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恋の女神は微笑まない (127)
2014.09.08 Mon
前に、女優との熱愛がゴシップ誌に載ったとき、どうしてこれが千尋じゃないんだろうと思ったけれど、いざ現実のものとなると、とても喜んではいられない。
あのときは完全にガセだったし、相手もこういうことに慣れていたから、お互いどうということもなかったが、今回は違う。
彼女とは個人的な付き合いがないから、あの記事以来、接触することもなく、おかげであっさりとほとぼりが冷めたけれど、千尋とは、そうはいかない。
いや、もう会わないという選択肢がないわけではないが、そんなのは嫌だ。
千尋が一般人である以上、週刊誌に千尋の個人情報が必要以上に載ることはないだろうが、しばらくは千尋も付け回されるかもしれない。
嗅ぎ回っているうちに、千尋が男だということが分かれば、記者は追い掛けるのをやめるだろうか。それとも更なるゴシップとして、おもしろおかしく記事を書き立てるのだろうか。
「一ノ瀬!」
大和は凹み、琉も掛ける言葉を見つけられずにいたら、南條が血相を変えて飛び込んで来た。
南條の気持ちも、南條が何を言いたいかも分かるが、今は南條の相手など、したくはないのに。
「一ノ瀬、これ…!」
「…分かってる。凹んでんだから、ほっといてよ…」
「ほっとけるかっ! てかこれっ………………千尋だろ?」
声を荒げていた南條だったが、肝心なところでは冷静になれたのか(悪いが、逆のタイプだと思っていた)、声を小さくして千尋の名前を出した。
「…そーだよ」
「やっぱり…。だったら何でこんな…。だってお前、千尋と何かあるわけじゃないんだろ?」
「何もなくたって、一緒にコンビニ行くことくらいあんだろ」
「だって、手…」
「ちーちゃんが酔っ払ってて転んだから、起こしただけ」
「何だ…」
あからさまにホッとした雰囲気を出す南條は、まさか本気でこの記事を信じていたのだろうか。何年この世界に身を置いているんだ。
しかし、南條は知らないだろうけど、性別を間違えているだけで、この記事は大体正解なのだから、それはそれで厄介だ。南條の悩みの種を、また増やしてしまった。
「つか、南條も分かるんだ。これがアイツだって」
あの日一緒にいた琉や遥希ならともかく、南條だって、千尋を知っている人間のうちの1人でしかないのに、どうしてこの写真を見ただけで、千尋だと分かったんだ。
記事は、大和と一緒にいるのを女性だと書いているから、通常の知り合いなら、似ていても千尋だとは思わないだろうに。
他のみんなが、千尋と似ているけど、さすがに違うよな…と思うところを、彼の思考回路は、千尋に間違いない! と、迷う余地なく一直線に繋がってしまったのか。
「いや、だって似てるし…」
「でも女て書いてあんじゃん」
「そうだけど…」
大和はすでに、この写真の人物を千尋だと認めたので、今さらなのだが、突っ込む琉に、南條は返事に窮している。
まぁ、南條は千尋が大和と知り合いだと知っているから、なおのこと、この写真の人物を見て、千尋を連想しやすかったのかもしれない。
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あのときは完全にガセだったし、相手もこういうことに慣れていたから、お互いどうということもなかったが、今回は違う。
彼女とは個人的な付き合いがないから、あの記事以来、接触することもなく、おかげであっさりとほとぼりが冷めたけれど、千尋とは、そうはいかない。
いや、もう会わないという選択肢がないわけではないが、そんなのは嫌だ。
千尋が一般人である以上、週刊誌に千尋の個人情報が必要以上に載ることはないだろうが、しばらくは千尋も付け回されるかもしれない。
嗅ぎ回っているうちに、千尋が男だということが分かれば、記者は追い掛けるのをやめるだろうか。それとも更なるゴシップとして、おもしろおかしく記事を書き立てるのだろうか。
「一ノ瀬!」
大和は凹み、琉も掛ける言葉を見つけられずにいたら、南條が血相を変えて飛び込んで来た。
南條の気持ちも、南條が何を言いたいかも分かるが、今は南條の相手など、したくはないのに。
「一ノ瀬、これ…!」
「…分かってる。凹んでんだから、ほっといてよ…」
「ほっとけるかっ! てかこれっ………………千尋だろ?」
声を荒げていた南條だったが、肝心なところでは冷静になれたのか(悪いが、逆のタイプだと思っていた)、声を小さくして千尋の名前を出した。
「…そーだよ」
「やっぱり…。だったら何でこんな…。だってお前、千尋と何かあるわけじゃないんだろ?」
「何もなくたって、一緒にコンビニ行くことくらいあんだろ」
「だって、手…」
「ちーちゃんが酔っ払ってて転んだから、起こしただけ」
「何だ…」
あからさまにホッとした雰囲気を出す南條は、まさか本気でこの記事を信じていたのだろうか。何年この世界に身を置いているんだ。
しかし、南條は知らないだろうけど、性別を間違えているだけで、この記事は大体正解なのだから、それはそれで厄介だ。南條の悩みの種を、また増やしてしまった。
「つか、南條も分かるんだ。これがアイツだって」
あの日一緒にいた琉や遥希ならともかく、南條だって、千尋を知っている人間のうちの1人でしかないのに、どうしてこの写真を見ただけで、千尋だと分かったんだ。
記事は、大和と一緒にいるのを女性だと書いているから、通常の知り合いなら、似ていても千尋だとは思わないだろうに。
他のみんなが、千尋と似ているけど、さすがに違うよな…と思うところを、彼の思考回路は、千尋に間違いない! と、迷う余地なく一直線に繋がってしまったのか。
「いや、だって似てるし…」
「でも女て書いてあんじゃん」
「そうだけど…」
大和はすでに、この写真の人物を千尋だと認めたので、今さらなのだが、突っ込む琉に、南條は返事に窮している。
まぁ、南條は千尋が大和と知り合いだと知っているから、なおのこと、この写真の人物を見て、千尋を連想しやすかったのかもしれない。
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