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恋の女神は微笑まない (77)
2014.07.21 Mon
「ん?」
大和がスマホを置いて顔を上げると、メニューの向こうからこちらを見ていた千尋と目が合った。
車の中で焼き肉屋を調べていたときは、目が合う間もなく顔を逸らされたのに…………今は、画面を覗いていたわけではない、という千尋なりの線引きなんだろうか。
「どうしたの、ちーちゃん」
ここに来て最初にメールが来たとき、メールを見てもいいか千尋に確認しているから、2回目は別に何の声掛けもいらないと思ってメールをしていたんだけれど、やっぱり一緒にいてメールとか、"ナシ"だったんだろうか。
「結局さぁ、大和くんて、メールとか好きな人なの?」
「え…、まぁ……好きか嫌いかで言ったら、好きなほうだと思うけど…?」
何を突然言い出すのかと思いきや、千尋はそんなことを聞いてきた。
少なくとも、メールのやり取りに関して、千尋のように、面倒くさいと思ったことはないし、それについては、前にも話したことあると思うんだけど…。
「ふぅん」
大和の返答に、千尋は何となく納得の言ってないような感じで返事をする。
その反応て、どういう意味…? と大和は聞こうとしたけれど、それと同じタイミングで、店員が2人の個室にやって来た。
「いただきまーす……あ、かんぱーい?」
大和は、先ほどの千尋の質問の意味を知りたかったのだが、飲み物と肉の皿を置いて店員が下がると、千尋は肉を網に置くより先、ビールのジョッキを掲げた。
「いや、いただきますでもいいよ、何かおもしろいから」
一般的には、何の祝福がないときであっても、飲み物の場合は乾杯だけれど、これから食事をするのだから、いただきますでも、確かに間違いではない。
ただ、なかなか普通の人には、その発想がないだけで。
「じゃあ、いただきまーす」
「いただきま…………あっちょっちーちゃん!」
いただきますの掛け声で乾杯した後、千尋がグィーッと一気に半分ぐらいビールを飲んだので、大和は大いに慌てた。千尋の酒の強さからしたら、これはヤバい。
ここは自分の家じゃないから潰れない、と千尋は最初に言ったけれど、酔い潰れるのは、自分の家かどうかではなく、飲み方の問題だ。
「ふぅ~。さっ、お肉お肉」
「………………まぁいいけどね」
慌てる大和とは裏腹に、千尋は非常にご満悦な表情でジョッキを置いて、トングを掴んだ。
こうなって来ると、1人であたふたしているのが何だかバカバカしくなってきて、大和は肩を竦めた。今のところ、急性アルコール中毒とか、体に危険なレベルというほどの飲み方でもないから、あまりうるさく言うのはやめておこう。
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大和がスマホを置いて顔を上げると、メニューの向こうからこちらを見ていた千尋と目が合った。
車の中で焼き肉屋を調べていたときは、目が合う間もなく顔を逸らされたのに…………今は、画面を覗いていたわけではない、という千尋なりの線引きなんだろうか。
「どうしたの、ちーちゃん」
ここに来て最初にメールが来たとき、メールを見てもいいか千尋に確認しているから、2回目は別に何の声掛けもいらないと思ってメールをしていたんだけれど、やっぱり一緒にいてメールとか、"ナシ"だったんだろうか。
「結局さぁ、大和くんて、メールとか好きな人なの?」
「え…、まぁ……好きか嫌いかで言ったら、好きなほうだと思うけど…?」
何を突然言い出すのかと思いきや、千尋はそんなことを聞いてきた。
少なくとも、メールのやり取りに関して、千尋のように、面倒くさいと思ったことはないし、それについては、前にも話したことあると思うんだけど…。
「ふぅん」
大和の返答に、千尋は何となく納得の言ってないような感じで返事をする。
その反応て、どういう意味…? と大和は聞こうとしたけれど、それと同じタイミングで、店員が2人の個室にやって来た。
「いただきまーす……あ、かんぱーい?」
大和は、先ほどの千尋の質問の意味を知りたかったのだが、飲み物と肉の皿を置いて店員が下がると、千尋は肉を網に置くより先、ビールのジョッキを掲げた。
「いや、いただきますでもいいよ、何かおもしろいから」
一般的には、何の祝福がないときであっても、飲み物の場合は乾杯だけれど、これから食事をするのだから、いただきますでも、確かに間違いではない。
ただ、なかなか普通の人には、その発想がないだけで。
「じゃあ、いただきまーす」
「いただきま…………あっちょっちーちゃん!」
いただきますの掛け声で乾杯した後、千尋がグィーッと一気に半分ぐらいビールを飲んだので、大和は大いに慌てた。千尋の酒の強さからしたら、これはヤバい。
ここは自分の家じゃないから潰れない、と千尋は最初に言ったけれど、酔い潰れるのは、自分の家かどうかではなく、飲み方の問題だ。
「ふぅ~。さっ、お肉お肉」
「………………まぁいいけどね」
慌てる大和とは裏腹に、千尋は非常にご満悦な表情でジョッキを置いて、トングを掴んだ。
こうなって来ると、1人であたふたしているのが何だかバカバカしくなってきて、大和は肩を竦めた。今のところ、急性アルコール中毒とか、体に危険なレベルというほどの飲み方でもないから、あまりうるさく言うのはやめておこう。
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