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恋の女神は微笑まない (158)
2014.10.19 Sun
「でもさぁ…、俺、関係者でも何でもないのに、いいのかなぁ、そんな席」
「いや…、ハルちゃんが関係者でなくて、一体誰が関係者なの」
一口に関係者といっても、仕事の関係だったりプライベートの関係だったりと、それは様々だろうが、遥希は琉の恋人なのだから、関係者でなくて何なのだ。
そもそも、それを言うなら、千尋のほうが関係者でも何でもない。
「水落が席用意してくれんだから、関係者だよ、ハルちゃんは。そこ悩まないで」
今さらなことに悩み始める遥希に、千尋は溜め息を零す。
まぁ、これでこそ遥希とも言えるのだが。
「つかさ、ハルちゃん、1人で行きたくないからって俺のこと誘ったけど、それ、水落に言ってあんの? 俺、行ったはいいけど、席ないとか警備員に追い返されるとか、ヤダかんね」
「…ん、言ってある。ちーちゃんとは言ってないけど、2人で行く、て」
「何だ、俺と一緒に行く、て言ってないんだ」
「だって…、ちーちゃん嫌がって、一緒に言ってくんないかもしれないから」
「…………。へぇ、俺が嫌がることも、想定してたんだ」
てっきり遥希は、千尋が行かないなんて言うとは、まったく思っていないのかと思っていたのに。
「でも…、ちーちゃんと行きたかったから、ちーちゃんと行けて、嬉しいな」
「あっそ。俺は別に嬉しくないし」
ようやく遥希が落ち着いたので、千尋は素っ気なく返事をしてやる。
何だか遥希に調子を狂わされてしまったけれど、これが千尋なのだ。
「楽しみだね、ちーちゃん」
「いや、何でそれを俺に言う?」
「えへへ」
幸せそうな酔っ払いの頭を小突くと、千尋は放置していた缶に口を付けた。
******
「ねぇちーちゃん、どう? どう? この格好、変じゃない!?」
「変じゃない変じゃない。いつだってハルちゃんはかわいいよ」
コンサート当日。
無理やり遥希の家に泊まらされ、そして早朝に叩き起こされた千尋は、遥希からの切実な質問に、非常に面倒くさそうに返事をした。面倒くさそう…というか、本当に面倒くさいのだから、仕方がない。
何しろこの質問は、昨晩からもう何度となくされていて、千尋は、遥希のコーディネートのアドバイスまでしてやったのだ。そうして選び抜いた今日の服装に、何をまた今さら迷いを生じさせているのか。
大体遥希はしょっちゅう琉と会っているんだし、服装など、それこそ今さらだろう。
「でもコンサートは特別じゃんっ、特別じゃんっ」
「そうだけど…」
コンサートも特別だろうけど、2人きりで会うデート的なもののほうが特別なのでは…?
そのときの服をどうやって選んでいるのか、千尋はそれが気になる。
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「いや…、ハルちゃんが関係者でなくて、一体誰が関係者なの」
一口に関係者といっても、仕事の関係だったりプライベートの関係だったりと、それは様々だろうが、遥希は琉の恋人なのだから、関係者でなくて何なのだ。
そもそも、それを言うなら、千尋のほうが関係者でも何でもない。
「水落が席用意してくれんだから、関係者だよ、ハルちゃんは。そこ悩まないで」
今さらなことに悩み始める遥希に、千尋は溜め息を零す。
まぁ、これでこそ遥希とも言えるのだが。
「つかさ、ハルちゃん、1人で行きたくないからって俺のこと誘ったけど、それ、水落に言ってあんの? 俺、行ったはいいけど、席ないとか警備員に追い返されるとか、ヤダかんね」
「…ん、言ってある。ちーちゃんとは言ってないけど、2人で行く、て」
「何だ、俺と一緒に行く、て言ってないんだ」
「だって…、ちーちゃん嫌がって、一緒に言ってくんないかもしれないから」
「…………。へぇ、俺が嫌がることも、想定してたんだ」
てっきり遥希は、千尋が行かないなんて言うとは、まったく思っていないのかと思っていたのに。
「でも…、ちーちゃんと行きたかったから、ちーちゃんと行けて、嬉しいな」
「あっそ。俺は別に嬉しくないし」
ようやく遥希が落ち着いたので、千尋は素っ気なく返事をしてやる。
何だか遥希に調子を狂わされてしまったけれど、これが千尋なのだ。
「楽しみだね、ちーちゃん」
「いや、何でそれを俺に言う?」
「えへへ」
幸せそうな酔っ払いの頭を小突くと、千尋は放置していた缶に口を付けた。
******
「ねぇちーちゃん、どう? どう? この格好、変じゃない!?」
「変じゃない変じゃない。いつだってハルちゃんはかわいいよ」
コンサート当日。
無理やり遥希の家に泊まらされ、そして早朝に叩き起こされた千尋は、遥希からの切実な質問に、非常に面倒くさそうに返事をした。面倒くさそう…というか、本当に面倒くさいのだから、仕方がない。
何しろこの質問は、昨晩からもう何度となくされていて、千尋は、遥希のコーディネートのアドバイスまでしてやったのだ。そうして選び抜いた今日の服装に、何をまた今さら迷いを生じさせているのか。
大体遥希はしょっちゅう琉と会っているんだし、服装など、それこそ今さらだろう。
「でもコンサートは特別じゃんっ、特別じゃんっ」
「そうだけど…」
コンサートも特別だろうけど、2人きりで会うデート的なもののほうが特別なのでは…?
そのときの服をどうやって選んでいるのか、千尋はそれが気になる。
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