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恋の女神は微笑まない (153)
2014.10.14 Tue
千尋が楽しくても、悲しくても、つまらなくても、怒っても、笑っても、何をしていたって時間は流れ、季節は移りゆく。
坊主にしてやる! と千尋が本気で思い、本気で美容師に伝えた結果、何とかベリーショートに落ち着いた真夏も終わり、ようやく秋の気配を感じられるようになって来た。
例の週刊誌の件から、千尋が大和とのお試しのお付き合いに終止符を打って以来、千尋は大和と会っていないし、連絡も取り合っていない。
もともと連絡は大和からの一方通行だったところもあり、千尋から連絡しないのは前と何も変わらないのだが、大和からもまったく何の音沙汰もなくなった。
お試しのお付き合いのときも1度だけそんなことがあって、千尋が盛大に拗ねたら、それからほぼ毎日メッセージが届くようになったけれど、今となってはそれも懐かしい。
遥希とは、遥希の課題の締め切り間際や、千尋の仕事の忙しい時期を除くと、相変わらずの頻度で一緒にご飯を食べたり飲みに行ったりしていて、時々琉が遥希を迎えに来ることがあるけれど、前と違って、そこに大和の姿はない。
琉は何も言わない。遥希から何も聞かずとも、大和からは話くらい聞いているだろうに、ムカつくけれど、そういうところを弁えられる琉は、大人だと思う。
あの日、遥希に言ったとおり、千尋は何の後悔もしていない。
いや、1回くらいは後悔みたいなことをしなかったでもない気がしないでもないが、千尋が後悔していないと思っているのだから、やっぱり後悔などしてはいないのだ…………が。
「ねぇ~ちーちゃ~ん。今度のFATEのコンサート一緒に行こっ!」
…という、遥希の願いを聞き入れなければならないとなったら、話はまた別だろう。
「………………は?」
ちゃんとしっかり遥希の言葉は聞こえていたのだが、もしかしたら聞き間違いかもしれない、という万に一つの可能性に賭けて、千尋は聞き返してみたが。
「だから~、FATEのコンサート! 一緒に行こ?」
やはり、聞き間違いではなかった。
今日、会ったときから若干テンション高めだった遥希は、酒が入ってさらにテンションが上がり、ふにゃふにゃになりながら、幸せそうな顔をして、もう1度同じことを千尋に言ってきた。
「あの、ハルちゃ…」
「もぉもぉもぉ~~~~~ちょ~~~~~~楽しみっ!」
嬉しさのあまりジタバタし出す遥希に、さすがの千尋も手が付けられない。
普段なら、遥希がここまで騒げば、『うるさい』とキックかチョップかパンチを繰り出しているところだけれど、先ほど発せられた遥希の言葉に千尋はまだ唖然としたままで、何をどうすることも出来ないのだ。
「はぁ~~~っ、もぉ~~~幸せっ。ねっ、ちーちゃん、ねっ?」
「いや…」
遥希が凹んだり拗ねたりすると非常に面倒くさいから、遥希が幸せであれば、それに越したことはないが、別に遥希の幸せイコール千尋の幸せというわけではない。
現に千尋は今、遥希の話を聞いたところで、特別、幸せには包まれていない。どちらかというと、遥希が鬱陶しくて堪らない。
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坊主にしてやる! と千尋が本気で思い、本気で美容師に伝えた結果、何とかベリーショートに落ち着いた真夏も終わり、ようやく秋の気配を感じられるようになって来た。
例の週刊誌の件から、千尋が大和とのお試しのお付き合いに終止符を打って以来、千尋は大和と会っていないし、連絡も取り合っていない。
もともと連絡は大和からの一方通行だったところもあり、千尋から連絡しないのは前と何も変わらないのだが、大和からもまったく何の音沙汰もなくなった。
お試しのお付き合いのときも1度だけそんなことがあって、千尋が盛大に拗ねたら、それからほぼ毎日メッセージが届くようになったけれど、今となってはそれも懐かしい。
遥希とは、遥希の課題の締め切り間際や、千尋の仕事の忙しい時期を除くと、相変わらずの頻度で一緒にご飯を食べたり飲みに行ったりしていて、時々琉が遥希を迎えに来ることがあるけれど、前と違って、そこに大和の姿はない。
琉は何も言わない。遥希から何も聞かずとも、大和からは話くらい聞いているだろうに、ムカつくけれど、そういうところを弁えられる琉は、大人だと思う。
あの日、遥希に言ったとおり、千尋は何の後悔もしていない。
いや、1回くらいは後悔みたいなことをしなかったでもない気がしないでもないが、千尋が後悔していないと思っているのだから、やっぱり後悔などしてはいないのだ…………が。
「ねぇ~ちーちゃ~ん。今度のFATEのコンサート一緒に行こっ!」
…という、遥希の願いを聞き入れなければならないとなったら、話はまた別だろう。
「………………は?」
ちゃんとしっかり遥希の言葉は聞こえていたのだが、もしかしたら聞き間違いかもしれない、という万に一つの可能性に賭けて、千尋は聞き返してみたが。
「だから~、FATEのコンサート! 一緒に行こ?」
やはり、聞き間違いではなかった。
今日、会ったときから若干テンション高めだった遥希は、酒が入ってさらにテンションが上がり、ふにゃふにゃになりながら、幸せそうな顔をして、もう1度同じことを千尋に言ってきた。
「あの、ハルちゃ…」
「もぉもぉもぉ~~~~~ちょ~~~~~~楽しみっ!」
嬉しさのあまりジタバタし出す遥希に、さすがの千尋も手が付けられない。
普段なら、遥希がここまで騒げば、『うるさい』とキックかチョップかパンチを繰り出しているところだけれど、先ほど発せられた遥希の言葉に千尋はまだ唖然としたままで、何をどうすることも出来ないのだ。
「はぁ~~~っ、もぉ~~~幸せっ。ねっ、ちーちゃん、ねっ?」
「いや…」
遥希が凹んだり拗ねたりすると非常に面倒くさいから、遥希が幸せであれば、それに越したことはないが、別に遥希の幸せイコール千尋の幸せというわけではない。
現に千尋は今、遥希の話を聞いたところで、特別、幸せには包まれていない。どちらかというと、遥希が鬱陶しくて堪らない。
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