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恋の女神は微笑まない (47)
2014.06.21 Sat
「何で帰んの? 仕事昼からなんでしょ? まだ時間あるじゃん」
「そうだけど、仕事行く前に1回帰んないと。俺も風呂入って着替えたいし」
「なるほどね。俺んちじゃ風呂は入れても、着替えがないもんね。でも水落のヤロウは、大和くんが俺んちに泊まったこと知ってんだし、別に昨日と同じ服でもよくね? 俺と何かあったみたいでいいじゃん」
「いや、『いいじゃん』じゃないし…」
千尋の言うとおり、大和が千尋の家に泊まることは琉も知っている……というか、琉が言い出したことだから、それについては、ばれて困るという事態もないのだけれど。
琉にヤイヤイ言われるのは、やっぱり嫌だ。まだ何もないのに、何かあったと思われるのも、絶対に嫌だ。
勝手な想像をされるのは、ゴシップ誌だけで十分だ。
「じゃあさ、帰る前に1つ教えてよ、大和くん」
「何を」
千尋もこれから仕事だし、大和の事情もある程度は理解しているらしく、千尋はそれ以上しつこくは引き留めて来なかった。
というか、パーカーの袖の中に手をしまって、萌え袖状態になっている千尋は、それだけで、言葉どおり萌えることこの上ないのに、手をパタパタさせて、袖を振り回している姿は…!
大和は、緩みそうになる口元を、必死に堪える。
「神のように俺にここまで親切にしてくれたのは、やっぱ、俺にいいトコとか見せなきゃだから?」
「は?」
「俺が大和くんのこと、付き合いたいて思えるようにがんばるの、大和くんのいいトコとかいっぱい知らなきゃだから。だから、こんなにも俺に親切にしてくれたの?」
「いや…………まぁ、確かにちーちゃんには俺のいいトコとか知ってもらいたいとは思ってるけど…、俺、そこまでの親切とか、したかな…?」
大和が千尋の家に来たのは、琉の思惑と大和のほんのちょっとの下心のためだが、酔い潰れた千尋をベッドルームまで連れて行くことは、そんな大層なことではないと思う。
むしろ、千尋に対してというより、千尋をベッドに連れて行こうとして、全然出来ずにいた遥希に対する親切と言ったほうがいいような気もするし。
「ふぅん? あのくらいのことは、大和くんの中じゃ、全然大したことじゃないってこと?」
「…普通そうじゃない?」
「何の見返りも求めず、ただ無償の愛を与える…………それが大和くん?」
「大げさすぎるよ」
酔い潰れた千尋をベッドまで運ぶくらいで、一体何の見返りを求めるというのか。
南條の話によれば、千尋は相当酒癖が悪く、南條も、もう2度と千尋の介抱などするものか、と思うくらいの目に幾度となく遭っているらしいから、千尋は昨日の自分がそんな振る舞いをしたと思っているのだろうか。
「昨日のちーちゃんは、ただ寝てただけで、何も変なことしてないよ? 俺も、ちーちゃんのことベッドに運んだだけで、そんな大それたことなんてしてないから」
「そうなの? 何だ…」
あからさまにホッとした顔をする千尋は、やはり自分の醜態を大和に晒したのではないかと心配していたらしい。
突拍子もなくて、勝手気ままではあるけれど、そういうところはちゃんと気にする性格のようだ。
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「そうだけど、仕事行く前に1回帰んないと。俺も風呂入って着替えたいし」
「なるほどね。俺んちじゃ風呂は入れても、着替えがないもんね。でも水落のヤロウは、大和くんが俺んちに泊まったこと知ってんだし、別に昨日と同じ服でもよくね? 俺と何かあったみたいでいいじゃん」
「いや、『いいじゃん』じゃないし…」
千尋の言うとおり、大和が千尋の家に泊まることは琉も知っている……というか、琉が言い出したことだから、それについては、ばれて困るという事態もないのだけれど。
琉にヤイヤイ言われるのは、やっぱり嫌だ。まだ何もないのに、何かあったと思われるのも、絶対に嫌だ。
勝手な想像をされるのは、ゴシップ誌だけで十分だ。
「じゃあさ、帰る前に1つ教えてよ、大和くん」
「何を」
千尋もこれから仕事だし、大和の事情もある程度は理解しているらしく、千尋はそれ以上しつこくは引き留めて来なかった。
というか、パーカーの袖の中に手をしまって、萌え袖状態になっている千尋は、それだけで、言葉どおり萌えることこの上ないのに、手をパタパタさせて、袖を振り回している姿は…!
大和は、緩みそうになる口元を、必死に堪える。
「神のように俺にここまで親切にしてくれたのは、やっぱ、俺にいいトコとか見せなきゃだから?」
「は?」
「俺が大和くんのこと、付き合いたいて思えるようにがんばるの、大和くんのいいトコとかいっぱい知らなきゃだから。だから、こんなにも俺に親切にしてくれたの?」
「いや…………まぁ、確かにちーちゃんには俺のいいトコとか知ってもらいたいとは思ってるけど…、俺、そこまでの親切とか、したかな…?」
大和が千尋の家に来たのは、琉の思惑と大和のほんのちょっとの下心のためだが、酔い潰れた千尋をベッドルームまで連れて行くことは、そんな大層なことではないと思う。
むしろ、千尋に対してというより、千尋をベッドに連れて行こうとして、全然出来ずにいた遥希に対する親切と言ったほうがいいような気もするし。
「ふぅん? あのくらいのことは、大和くんの中じゃ、全然大したことじゃないってこと?」
「…普通そうじゃない?」
「何の見返りも求めず、ただ無償の愛を与える…………それが大和くん?」
「大げさすぎるよ」
酔い潰れた千尋をベッドまで運ぶくらいで、一体何の見返りを求めるというのか。
南條の話によれば、千尋は相当酒癖が悪く、南條も、もう2度と千尋の介抱などするものか、と思うくらいの目に幾度となく遭っているらしいから、千尋は昨日の自分がそんな振る舞いをしたと思っているのだろうか。
「昨日のちーちゃんは、ただ寝てただけで、何も変なことしてないよ? 俺も、ちーちゃんのことベッドに運んだだけで、そんな大それたことなんてしてないから」
「そうなの? 何だ…」
あからさまにホッとした顔をする千尋は、やはり自分の醜態を大和に晒したのではないかと心配していたらしい。
突拍子もなくて、勝手気ままではあるけれど、そういうところはちゃんと気にする性格のようだ。
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