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恋の女神は微笑まない (105)
2014.08.18 Mon
「えー? じゃあ、まだ本当にお付き合いしたいとか、思うようになってない、てことぉ?」
「んー…」
改めて遥希に問われて、千尋は考え込む。
大和とお試しで付き合うようになってしばらく経つけれど、心境に変化はあったのか。
少なくとも、もう顔も見たくないくらいに嫌いにはなっていないけれど、本当にお付き合いしてもいいくらいに、大和のことを好きになったのかは、よく分からない。
そもそも、お試しで付き合うのと、本当に付き合うのって、何が違うんだ? 今さらだけど。
大和と本当にお付き合いする、と今からでも伝えたら、昨日までと何かが変わるんだろうか。
「大体さぁ、お試しで付き合うとか、最初から意味分かんなかったよ、俺は」
「それはハルちゃんが頭悪いからでしょ?」
「ちょっ! 何それ! じゃあちーちゃん、説明してよ、どーゆーことか! めーかくに説明して!」
「面倒くせぇ…」
「面倒くさくないっ!」
説明するのが面倒くさいのではなく、酔っ払った遥希が面倒くさくて思わず漏れた一言を、遥希がどちらの意味で受け止めたかは不明だが、バシンとテーブルを叩いて突っ掛かって来る。
いや、十分面倒くさいよ、小野田くん。
「お試しはお試しだよ」
「じゃあ、いつになったらお試しじゃなくなんのぉ?」
「知るか」
そんなこと、千尋が知りたい。
最初にお試しで付き合おうと言って来たのは大和で、千尋も、大和のことを付き合いたいと思えるくらいに好きになるには、それがいい方法だと思って始めた関係。
さっきも思ったけれど、お試しのお付き合いが本当のお付き合いになったら、一体何が変わるのだ。もういっそ、今も、本当のお付き合いというわけにはいかないのか。
(……いかないだろうなぁ…)
汗をかいたチューハイの缶をティシューで拭きながら、千尋はボンヤリと思う。
大和と女優さんの熱愛がゴシップ誌に載ったとき、千尋はそれを遥希によって知らされたのだけれど、その後、南條と一緒にご飯に行く機会があって、そういうスキャンダルの後始末が大変なのだという話を聞かされた。
南條は、千尋と大和のことなど知らないし、それが大和にとって初めてのスキャンダルでもなかったから、今までの苦労も含めて、何となく愚痴ってしまっただけなんだろうけど。
(そんな話聞かされたら、本気で付き合えるわけないじゃんかよ…)
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「んー…」
改めて遥希に問われて、千尋は考え込む。
大和とお試しで付き合うようになってしばらく経つけれど、心境に変化はあったのか。
少なくとも、もう顔も見たくないくらいに嫌いにはなっていないけれど、本当にお付き合いしてもいいくらいに、大和のことを好きになったのかは、よく分からない。
そもそも、お試しで付き合うのと、本当に付き合うのって、何が違うんだ? 今さらだけど。
大和と本当にお付き合いする、と今からでも伝えたら、昨日までと何かが変わるんだろうか。
「大体さぁ、お試しで付き合うとか、最初から意味分かんなかったよ、俺は」
「それはハルちゃんが頭悪いからでしょ?」
「ちょっ! 何それ! じゃあちーちゃん、説明してよ、どーゆーことか! めーかくに説明して!」
「面倒くせぇ…」
「面倒くさくないっ!」
説明するのが面倒くさいのではなく、酔っ払った遥希が面倒くさくて思わず漏れた一言を、遥希がどちらの意味で受け止めたかは不明だが、バシンとテーブルを叩いて突っ掛かって来る。
いや、十分面倒くさいよ、小野田くん。
「お試しはお試しだよ」
「じゃあ、いつになったらお試しじゃなくなんのぉ?」
「知るか」
そんなこと、千尋が知りたい。
最初にお試しで付き合おうと言って来たのは大和で、千尋も、大和のことを付き合いたいと思えるくらいに好きになるには、それがいい方法だと思って始めた関係。
さっきも思ったけれど、お試しのお付き合いが本当のお付き合いになったら、一体何が変わるのだ。もういっそ、今も、本当のお付き合いというわけにはいかないのか。
(……いかないだろうなぁ…)
汗をかいたチューハイの缶をティシューで拭きながら、千尋はボンヤリと思う。
大和と女優さんの熱愛がゴシップ誌に載ったとき、千尋はそれを遥希によって知らされたのだけれど、その後、南條と一緒にご飯に行く機会があって、そういうスキャンダルの後始末が大変なのだという話を聞かされた。
南條は、千尋と大和のことなど知らないし、それが大和にとって初めてのスキャンダルでもなかったから、今までの苦労も含めて、何となく愚痴ってしまっただけなんだろうけど。
(そんな話聞かされたら、本気で付き合えるわけないじゃんかよ…)
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