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恋の女神は微笑まない (184)
2014.11.15 Sat
「でもそれ以前に、ちーちゃんに連絡が付くかどうかも分かんねぇんだけどな」
「連絡先知ってんだろ? アドレスとか変えられてるかも?」
「いや…」
確かに、大和との接触を絶つために、そうしたものを変更されている可能性はあるが、そもそも千尋は元から、メールなどの返信率が極端に低い人なのだ。
『見るけど返事はしない』が千尋の基本的なスタンスだから、そんな千尋が、受信したメールやメッセージに対して、今さら返事をくれるとは思えない。
「あぁ、メールとか返信しねぇんだよな、アイツ。すげぇ性格だよ」
琉も千尋の性格を思い出したのか、苦笑している。
「おかげでハルちゃん、また、アイツにメール送るのに使命感燃やしちゃってるし」
「あー…」
千尋の返信の有無は、相手のことが好きだとか嫌いだとか、友だちだとか恋人だとか、そういうことにまったく関係なく、返事が必要な内容かどうかだけで、ほぼ判断されている。
気分が乗っていれば、面倒くさいと思うことなく返信することもあるが、恐らく10回に1回もないことだろう。
しかし、返信はしないけれど、何の連絡も来ないのは寂しいから嫌だとかいう、むしろ千尋自身が結構面倒くさい性格をしているから、厄介と言えば厄介だ。
大和も実際、返事の来ないメッセージを送り続ける虚しさを感じたことはあったけれど、千尋の本質を知ると、嫌いにはなれないのだ。
恐らくそれは遥希も同じことなのだろう。
だから、全然返事が来なくても、千尋からストーカー呼ばわりされても、めげずに千尋にメールを送り続けるのだ。
「…ならさ、」
「ん?」
「アイツに言ってみようか? 返事しろ、て」
「バカ。いいよ、恥ぃ」
遥希が、千尋の家に行ったり、千尋を自分の家に呼んだりすることが多いおかげで、不本意ながら琉も時々千尋に会っていることは、大和も知っている。
元から琉と千尋は、嫌い合っているとまでは言わないが、特別良好な関係ではなく、どうせなら関わり合いになりたくない、とお互いに思っている間柄なのに、琉がそんなことを言ってくれるのは、やはり大和のことを気に掛けてくれているからだろう。
しかし、琉の気持ちは嬉しいが、そんなことをしてもらうのは恥ずかしい……というか、男として情けなすぎる。
「…大丈夫。自分でちゃんと何とかするから」
「そうか?」
本当に自分でちゃんと出来るなら、ここまで拗らせる前に、どうにかしていたんだろうから、こんなセリフ、今さら言ったところで、信じてもらえないかもしれないけれど。
けれど、ようやくまた一歩進むためのチャンスが巡って来たのだ。もう逃せない。
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「連絡先知ってんだろ? アドレスとか変えられてるかも?」
「いや…」
確かに、大和との接触を絶つために、そうしたものを変更されている可能性はあるが、そもそも千尋は元から、メールなどの返信率が極端に低い人なのだ。
『見るけど返事はしない』が千尋の基本的なスタンスだから、そんな千尋が、受信したメールやメッセージに対して、今さら返事をくれるとは思えない。
「あぁ、メールとか返信しねぇんだよな、アイツ。すげぇ性格だよ」
琉も千尋の性格を思い出したのか、苦笑している。
「おかげでハルちゃん、また、アイツにメール送るのに使命感燃やしちゃってるし」
「あー…」
千尋の返信の有無は、相手のことが好きだとか嫌いだとか、友だちだとか恋人だとか、そういうことにまったく関係なく、返事が必要な内容かどうかだけで、ほぼ判断されている。
気分が乗っていれば、面倒くさいと思うことなく返信することもあるが、恐らく10回に1回もないことだろう。
しかし、返信はしないけれど、何の連絡も来ないのは寂しいから嫌だとかいう、むしろ千尋自身が結構面倒くさい性格をしているから、厄介と言えば厄介だ。
大和も実際、返事の来ないメッセージを送り続ける虚しさを感じたことはあったけれど、千尋の本質を知ると、嫌いにはなれないのだ。
恐らくそれは遥希も同じことなのだろう。
だから、全然返事が来なくても、千尋からストーカー呼ばわりされても、めげずに千尋にメールを送り続けるのだ。
「…ならさ、」
「ん?」
「アイツに言ってみようか? 返事しろ、て」
「バカ。いいよ、恥ぃ」
遥希が、千尋の家に行ったり、千尋を自分の家に呼んだりすることが多いおかげで、不本意ながら琉も時々千尋に会っていることは、大和も知っている。
元から琉と千尋は、嫌い合っているとまでは言わないが、特別良好な関係ではなく、どうせなら関わり合いになりたくない、とお互いに思っている間柄なのに、琉がそんなことを言ってくれるのは、やはり大和のことを気に掛けてくれているからだろう。
しかし、琉の気持ちは嬉しいが、そんなことをしてもらうのは恥ずかしい……というか、男として情けなすぎる。
「…大丈夫。自分でちゃんと何とかするから」
「そうか?」
本当に自分でちゃんと出来るなら、ここまで拗らせる前に、どうにかしていたんだろうから、こんなセリフ、今さら言ったところで、信じてもらえないかもしれないけれど。
けれど、ようやくまた一歩進むためのチャンスが巡って来たのだ。もう逃せない。
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