉の両方と約束していたのかと、千尋が不機嫌そうに尋ねれば、琉がその和製英語を訂正したので、余計に千尋の機嫌を損ねてしまった。
「俺のが先にハルちゃんちいたんだから、水落帰ってよ。バイバイ」
「ちょっちょっと! 俺、約束してたよね? ねぇハルちゃんっ」
千尋に無理やり閉め出されそうになって、琉は慌てる。
遥希と約束していたのは間違いないのに、このままでは完全に千尋に追い返されてしまう。
たとえ遥希がどちらとも約束していたのだとしても、恋人の琉としては、遥希と過ごす夜を千尋には譲りたくない。つまりは、千尋に帰ってもらいたい。
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