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22. 塗り潰してしまって。 (後編)
2008.08.27 Wed
「貴久、お前、死にそうな顔してるけど」
翌朝、会社で顔を合わせた啓ちゃんが、挨拶もそこそこに、開口一番そんなことを言ってくる。
「もう死んでしまいたい…」
死にそうなくらいひどい顔してんのは、自分が一番よく分かってる。朝、鏡を見たとき、ホントにひどいって思ったもん。
だって、昨日は一睡も出来なかった。
出ていくって言った哲也を、今度こそ、引き止められなかった。
別にもう、行く当てのない、ホームレス寸前の哲也じゃない。自分のことを好きでいてくれるヤツのところに行くんだって。
そんなの、引き止められるわけないじゃん。
「なぁ貴久。お前、ホントにそれでいいの?」
「…………え?」
主語のない啓ちゃんの言葉に、一瞬何のことか分からずキョトンとなったけど、すぐに昨日のことと結び付く。
「啓ちゃん、何か知ってんの?」
「ん? お前がテツを他の男に取られたくらいしか」
「取らっ……取られてない! 何それ!」
「バッ……声デカイっ…」
ここが会社やってことも忘れて声を大きくした俺を、啓ちゃんが思いっ切りど突いた。
「取られたも同然だろ? テツが出てくんだから」
「もう、哲也から聞いたの?」
「うん。一緒に住もうって言ってくれる人がいるのは、前にちょっと聞いたけど…………お前に話したら賛成してくれたって、昨日メール来た。賛成したんだ?」
「………………あぁ」
賛成?
あぁ、確かに反対なんかしなかった。
だって、答えは最初から、それしかなかった。
「ホント不器用だな、お前ら2人」
翌朝、会社で顔を合わせた啓ちゃんが、挨拶もそこそこに、開口一番そんなことを言ってくる。
「もう死んでしまいたい…」
死にそうなくらいひどい顔してんのは、自分が一番よく分かってる。朝、鏡を見たとき、ホントにひどいって思ったもん。
だって、昨日は一睡も出来なかった。
出ていくって言った哲也を、今度こそ、引き止められなかった。
別にもう、行く当てのない、ホームレス寸前の哲也じゃない。自分のことを好きでいてくれるヤツのところに行くんだって。
そんなの、引き止められるわけないじゃん。
「なぁ貴久。お前、ホントにそれでいいの?」
「…………え?」
主語のない啓ちゃんの言葉に、一瞬何のことか分からずキョトンとなったけど、すぐに昨日のことと結び付く。
「啓ちゃん、何か知ってんの?」
「ん? お前がテツを他の男に取られたくらいしか」
「取らっ……取られてない! 何それ!」
「バッ……声デカイっ…」
ここが会社やってことも忘れて声を大きくした俺を、啓ちゃんが思いっ切りど突いた。
「取られたも同然だろ? テツが出てくんだから」
「もう、哲也から聞いたの?」
「うん。一緒に住もうって言ってくれる人がいるのは、前にちょっと聞いたけど…………お前に話したら賛成してくれたって、昨日メール来た。賛成したんだ?」
「………………あぁ」
賛成?
あぁ、確かに反対なんかしなかった。
だって、答えは最初から、それしかなかった。
「ホント不器用だな、お前ら2人」
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