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恋の女神は微笑まない (75)
2014.07.19 Sat
到着した焼き肉屋で個室に通され、2人でメニューを覗いていると、大和のスマホが音を立てた。
幸いにも電話でなくメールだったので、緊急を要する用事ではないだろうと思われるが、千尋と2人きりでいるときなのに、タイミングが悪い…と大和は眉を寄せた。
「ゴメン、ちーちゃん、メール見ていい?」
緊急の用事ではないだろうが、仕事に関係することの可能性もあるので、着信に気付いていて無視することも出来ない…と、大和は千尋に了解を取る。
すると、着信音にも特に反応していなかった千尋が、キョトンとした顔で大和のことを見た。
「別にいいけど…………むしろ、何で俺に許可を求めんの?」
すごく不思議そうに、千尋は大和のことを見つめた。
お試しとはいえ、恋人と2人でいるときに、他人からのメールを見るとかデリカシーないなぁ、と思って尋ねたのだが、コテンと首を倒している千尋は、どうやらその意味が分かっていないらしい。
そこまでメールに関心がないか…! と驚きつつも、許しを得た大和がメールを開くと、相手は南條で、明日のスケジュールに少々の変更が生じたとの内容だった。
とりあえず、朝一の仕事の時間がさらに早まった、なんてことではなかったので、ホッとする。
「よし、決めた! こっからここまで」
「ちょっ…!」
大和がメールの返信をしている間に、食べたいものを決めたらしい千尋だったが、その指が差したのは、肉のメニューが載っている部分を、上から下まで。
いや、それって別に、『決めた!』とかじゃないし!
「大丈夫、全部1皿ずつにするから」
「いや、それの何が大丈夫なのか教えてほしい」
1皿ずつだから、2人で食べれば食べ切れるとか、そういうこと? それとも大和と一緒だから、お財布の心配はいらないと思ってるとか?
本気と冗談の境界線の分かりにくい千尋に、大和はまたも困惑するはめになる。
「あのさ、ちーちゃん、一気に全部頼むんじゃなくて、ちょっとずつ頼もうよ。最終的に全部頼むことになってもいいから。ね?」
「そぉ?」
「一気にそんなにたくさん出て来たって、焼けないでしょ。網、この大きさなんだし」
本当はそんな理由でなく、頼むだけ頼んで食べ切れなかったときのことを思ったのだが、それを言うと千尋はまた、『食べ切れる!』とむきになりそうだから、そう言っておく。
大和的には、そんなに説得力のあるセリフとも思わなかったが、千尋はあっさりと納得して、「分かった」と頷いた。
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幸いにも電話でなくメールだったので、緊急を要する用事ではないだろうと思われるが、千尋と2人きりでいるときなのに、タイミングが悪い…と大和は眉を寄せた。
「ゴメン、ちーちゃん、メール見ていい?」
緊急の用事ではないだろうが、仕事に関係することの可能性もあるので、着信に気付いていて無視することも出来ない…と、大和は千尋に了解を取る。
すると、着信音にも特に反応していなかった千尋が、キョトンとした顔で大和のことを見た。
「別にいいけど…………むしろ、何で俺に許可を求めんの?」
すごく不思議そうに、千尋は大和のことを見つめた。
お試しとはいえ、恋人と2人でいるときに、他人からのメールを見るとかデリカシーないなぁ、と思って尋ねたのだが、コテンと首を倒している千尋は、どうやらその意味が分かっていないらしい。
そこまでメールに関心がないか…! と驚きつつも、許しを得た大和がメールを開くと、相手は南條で、明日のスケジュールに少々の変更が生じたとの内容だった。
とりあえず、朝一の仕事の時間がさらに早まった、なんてことではなかったので、ホッとする。
「よし、決めた! こっからここまで」
「ちょっ…!」
大和がメールの返信をしている間に、食べたいものを決めたらしい千尋だったが、その指が差したのは、肉のメニューが載っている部分を、上から下まで。
いや、それって別に、『決めた!』とかじゃないし!
「大丈夫、全部1皿ずつにするから」
「いや、それの何が大丈夫なのか教えてほしい」
1皿ずつだから、2人で食べれば食べ切れるとか、そういうこと? それとも大和と一緒だから、お財布の心配はいらないと思ってるとか?
本気と冗談の境界線の分かりにくい千尋に、大和はまたも困惑するはめになる。
「あのさ、ちーちゃん、一気に全部頼むんじゃなくて、ちょっとずつ頼もうよ。最終的に全部頼むことになってもいいから。ね?」
「そぉ?」
「一気にそんなにたくさん出て来たって、焼けないでしょ。網、この大きさなんだし」
本当はそんな理由でなく、頼むだけ頼んで食べ切れなかったときのことを思ったのだが、それを言うと千尋はまた、『食べ切れる!』とむきになりそうだから、そう言っておく。
大和的には、そんなに説得力のあるセリフとも思わなかったが、千尋はあっさりと納得して、「分かった」と頷いた。
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