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恋の女神は微笑まない (129)
2014.09.10 Wed
chihiro
『FATE 一ノ瀬 新たな恋人!? 激撮・深夜のコンビニデート!』
千尋は以前、遥希がわざわざ買って来て、見せてくれた週刊誌によって大和の熱愛報道を知ったのだけれど、今回はそれを待つまでもなく、この魅惑的な見出しを目にする羽目になった。
暑さと邪魔くささの限界に達して行った美容室で、ウェイティングスペースにあった週刊誌の表紙に、彼の名前が載っていたのだ。
恋人(仮)がいるのに、一体どこの誰と夜中にコンビニデートなどしているのかと、普段は見ない類のそれを手に取ってみれば、相手は一般人女性だという。
この間噂になった女優のことには一切触れられていないため、どうやら二股ではないようだ。
車で大和のマンションまで来た後、歩いてコンビニまで行き、買い物を済ませて帰って来ると、2人でマンションへと入っていった。途中、手も繋いでいたらしい。
ふむふむ、なるほど。大和は彼女と手を繋ぎたいタイプなのか。千尋はわりと、繋がなくてもいい派なんだけど。
「…ぅん?」
さて、その大和の新しい彼女とやらは、一体どんな顔をしているのか、と写真に視線を移した千尋は、3秒ほどそれを見つめた後、コテンと首を傾けた。
一般人ということもあってか、彼女のほうは目線が入っていて、はっきりとは顔が分からないようになっているが、それでも千尋は、その写真の人物を初めて見る気がしなかった。
この彼女が着ている部屋着のような半袖パーカーと半ズボンは、遥希から誕生日にプレゼントされたものに似ているし、彼女のように、前髪をちょんまげにしていたこともある。
うん。
この彼女は、千尋だ。
(………………彼女?)
記事を隅から隅までくまなく読んでみても、大和と一緒にいるのが男だとは書いていない。大和に新しい恋人が出来たとは書いてあるが、それは飽くまで一般人女性であり、ゲイの男ではないのだ。
しかし、写真はどう見ても千尋である。本人が言うのだから、間違いない。
つまり千尋は、女性に間違われたうえに、大和の熱愛記事にまんまと利用された、というわけだ。
それにしても、この記事を書いた人間は、本当に千尋が男だと分からなかったのだろうか。男だとは思ったけれど、写真を撮ってみたら、意外と女にも見えたから、記事にしたのだろうか。
まぁ、女性ということにしておいたほうが、転んだのを起こそうと掴んでくれた手も、手繋ぎ写真にすることが出来るし、熱愛をでっち上げやすいだろうけど…。
記者が本当に千尋の性別を間違えたのか、分かっていて事実を歪曲したのか、どちらにしても、千尋はまったくいい気がしない。
男が好きなゲイとはいえ、千尋はれっきとした男であり、女ではないのだ。
世の中には、心と身体の性が一致しない人だとか、身も心も男ながら女性の格好をしたい人だとかいて、千尋もセクシャル・マイノリティだから、こうした人たちの抱えているものや置かれている立場は理解できるのだが、かといって自分は、女になりたいわけでも、女に見られたいわけでもない。
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『FATE 一ノ瀬 新たな恋人!? 激撮・深夜のコンビニデート!』
千尋は以前、遥希がわざわざ買って来て、見せてくれた週刊誌によって大和の熱愛報道を知ったのだけれど、今回はそれを待つまでもなく、この魅惑的な見出しを目にする羽目になった。
暑さと邪魔くささの限界に達して行った美容室で、ウェイティングスペースにあった週刊誌の表紙に、彼の名前が載っていたのだ。
恋人(仮)がいるのに、一体どこの誰と夜中にコンビニデートなどしているのかと、普段は見ない類のそれを手に取ってみれば、相手は一般人女性だという。
この間噂になった女優のことには一切触れられていないため、どうやら二股ではないようだ。
車で大和のマンションまで来た後、歩いてコンビニまで行き、買い物を済ませて帰って来ると、2人でマンションへと入っていった。途中、手も繋いでいたらしい。
ふむふむ、なるほど。大和は彼女と手を繋ぎたいタイプなのか。千尋はわりと、繋がなくてもいい派なんだけど。
「…ぅん?」
さて、その大和の新しい彼女とやらは、一体どんな顔をしているのか、と写真に視線を移した千尋は、3秒ほどそれを見つめた後、コテンと首を傾けた。
一般人ということもあってか、彼女のほうは目線が入っていて、はっきりとは顔が分からないようになっているが、それでも千尋は、その写真の人物を初めて見る気がしなかった。
この彼女が着ている部屋着のような半袖パーカーと半ズボンは、遥希から誕生日にプレゼントされたものに似ているし、彼女のように、前髪をちょんまげにしていたこともある。
うん。
この彼女は、千尋だ。
(………………彼女?)
記事を隅から隅までくまなく読んでみても、大和と一緒にいるのが男だとは書いていない。大和に新しい恋人が出来たとは書いてあるが、それは飽くまで一般人女性であり、ゲイの男ではないのだ。
しかし、写真はどう見ても千尋である。本人が言うのだから、間違いない。
つまり千尋は、女性に間違われたうえに、大和の熱愛記事にまんまと利用された、というわけだ。
それにしても、この記事を書いた人間は、本当に千尋が男だと分からなかったのだろうか。男だとは思ったけれど、写真を撮ってみたら、意外と女にも見えたから、記事にしたのだろうか。
まぁ、女性ということにしておいたほうが、転んだのを起こそうと掴んでくれた手も、手繋ぎ写真にすることが出来るし、熱愛をでっち上げやすいだろうけど…。
記者が本当に千尋の性別を間違えたのか、分かっていて事実を歪曲したのか、どちらにしても、千尋はまったくいい気がしない。
男が好きなゲイとはいえ、千尋はれっきとした男であり、女ではないのだ。
世の中には、心と身体の性が一致しない人だとか、身も心も男ながら女性の格好をしたい人だとかいて、千尋もセクシャル・マイノリティだから、こうした人たちの抱えているものや置かれている立場は理解できるのだが、かといって自分は、女になりたいわけでも、女に見られたいわけでもない。
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