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恋の女神は微笑まない (143)
2014.10.03 Fri
じゃあ今日は飲まない! とは言い切れないのが、遥希の悲しいところだ。
千尋と一緒にご飯を食べて、お酒を飲むから楽しいんであって、いや、そりゃまぁ飲まなくたって楽しいけれど、どうせ千尋は飲むだろうし、そうなると、1人で素面なんて寂しい。
「じゃあ、俺も飲まないから、ちーちゃんも飲まないで、お酒」
「何で俺がそんなこと、ハルちゃんに合わせないといけないわけ?」
「2人で禁酒しよう」
「………………。ハルちゃん、ホントに何もないの? ホントは何かすごい失敗したんでしょ? 今のうちに白状しといたほうが身のためだよ?」
「だから、何もないってば!」
単に、1人で飲まないでいるのが嫌だから言っただけなのに、とんでもない脅しを掛けられて、遥希は慌てる。
そのうち、本当に何もないのに、何か仕出かしたことにされていそうで、ちょっと怖い…。
「じゃあ夜ご飯、お酒とか置いてなさそうな、健全なカフェにでもする?」
ようやく降車駅に着いて、千尋たちは押し出されるように、電車から降りる。
帰路を急ぐ人たちはみんな、我先に階段のほうへと向かうけれど、千尋は、ここで急いだところで何分の差? この暑いのに密着するほうが嫌…というタイプだし、遥希ものん気な性格だから、人の群れが落ち着くまで、ホームでのんびりしている。
「健全なカフェ…。パンケーキとか食べるの?」
「食べるよ。ハルちゃん好きでしょ? パンケーキ」
「いや、好きだけど…………それって夜ご飯になる?」
ようやく空いてきた階段に向かって歩きながら、遥希は千尋の提案に首を傾げている。
最初に禁酒を言い出したのが遥希とはいえ、まさか夕食がカフェでパンケーキになるとは、想像だにしていなかった。
「夜に食べるご飯は夜ご飯」
「そ…そうだけど…」
遥希としては、夕食がパンケーキでも全然いいけれど、どちらかというと、千尋のほうがそれにNGを出しそうなのに、本当にそれでいいと思っているんだろうか。
後で絶対、お腹空いたとか言い出しそうなんだけど…。
「ちーちゃーん…、普通にご飯食べたほうがよくない? パンケーキはまた今度にしようよ」
「ハルちゃんが好きだと思ったから言ったのに。まぁ、ハルちゃんがいいならいいけど。てかさ、夕飯にお好み焼きは『あり』なのに、何でパンケーキは『なし』なんだろうね」
「え…、うん」
確かに、同じ粉ものなのに、パンケーキには夕食というイメージはない。
それはそうだけれど、そんなことを思い付く千尋の発想力といったら…。
「じゃあ、どこ行く? まぁ、店にお酒が置いてある限り、どこ行ったって飲んじゃうだろうけどね」
駅を出る前に行き先を決めないと…と、改札を抜けたところで、2人は足を止める。
2人とも、そこまで食にこだわりがあるわけではないから、どちらかに何か食べたいものがあるときでなければ、お互い、何でもいい…て感じだし、実はあんまりお店も分からない。
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千尋と一緒にご飯を食べて、お酒を飲むから楽しいんであって、いや、そりゃまぁ飲まなくたって楽しいけれど、どうせ千尋は飲むだろうし、そうなると、1人で素面なんて寂しい。
「じゃあ、俺も飲まないから、ちーちゃんも飲まないで、お酒」
「何で俺がそんなこと、ハルちゃんに合わせないといけないわけ?」
「2人で禁酒しよう」
「………………。ハルちゃん、ホントに何もないの? ホントは何かすごい失敗したんでしょ? 今のうちに白状しといたほうが身のためだよ?」
「だから、何もないってば!」
単に、1人で飲まないでいるのが嫌だから言っただけなのに、とんでもない脅しを掛けられて、遥希は慌てる。
そのうち、本当に何もないのに、何か仕出かしたことにされていそうで、ちょっと怖い…。
「じゃあ夜ご飯、お酒とか置いてなさそうな、健全なカフェにでもする?」
ようやく降車駅に着いて、千尋たちは押し出されるように、電車から降りる。
帰路を急ぐ人たちはみんな、我先に階段のほうへと向かうけれど、千尋は、ここで急いだところで何分の差? この暑いのに密着するほうが嫌…というタイプだし、遥希ものん気な性格だから、人の群れが落ち着くまで、ホームでのんびりしている。
「健全なカフェ…。パンケーキとか食べるの?」
「食べるよ。ハルちゃん好きでしょ? パンケーキ」
「いや、好きだけど…………それって夜ご飯になる?」
ようやく空いてきた階段に向かって歩きながら、遥希は千尋の提案に首を傾げている。
最初に禁酒を言い出したのが遥希とはいえ、まさか夕食がカフェでパンケーキになるとは、想像だにしていなかった。
「夜に食べるご飯は夜ご飯」
「そ…そうだけど…」
遥希としては、夕食がパンケーキでも全然いいけれど、どちらかというと、千尋のほうがそれにNGを出しそうなのに、本当にそれでいいと思っているんだろうか。
後で絶対、お腹空いたとか言い出しそうなんだけど…。
「ちーちゃーん…、普通にご飯食べたほうがよくない? パンケーキはまた今度にしようよ」
「ハルちゃんが好きだと思ったから言ったのに。まぁ、ハルちゃんがいいならいいけど。てかさ、夕飯にお好み焼きは『あり』なのに、何でパンケーキは『なし』なんだろうね」
「え…、うん」
確かに、同じ粉ものなのに、パンケーキには夕食というイメージはない。
それはそうだけれど、そんなことを思い付く千尋の発想力といったら…。
「じゃあ、どこ行く? まぁ、店にお酒が置いてある限り、どこ行ったって飲んじゃうだろうけどね」
駅を出る前に行き先を決めないと…と、改札を抜けたところで、2人は足を止める。
2人とも、そこまで食にこだわりがあるわけではないから、どちらかに何か食べたいものがあるときでなければ、お互い、何でもいい…て感じだし、実はあんまりお店も分からない。
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