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恋の女神は微笑まない (43)
2014.06.17 Tue
ばれないよう気を付けたのに、あっさり見つかったのと、相手がなぜか自分のことを知っている様子なのの両方にビックリして、千尋はとんでもない声を上げて、あたふたとベッドルームに逃げ込んだ。
『ちょっ、ちーちゃんっ!?』
ベッドルームのドアを閉めて、そこに寄り掛かって、呼吸を整える。
ドアの向こうから、相手の声が聞こえる。
『ちーちゃん』なんて、随分親しそうに呼んで来るけれど、そんなふうに千尋のことを呼ぶのは遥希と大和くらいで………………大和!?
聞き覚えのある声と、言われてみれば見覚えのある後ろ姿と、ベッドルームに逃げ込む直前にチラッと見えたその顔は、そういえば大和のような気がする。
混乱しながら、そぉーっとドアを少しだけ開けると、そこにはまさしく一ノ瀬大和その人がいた。
「えっと…………何してんの? ちーちゃん」
ドアの隙間から少しだけ顔を覗かせて、外の様子を窺うと、大和がポカンとした表情で立っていた。
確かに今の千尋の行動は、『何してんの?』と言われて仕方がないけれど、そのセリフだったら、千尋だって言いたい。大和こそ、こんなところで一体何をしているのだ。
「…大和くんこそ、何してんの? ケーサツ呼んでいい?」
「ちょっ! 待ってください…」
たとえ相手が国民的アイドルだろうと、お試しの恋人だろうと、不法侵入は不法侵入だ。
驚かせやがって。警察に突き出してやるっ!
「ちーちゃん、あの…」
「あと5秒」
「え?」
「待つ」
「ッ…、あの、あのねっ、昨日っ」
「ブー時間切れー」
「まだ5秒経ってないっ!」
千尋が本気なのか冗談なのかさっぱり分からず、大和は慌てふためく。
とりあえず説明だけでもさせてください。
「昨日ちーちゃん、俺に電話くれたでしょ?」
「えっ……………………あー……うんうんうん」
「…もしかして覚えてない?」
「えっと…………え? あれ? 俺が大和くん呼んだんだっけ…?」
とにかく説明だけでも…! と、ドアを開けてもらって、大和が昨晩の話を始めた途端、千尋はハッとした表情になり、そのまま固まった。
実際は、千尋が大和を呼び付けたわけではないので、その部分の記憶はなくて当然なのだが、今の千尋の様子からして、大和に電話をしたこと自体、覚えていないようだ。
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『ちょっ、ちーちゃんっ!?』
ベッドルームのドアを閉めて、そこに寄り掛かって、呼吸を整える。
ドアの向こうから、相手の声が聞こえる。
『ちーちゃん』なんて、随分親しそうに呼んで来るけれど、そんなふうに千尋のことを呼ぶのは遥希と大和くらいで………………大和!?
聞き覚えのある声と、言われてみれば見覚えのある後ろ姿と、ベッドルームに逃げ込む直前にチラッと見えたその顔は、そういえば大和のような気がする。
混乱しながら、そぉーっとドアを少しだけ開けると、そこにはまさしく一ノ瀬大和その人がいた。
「えっと…………何してんの? ちーちゃん」
ドアの隙間から少しだけ顔を覗かせて、外の様子を窺うと、大和がポカンとした表情で立っていた。
確かに今の千尋の行動は、『何してんの?』と言われて仕方がないけれど、そのセリフだったら、千尋だって言いたい。大和こそ、こんなところで一体何をしているのだ。
「…大和くんこそ、何してんの? ケーサツ呼んでいい?」
「ちょっ! 待ってください…」
たとえ相手が国民的アイドルだろうと、お試しの恋人だろうと、不法侵入は不法侵入だ。
驚かせやがって。警察に突き出してやるっ!
「ちーちゃん、あの…」
「あと5秒」
「え?」
「待つ」
「ッ…、あの、あのねっ、昨日っ」
「ブー時間切れー」
「まだ5秒経ってないっ!」
千尋が本気なのか冗談なのかさっぱり分からず、大和は慌てふためく。
とりあえず説明だけでもさせてください。
「昨日ちーちゃん、俺に電話くれたでしょ?」
「えっ……………………あー……うんうんうん」
「…もしかして覚えてない?」
「えっと…………え? あれ? 俺が大和くん呼んだんだっけ…?」
とにかく説明だけでも…! と、ドアを開けてもらって、大和が昨晩の話を始めた途端、千尋はハッとした表情になり、そのまま固まった。
実際は、千尋が大和を呼び付けたわけではないので、その部分の記憶はなくて当然なのだが、今の千尋の様子からして、大和に電話をしたこと自体、覚えていないようだ。
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