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恋の女神は微笑まない (194)
2014.11.25 Tue
「さっきの話の続き、してもいい?」
「何の続き?」
「大和くんの話」
「いいけど……まだ何か話すことあんの?」
言ったら気を悪くするだろうか…とも思ったが、千尋はそんなこともなく、普通に聞き返してくる。
さっき、このことが発端で、ケンカになったのに…。
「さっきさぁ、ちーちゃん、大和くんが自分のこと好きなわけない、みたいなこと言ってたじゃん?」
「うん」
「何でそんなに否定すんの? 大和くんに好かれるの、ヤなの?」
「ヤなわけじゃなくて、大和くんが俺のこと好きでいてくれるわけないと思ってるだけ。俺が大和くんに何したか、ハルちゃんだって知ってるでしょ?」
やはり何度聞いても千尋の返事は同じだ。
しかも、内容はネガティブなのに、雰囲気に悲愴感がまったくないところを見ると、落ち込んで後ろ向きになっているわけも、卑屈になっているわけでもなく、本当に純粋にそう思っているということだ。
「そうだけどさぁ…、だからこそ、大和くんが言ったのはちーちゃんなんじゃないの? 傷付けちゃったから謝りたい、て…」
「えー? 違うんじゃない? 今付き合ってる彼女にでしょ」
「えっ、大和くんて、今誰かと付き合ってんの!?」
「知らないけど。あんなイケメンなんだし、彼女なんてすぐ出来るでしょ。なのにさぁ、元カレがコンサート見に来てんだもん。ヤベッて思って、あんなこと言っちゃったんだと思うよ?」
「………………」
遥希は唖然となって口をあんぐり開けてたが、千尋は気付くことなく、「ハルちゃん、早くお風呂上がってね」と言って風呂場から出て行ってしまった。
恐るべき鈍感力…。いや、想像力?
千尋の説だってあり得なくはないだろうけれど、もっと素直に考えてもいいような…。
だって、遥希が見ている限り、大和はすごく千尋のことを好きそうだった。
他の誰かと付き合っている大和のことは知らないから、比べてみようがないけれど…、大和の様子からして、千尋と別れたからと言って、すぐに次の恋に行くとは思えない。
大和が千尋と出会ってからのことを見てたら、大和の言った『大切な人』が千尋であることは間違いないのに。
(本人があの調子なんだもんなぁ…)
千尋がこれでいいと言うのだから、遥希がここまで気にする必要もないんだけれど、千尋の考え方があんなだから、やっぱり気になる。
これで、千尋が大和のことを嫌いというのなら、大和がどんなに千尋のことを好きでもどうにもならないから、遥希だって、こんなにしつこく聞かないけれど、結局千尋は、その点については教えてくれなかった。
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「何の続き?」
「大和くんの話」
「いいけど……まだ何か話すことあんの?」
言ったら気を悪くするだろうか…とも思ったが、千尋はそんなこともなく、普通に聞き返してくる。
さっき、このことが発端で、ケンカになったのに…。
「さっきさぁ、ちーちゃん、大和くんが自分のこと好きなわけない、みたいなこと言ってたじゃん?」
「うん」
「何でそんなに否定すんの? 大和くんに好かれるの、ヤなの?」
「ヤなわけじゃなくて、大和くんが俺のこと好きでいてくれるわけないと思ってるだけ。俺が大和くんに何したか、ハルちゃんだって知ってるでしょ?」
やはり何度聞いても千尋の返事は同じだ。
しかも、内容はネガティブなのに、雰囲気に悲愴感がまったくないところを見ると、落ち込んで後ろ向きになっているわけも、卑屈になっているわけでもなく、本当に純粋にそう思っているということだ。
「そうだけどさぁ…、だからこそ、大和くんが言ったのはちーちゃんなんじゃないの? 傷付けちゃったから謝りたい、て…」
「えー? 違うんじゃない? 今付き合ってる彼女にでしょ」
「えっ、大和くんて、今誰かと付き合ってんの!?」
「知らないけど。あんなイケメンなんだし、彼女なんてすぐ出来るでしょ。なのにさぁ、元カレがコンサート見に来てんだもん。ヤベッて思って、あんなこと言っちゃったんだと思うよ?」
「………………」
遥希は唖然となって口をあんぐり開けてたが、千尋は気付くことなく、「ハルちゃん、早くお風呂上がってね」と言って風呂場から出て行ってしまった。
恐るべき鈍感力…。いや、想像力?
千尋の説だってあり得なくはないだろうけれど、もっと素直に考えてもいいような…。
だって、遥希が見ている限り、大和はすごく千尋のことを好きそうだった。
他の誰かと付き合っている大和のことは知らないから、比べてみようがないけれど…、大和の様子からして、千尋と別れたからと言って、すぐに次の恋に行くとは思えない。
大和が千尋と出会ってからのことを見てたら、大和の言った『大切な人』が千尋であることは間違いないのに。
(本人があの調子なんだもんなぁ…)
千尋がこれでいいと言うのだから、遥希がここまで気にする必要もないんだけれど、千尋の考え方があんなだから、やっぱり気になる。
これで、千尋が大和のことを嫌いというのなら、大和がどんなに千尋のことを好きでもどうにもならないから、遥希だって、こんなにしつこく聞かないけれど、結局千尋は、その点については教えてくれなかった。
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