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恋の女神は微笑まない (91)
2014.08.04 Mon
「ちーちゃんの着替ぐぇっ」
最後まで言い切らないうちに、さらに強く締め上げられる。
いやいやいや、本気すぎる。
「ふっざけんなよっ、何でこれっ…、これ買ったのかよ、昨日っ!」
「ちょっ放し…苦しっ…」
「………………」
苦しさのあまり涙目になりつつ、大和が千尋の腕を叩くと、千尋は無言で少しだけ力を緩めた。
昨日、これを買うとき、着てくれるように頼んだときの千尋の反応を想像したけれど、ここまでぶち切れるとは、ちょっと想像の範囲外だった。
「いや…、これ見たとき、ちーちゃんが着たらかわいいだろうな、て思って…」
「はぁっ!? 何で俺がこんなのっ……いやいやいや、こんなの、ていうかっ…」
恐らくは、何で俺がこんなの着なくちゃいけないんだ、と言いたかったのだろう。
しかし、自分でデザインした服に対して『こんなの』呼ばわりは出来ないと、逆上した頭でも分かったのか、千尋は慌てて言葉を濁した。
「だって、ちーちゃんに着てほしかったから」
「バッ…バッカじゃない!?」
「似合うと思うんだけど…」
「だから!? いや、俺様が着れば何だって似合うだろうけどさっ、でも、自分でデザインした服着て仕事行くとか、自意識過剰すぎるじゃん! 店にも並んでんのに、それ自分で着てるとか! 何コイツ、て話じゃんっ!」
すっかり動揺したのか、千尋の言っていることがおかしくなっている。
自分でデザインした服を着て仕事に行くのは自意識過剰なのに、その直前の『俺様が着れば何だって似合うだろうけどさっ』という発言は、そうではないの?
恋人(仮)に胸倉を掴まれるという、どう考えてもかなりの修羅場な状況にもかかわらず、慌てふためいてジタバタしている千尋がかわいくて、大和はつい口元を緩ませてしまう。
いや、この状況で微笑むとか、ちょっと属性を疑われかねないけれど、そんなことはないし、というか、笑っていることが千尋にバレたら、さらに火に油を注いでしまうんだけれど。
そんなわけで、千尋は怒りと動揺で周りが見えなくなっていたし、大和も千尋しか見ていなかったから、2人とも、気付かなかったのだ――――南條が到着していたことに。
「ギャーーーー!!!!」
リビングのドアを開けて、室内に1歩足を踏み入れた南條は、そこで繰り広げられていた千尋と大和の状況を見て絶叫し、そして再びドアを閉めた。
「ん?」
「あ、」
さすがにこの絶叫に、千尋と大和も我に返って、閉じたドアのほうを振り返った。
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最後まで言い切らないうちに、さらに強く締め上げられる。
いやいやいや、本気すぎる。
「ふっざけんなよっ、何でこれっ…、これ買ったのかよ、昨日っ!」
「ちょっ放し…苦しっ…」
「………………」
苦しさのあまり涙目になりつつ、大和が千尋の腕を叩くと、千尋は無言で少しだけ力を緩めた。
昨日、これを買うとき、着てくれるように頼んだときの千尋の反応を想像したけれど、ここまでぶち切れるとは、ちょっと想像の範囲外だった。
「いや…、これ見たとき、ちーちゃんが着たらかわいいだろうな、て思って…」
「はぁっ!? 何で俺がこんなのっ……いやいやいや、こんなの、ていうかっ…」
恐らくは、何で俺がこんなの着なくちゃいけないんだ、と言いたかったのだろう。
しかし、自分でデザインした服に対して『こんなの』呼ばわりは出来ないと、逆上した頭でも分かったのか、千尋は慌てて言葉を濁した。
「だって、ちーちゃんに着てほしかったから」
「バッ…バッカじゃない!?」
「似合うと思うんだけど…」
「だから!? いや、俺様が着れば何だって似合うだろうけどさっ、でも、自分でデザインした服着て仕事行くとか、自意識過剰すぎるじゃん! 店にも並んでんのに、それ自分で着てるとか! 何コイツ、て話じゃんっ!」
すっかり動揺したのか、千尋の言っていることがおかしくなっている。
自分でデザインした服を着て仕事に行くのは自意識過剰なのに、その直前の『俺様が着れば何だって似合うだろうけどさっ』という発言は、そうではないの?
恋人(仮)に胸倉を掴まれるという、どう考えてもかなりの修羅場な状況にもかかわらず、慌てふためいてジタバタしている千尋がかわいくて、大和はつい口元を緩ませてしまう。
いや、この状況で微笑むとか、ちょっと属性を疑われかねないけれど、そんなことはないし、というか、笑っていることが千尋にバレたら、さらに火に油を注いでしまうんだけれど。
そんなわけで、千尋は怒りと動揺で周りが見えなくなっていたし、大和も千尋しか見ていなかったから、2人とも、気付かなかったのだ――――南條が到着していたことに。
「ギャーーーー!!!!」
リビングのドアを開けて、室内に1歩足を踏み入れた南條は、そこで繰り広げられていた千尋と大和の状況を見て絶叫し、そして再びドアを閉めた。
「ん?」
「あ、」
さすがにこの絶叫に、千尋と大和も我に返って、閉じたドアのほうを振り返った。
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