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恋の女神は微笑まない (107)
2014.08.20 Wed
「んー…、どうするかなぁ、これ」
撮ったはいいが、その本人たる遥希は寝ているからからかえないし、かと言って、ネタにもせず、ただ保存しているだけだと、何だか熱烈な遥希ファン…というか、変態くさい。
「あ、ハルちゃんファンの変態に送ればいっか」
もちろんそれは、琉のことである。
琉は遥希の恋人であり、非常に遥希のことを愛してはいるけれど、遥希のファンというわけではないし(遥希は紛れもなく琉ファンだが)、変態でもない。
しかし、千尋にとっては、そんなことどうでもいい。
せっかく撮った写真のやり場を、どうにかしたいだけだ。
けれど、よし、写真を添付してやろう、とスマホを操作し始めたところで、千尋は気が付いた――――琉の連絡先を、知らない。
琉の連絡先なんて別に知りたくも何ともないから、知らなくて全然いいんだけれど、今、この状況下においては、知っていればよかったと、千尋は若干後悔する。
「何だよ、もぉ~」
せっかくの名案だったのに、出鼻を挫かれて、テンションが下がる。
仕方がないから、大和にでも送ってみるか。千尋が連絡先を知っている人のうち、遥希の寝顔の写真を送るというジョークが通じそうな人間が、そのくらいしか思い浮かばない。
南條は、遥希のことを真面目っ子だと思っているようだから、やめておいたほうがいいだろうし。
千尋はトークの画面から大和を呼び出し、先ほど撮った遥希の寝顔の写真を添付する。
にひ、と笑って、送信ボタンに指を伸ばした次の瞬間、急に冷静な千尋が『やめろ!』とストップを掛けて、我に返った千尋は、慌ててスマホから手を離した。
危ない、危ない。酔った勢いとはいえ、何をしようとしているんだ。
「あっぶねぇ…」
確かに、遥希の寝顔写真を送れば、『何これ』とか言いつつ、大和はウケてくれるだろう。おもしろがってくれるだろう。千尋の行為に深い意味はない。ウケればそれでいいから。
しかし、大和・琉・遥希の関係からして、大和はきっと、受け取った写真を琉に見せるに違いない。千尋が『見せるな』と言えば見せないかもしれないが、琉に見られる可能性は大きい。
そこに来て、遥希は大変な乙女思考の持ち主だ。寝起きの顔がブサイクだから、恋人とお泊りしたときは、彼より早く起きなきゃ! とか、本気で言っている子である。
それなのに、千尋が、口半開きで寝ている遥希の写真を大和に送り、琉にでも見られた日には、とんでもなく面倒くさいことになるのは、火を見るより明らかだ。
ストップを掛けてくれた冷静な俺、ありがとう。
というか、最初は琉に直接送り付けようとしていたんだった。
酔っていたとはいえ、とんでもないことを思い付いたものだ。琉の連絡先を知らなくて、本当によかった。これから先も、絶対に聞かないことにしよう。
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撮ったはいいが、その本人たる遥希は寝ているからからかえないし、かと言って、ネタにもせず、ただ保存しているだけだと、何だか熱烈な遥希ファン…というか、変態くさい。
「あ、ハルちゃんファンの変態に送ればいっか」
もちろんそれは、琉のことである。
琉は遥希の恋人であり、非常に遥希のことを愛してはいるけれど、遥希のファンというわけではないし(遥希は紛れもなく琉ファンだが)、変態でもない。
しかし、千尋にとっては、そんなことどうでもいい。
せっかく撮った写真のやり場を、どうにかしたいだけだ。
けれど、よし、写真を添付してやろう、とスマホを操作し始めたところで、千尋は気が付いた――――琉の連絡先を、知らない。
琉の連絡先なんて別に知りたくも何ともないから、知らなくて全然いいんだけれど、今、この状況下においては、知っていればよかったと、千尋は若干後悔する。
「何だよ、もぉ~」
せっかくの名案だったのに、出鼻を挫かれて、テンションが下がる。
仕方がないから、大和にでも送ってみるか。千尋が連絡先を知っている人のうち、遥希の寝顔の写真を送るというジョークが通じそうな人間が、そのくらいしか思い浮かばない。
南條は、遥希のことを真面目っ子だと思っているようだから、やめておいたほうがいいだろうし。
千尋はトークの画面から大和を呼び出し、先ほど撮った遥希の寝顔の写真を添付する。
にひ、と笑って、送信ボタンに指を伸ばした次の瞬間、急に冷静な千尋が『やめろ!』とストップを掛けて、我に返った千尋は、慌ててスマホから手を離した。
危ない、危ない。酔った勢いとはいえ、何をしようとしているんだ。
「あっぶねぇ…」
確かに、遥希の寝顔写真を送れば、『何これ』とか言いつつ、大和はウケてくれるだろう。おもしろがってくれるだろう。千尋の行為に深い意味はない。ウケればそれでいいから。
しかし、大和・琉・遥希の関係からして、大和はきっと、受け取った写真を琉に見せるに違いない。千尋が『見せるな』と言えば見せないかもしれないが、琉に見られる可能性は大きい。
そこに来て、遥希は大変な乙女思考の持ち主だ。寝起きの顔がブサイクだから、恋人とお泊りしたときは、彼より早く起きなきゃ! とか、本気で言っている子である。
それなのに、千尋が、口半開きで寝ている遥希の写真を大和に送り、琉にでも見られた日には、とんでもなく面倒くさいことになるのは、火を見るより明らかだ。
ストップを掛けてくれた冷静な俺、ありがとう。
というか、最初は琉に直接送り付けようとしていたんだった。
酔っていたとはいえ、とんでもないことを思い付いたものだ。琉の連絡先を知らなくて、本当によかった。これから先も、絶対に聞かないことにしよう。
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