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恋の女神は微笑まない (120)
2014.09.01 Mon
「あ、ねぇ大和くん、さっきの写真、ちゃんと消した? ハルちゃんの」
大切なことを思い出して、千尋はパタパタと大和のところへと駆け寄って来た。
「心配しなくても、ちゃんと消しました」
「水落に見られてない?」
「大丈夫」
声を潜めるタイミングは今じゃない…。
大和はそう思いつつ、例の写真のことが遥希にばれるのを本気で恐れているのか、小声で尋ねる千尋が、今までにないくらいピトッと寄り添って来るのは、悪い気はしない。
「よかったぁ」
「そこまで心配するなら、最初から送らないでよ」
「だから、送らないつもりだったんだって」
大和が尤もなことを言えば、千尋は焦ったようにパシパシと大和の腕を叩いて、離れて行った。
もうちょっとくっ付いていたかったのに…なんて、大和が名残惜しく思っていたら、琉と遥希がイチャイチャしている(…というより、一方的に琉が遥希を構っている)のが目に入って、若干イラッとする。
まぁ、琉の遥希大好きは今に始まったことではないし、こうなることは百も承知で琉と一緒にここに来たわけだから、大和は何も言わないけれど――――大和は。
「ケッ、こんなトコでイチャついてんじゃねぇよ」
…それを口に出さずにはいられないのが、千尋なのだ。
もともとそこが定位置だったのだろう、ローテーブルの一角に座った千尋が、新しいチューハイの缶を空けて煽った。
「こんなトコて……ここはハルちゃんちだよ! お前が邪魔なんだよ、何飲んでんだよ、帰れよ!」
いい雰囲気のところを邪魔されて、琉だって黙っているはずがない。
恥ずかしがって遥希は琉から離れてしまうし、文句はいくら言っても言い足りない。
「ヤダね。俺は今日、ここに泊まるんだから」
「はぁっ?」
琉の文句を聞き入れる気などまったくないようで、千尋は澄ましたように顔を背けた。
そんな千尋の様子に、ちーちゃん、本当にお泊りするのかな…? と、遥希は困ったように千尋と大和を見比べた。
遥希としては、そりゃ琉とイチャイチャしたいけれど、今日千尋を自分の家に誘ったのは遥希だし、もうこんな時間だし、今さら帰れなんて言えないわけで。
けれど、大和も来たということは、一緒に帰るということなんじゃないのかなぁ…?
「帰れよっ。意味分かんねぇだろ、お前がここ泊まってったら」
「意味分かんなくねぇよ、俺もう寝るだけだし。お前らがイチャコラしたって、聞こえない振りしてっから、好きにしろよ」
「アホか、お前は~!」
千尋がどういう意味の『イチャコラ』を言っているのか、鈍い遥希にも分かって、別に遥希に向かって言われたわけでもないのに、勝手に頬を熱くする。
それこそ、遥希の部屋は壁が薄くて、ただでさえ隣室にいろいろな物音が聞こえているので、遥希の部屋では(なるべく)そういうことはしないようにしているのだ。
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大切なことを思い出して、千尋はパタパタと大和のところへと駆け寄って来た。
「心配しなくても、ちゃんと消しました」
「水落に見られてない?」
「大丈夫」
声を潜めるタイミングは今じゃない…。
大和はそう思いつつ、例の写真のことが遥希にばれるのを本気で恐れているのか、小声で尋ねる千尋が、今までにないくらいピトッと寄り添って来るのは、悪い気はしない。
「よかったぁ」
「そこまで心配するなら、最初から送らないでよ」
「だから、送らないつもりだったんだって」
大和が尤もなことを言えば、千尋は焦ったようにパシパシと大和の腕を叩いて、離れて行った。
もうちょっとくっ付いていたかったのに…なんて、大和が名残惜しく思っていたら、琉と遥希がイチャイチャしている(…というより、一方的に琉が遥希を構っている)のが目に入って、若干イラッとする。
まぁ、琉の遥希大好きは今に始まったことではないし、こうなることは百も承知で琉と一緒にここに来たわけだから、大和は何も言わないけれど――――大和は。
「ケッ、こんなトコでイチャついてんじゃねぇよ」
…それを口に出さずにはいられないのが、千尋なのだ。
もともとそこが定位置だったのだろう、ローテーブルの一角に座った千尋が、新しいチューハイの缶を空けて煽った。
「こんなトコて……ここはハルちゃんちだよ! お前が邪魔なんだよ、何飲んでんだよ、帰れよ!」
いい雰囲気のところを邪魔されて、琉だって黙っているはずがない。
恥ずかしがって遥希は琉から離れてしまうし、文句はいくら言っても言い足りない。
「ヤダね。俺は今日、ここに泊まるんだから」
「はぁっ?」
琉の文句を聞き入れる気などまったくないようで、千尋は澄ましたように顔を背けた。
そんな千尋の様子に、ちーちゃん、本当にお泊りするのかな…? と、遥希は困ったように千尋と大和を見比べた。
遥希としては、そりゃ琉とイチャイチャしたいけれど、今日千尋を自分の家に誘ったのは遥希だし、もうこんな時間だし、今さら帰れなんて言えないわけで。
けれど、大和も来たということは、一緒に帰るということなんじゃないのかなぁ…?
「帰れよっ。意味分かんねぇだろ、お前がここ泊まってったら」
「意味分かんなくねぇよ、俺もう寝るだけだし。お前らがイチャコラしたって、聞こえない振りしてっから、好きにしろよ」
「アホか、お前は~!」
千尋がどういう意味の『イチャコラ』を言っているのか、鈍い遥希にも分かって、別に遥希に向かって言われたわけでもないのに、勝手に頬を熱くする。
それこそ、遥希の部屋は壁が薄くて、ただでさえ隣室にいろいろな物音が聞こえているので、遥希の部屋では(なるべく)そういうことはしないようにしているのだ。
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