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6. いくらなんでもはしたない
2008.08.24 Sun
*****
(何で、人んちの風呂の入れ方、熟知してんだろう…)
もう今までに何度となく思ったことを、今日もまた思いつつ、石田はパネルを操作して、湯船にお湯を溜め始めた。
お互い気の済むまで抱き合って、貪って、体を2つに分けたときにはもうとっぷりと日が暮れていて。
水瀬は「疲れたー、汗でベタベタするー、中グチャグチャで気持ち悪いー、風呂入りたいー」と言った後、いつもどおり「石田、風呂入れてきて」と、当然のようにのたまったので、石田はとりあえず下穿きだけ直して、バスルームに直行したのだった。
「はぁ…」
湯船の縁に手を突いて、項垂れる。
――――また、やってしまった。
幼馴染みの水瀬と初めて肌を重ねたのは、高校に入って間もなくのことで。
それから、ダメだダメだと思いつつ、もう数えるのも億劫になるくらい、水瀬とセックスをしている。
石田に彼女が出来たときも、『え、別に俺ら、恋愛感情があるわけでもないし、男同士だし、浮気になんなくない?』とか何とか、水瀬の口車に乗せられてヤッてしまったのだから、目も当てられない。
確かに水瀬の言うとおり、2人の間にあるのは、恋愛感情とは違う気がする。
水瀬のことを好きか嫌いかと聞かれれば、嫌いではなく好きだけれど、それがこれまで付き合ってきた彼女に対する気持ちと同類かといえば、そうではなくて。
ましてや恋人同士のわけもない。
(うーん……どっちかって言うと、主従関係…?)
それでも水瀬が自分とのセックスに満足して、向こうから求めて来るのだから、まぁいいかとも思う。
結局、水瀬との関係は、惚れたモン負けな気がするから。
恋愛感情にするのは危険だと、本能がそう諭している。
「…」
グチャグチャとまとまらない思考を振り切って、石田は水瀬の待っている寝室へと戻った。
「水瀬ー、風呂…―――――って、何やってんだ、お前!」
言いながらドアを開けた石田は、ベッドの上であられもない姿を晒している水瀬に、ガクリとズッコケそうになった。
「ん?」
呑気に返事をした水瀬は、素っ裸のままベッドに寝っ転がって、カバンの中から取り出したスナック菓子を、もしゃもしゃ貪っていた。
「…あのね、何してんのよ、あなた」
「え、だっていっぱいエッチしたら、お腹空いたんだもん。これねー、今日しーちゃんから貰ったの。超おいしいんだよ」
「…………。あ、そう。メシは?」
時計を見れば、すでに7時になろうかという時刻。
今からそんなスナック菓子を食べていて、夕食はどうするつもりなのかと、石田が尋ねれば、水瀬はしれっと「お腹空いたら食べる」と、何となく見当違いなことを答える。
(だったらそんなお菓子食ってないで、メシ食えばいいじゃん…)
至極まっとうなその意見を、石田はあえて口にはしない。
「もうすぐ風呂沸くけど?」
「入る! あ、石田も一緒に入る?」
「結構です」
「何で? 一緒に入ろうよ。で、体洗って?」
「ガキか!」
たいていの男ならノックダウン寸前の水瀬のセリフも、旧知の石田には通用しない。
分かっていて言ったので、水瀬のほうも特に気を悪くするでもなく、袋に残っていたスナック菓子を一気に口の中に滑り込ませると、口をモグモグさせながらバスルームへと向かった。
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