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恋の女神は微笑まない (190)
2014.11.21 Fri
「だって、1人じゃ行けないし…」
しかし、千尋に何回言われたところで、遥希も同じことを何度でも繰り返すだけのようだ。
大学生とはいえ、一応は成人している男子として、そのセリフは最高にかっこ悪い気がするが、やはり遥希に他意はなく、正真正銘それが理由で千尋をコンサートに誘ったというわけだ。
「…コンサート、ヤダった?」
「それも今さら。そんな気遣う気持ちがあったら、これからは1人で行ってよね、コンサート」
「ぶぅ」
近寄って来ていた遥希をシッシッと追い払って、千尋は新しい缶チューハイの缶を開ける。
遥希はむくれた顔をしつつも、大人しく離れて行った。
「でもさぁ、ちーちゃん」
「…何?」
「睨まないでよ! でね、ちーちゃん、あのね、」
睨んだつもりはなかったが、気持ちが素直に表情に表れたらしい。
しかし遥希は睨まれても引き下がる様子がないので、仕方なく千尋は話に付き合ってやることにする。
「コンサートのさぁ、大和くんの最後の挨拶! あんなこと言うなんてさぁ!」
「すごいよね」
「いや、すごいじゃなくて! あんなこと言うなんて、大和くん、まだちーちゃんのこと好きなんじゃないの!?」
「何で?」
せっかく離れたのに、遥希は力説しながら、また近づいてくる。
いちいち面倒くさいなぁ…。
「だってさぁ、あのとき大和くんが言ってたの、大切な人て、ちーちゃんのことでしょ?」
「知らないよ。違うんじゃない?」
「違わないよ! だって、他に誰がいんの!?」
「いろいろ。だって週刊誌とか、他にも載ってたじゃん。女優さんとか。まぁ載ってない人かもだけど」
確かに千尋は恋人(仮)で週刊誌にも載ってしまったけれど、それ以外に大和と恋愛関係になった人なら、いくらでも(…と言ったら言い過ぎかもしれないが)いるのだ。
あのとき大和が言った『大切な人』が千尋とは限らない。
いや、千尋の中では、千尋でない他の誰かだということで決着していたくらいなんだけれど。
「えー、何でちーちゃん、自分だって思わないの?」
「俺の要素がないじゃん」
「何で! ちーちゃん以外に誰がいんの!?」
「それはさっき答えた」
酔っ払っているだけでも鬱陶しいのに、どこかで遥希の心に火が点いてしまったようで、すごく熱血遥希になっていて、それも非常に面倒くさい。
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しかし、千尋に何回言われたところで、遥希も同じことを何度でも繰り返すだけのようだ。
大学生とはいえ、一応は成人している男子として、そのセリフは最高にかっこ悪い気がするが、やはり遥希に他意はなく、正真正銘それが理由で千尋をコンサートに誘ったというわけだ。
「…コンサート、ヤダった?」
「それも今さら。そんな気遣う気持ちがあったら、これからは1人で行ってよね、コンサート」
「ぶぅ」
近寄って来ていた遥希をシッシッと追い払って、千尋は新しい缶チューハイの缶を開ける。
遥希はむくれた顔をしつつも、大人しく離れて行った。
「でもさぁ、ちーちゃん」
「…何?」
「睨まないでよ! でね、ちーちゃん、あのね、」
睨んだつもりはなかったが、気持ちが素直に表情に表れたらしい。
しかし遥希は睨まれても引き下がる様子がないので、仕方なく千尋は話に付き合ってやることにする。
「コンサートのさぁ、大和くんの最後の挨拶! あんなこと言うなんてさぁ!」
「すごいよね」
「いや、すごいじゃなくて! あんなこと言うなんて、大和くん、まだちーちゃんのこと好きなんじゃないの!?」
「何で?」
せっかく離れたのに、遥希は力説しながら、また近づいてくる。
いちいち面倒くさいなぁ…。
「だってさぁ、あのとき大和くんが言ってたの、大切な人て、ちーちゃんのことでしょ?」
「知らないよ。違うんじゃない?」
「違わないよ! だって、他に誰がいんの!?」
「いろいろ。だって週刊誌とか、他にも載ってたじゃん。女優さんとか。まぁ載ってない人かもだけど」
確かに千尋は恋人(仮)で週刊誌にも載ってしまったけれど、それ以外に大和と恋愛関係になった人なら、いくらでも(…と言ったら言い過ぎかもしれないが)いるのだ。
あのとき大和が言った『大切な人』が千尋とは限らない。
いや、千尋の中では、千尋でない他の誰かだということで決着していたくらいなんだけれど。
「えー、何でちーちゃん、自分だって思わないの?」
「俺の要素がないじゃん」
「何で! ちーちゃん以外に誰がいんの!?」
「それはさっき答えた」
酔っ払っているだけでも鬱陶しいのに、どこかで遥希の心に火が点いてしまったようで、すごく熱血遥希になっていて、それも非常に面倒くさい。
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