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恋の女神は微笑まない (41)
2014.06.15 Sun
「ちーちゃん酔い潰れちゃったし、今日俺、ちーちゃんちに泊まってく」
『えっ、マジで!?』
「うん。だって心配だもん」
例えば2人して外で飲んで、そのままバイバイしたなら、家に帰ってからの千尋のことをそこまで心配はしないけれど、今まさに目の前で酔って潰れたのを放って帰るのは、ちょっと気が引ける。
千尋は、セーブしながら飲んで、あんまり酔っ払わないときもあるけれど、時々すごくベロベロになるから、余計に心配だ。
「ゴメンね、琉…。俺、まさか今日、琉に会えるとか、声が聞けるとかも思ってなくて…」
『んーん、いいよ。ハルちゃんが悪いわけじゃないし。悪いのは千尋…………いや、大和だしさ』
『ちょっ、何で俺が悪いんだよっ! つかお前、いつまで喋って…』
遥希のそばに千尋がいるように、琉のそばには大和がいるから、近くで喋っている声が電話に入ってくる。
せっかく琉が誘ってくれたのに、遥希がそれに応えてあげられないのは、多分誰のせいでもないけれど。
『あ、そうだ! 俺、いいこと思い付いちゃった』
「え?」
喚いている大和を無視して、琉が勝手に話を進めている。
そういえば、これが千尋のスマホであるように、琉が使っているのも、大和のスマホだった…。
『ね、いいでしょ? ハルちゃん』
「え? あ、うん」
『じゃあ、決まり。すぐ行くね』
遥希がちょっとボーっとしているうちに、琉の言う名案には大和も賛成していたようで、しかも遥希が思わずしていた返事は、遥希の同意を告げるものになっていたらしい。
何だかよく分からないけれど、これから琉がここに来るのは間違いなさそうだ。
『じゃあね、ハルちゃん。愛してるよ』
「えっ」
サラッと琉に『愛してる』なんて言われて、驚いて何も返せずにいるうちに、電話は切れてしまった。
琉と恋人になってしばらく経つのに、相変わらずこういうことには慣れない。こんなとき、『俺もだよ』て返したほうがいいんだろうし、遥希もそうしたいと思ってはいるのだが、なかなかうまくはいかない。
「ちーちゃんは、そういうの、うまく出来そうだよね…」
千尋もあんまりそういうことを口にするタイプではないけれど、相手が言ってほしいときに、言ってほしいセリフを言うことが出来る、器用な人だから。
千尋は、大和のことを付き合いたいと思えるように努力する、なんて遥希じゃ思い付かないようなことを言っていて、確かにそれはちょっと突拍子もないことだけれど、そんなふうに、相手のことを思って努力するのは、大切なことだと思う。
だから遥希も、琉のために、琉が喜んでくれるようなことが出来るように、努力しなくちゃ。
「とりあえず、琉が来る前に、ちーちゃん、おふとんに連れて行かなきゃ」
千尋は、一見した感じと違って、筋肉たっぷりだから、酔い潰れて意識がないのを連れて行くのは大変だけど、琉の手を煩わせるのも嫌だから、ここはがんばろう。
頼めば、琉だってやってくれるだろうけど、どうも琉は千尋のことが苦手なようだし。
「ちーちゃん、おふとん行こー?」
遥希は、未開封のお酒の缶を握り締めたまま眠っている千尋の肩を揺すった。
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『えっ、マジで!?』
「うん。だって心配だもん」
例えば2人して外で飲んで、そのままバイバイしたなら、家に帰ってからの千尋のことをそこまで心配はしないけれど、今まさに目の前で酔って潰れたのを放って帰るのは、ちょっと気が引ける。
千尋は、セーブしながら飲んで、あんまり酔っ払わないときもあるけれど、時々すごくベロベロになるから、余計に心配だ。
「ゴメンね、琉…。俺、まさか今日、琉に会えるとか、声が聞けるとかも思ってなくて…」
『んーん、いいよ。ハルちゃんが悪いわけじゃないし。悪いのは千尋…………いや、大和だしさ』
『ちょっ、何で俺が悪いんだよっ! つかお前、いつまで喋って…』
遥希のそばに千尋がいるように、琉のそばには大和がいるから、近くで喋っている声が電話に入ってくる。
せっかく琉が誘ってくれたのに、遥希がそれに応えてあげられないのは、多分誰のせいでもないけれど。
『あ、そうだ! 俺、いいこと思い付いちゃった』
「え?」
喚いている大和を無視して、琉が勝手に話を進めている。
そういえば、これが千尋のスマホであるように、琉が使っているのも、大和のスマホだった…。
『ね、いいでしょ? ハルちゃん』
「え? あ、うん」
『じゃあ、決まり。すぐ行くね』
遥希がちょっとボーっとしているうちに、琉の言う名案には大和も賛成していたようで、しかも遥希が思わずしていた返事は、遥希の同意を告げるものになっていたらしい。
何だかよく分からないけれど、これから琉がここに来るのは間違いなさそうだ。
『じゃあね、ハルちゃん。愛してるよ』
「えっ」
サラッと琉に『愛してる』なんて言われて、驚いて何も返せずにいるうちに、電話は切れてしまった。
琉と恋人になってしばらく経つのに、相変わらずこういうことには慣れない。こんなとき、『俺もだよ』て返したほうがいいんだろうし、遥希もそうしたいと思ってはいるのだが、なかなかうまくはいかない。
「ちーちゃんは、そういうの、うまく出来そうだよね…」
千尋もあんまりそういうことを口にするタイプではないけれど、相手が言ってほしいときに、言ってほしいセリフを言うことが出来る、器用な人だから。
千尋は、大和のことを付き合いたいと思えるように努力する、なんて遥希じゃ思い付かないようなことを言っていて、確かにそれはちょっと突拍子もないことだけれど、そんなふうに、相手のことを思って努力するのは、大切なことだと思う。
だから遥希も、琉のために、琉が喜んでくれるようなことが出来るように、努力しなくちゃ。
「とりあえず、琉が来る前に、ちーちゃん、おふとんに連れて行かなきゃ」
千尋は、一見した感じと違って、筋肉たっぷりだから、酔い潰れて意識がないのを連れて行くのは大変だけど、琉の手を煩わせるのも嫌だから、ここはがんばろう。
頼めば、琉だってやってくれるだろうけど、どうも琉は千尋のことが苦手なようだし。
「ちーちゃん、おふとん行こー?」
遥希は、未開封のお酒の缶を握り締めたまま眠っている千尋の肩を揺すった。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
琉くんの翌日のお仕事が午後からなら、
大和くんも同じく…!?
ぐーぐー寝ちゃっているちーちゃんのことは、
ハルちゃんがお世話しなくてもいいかもよ…
ちーちゃんのお目覚めが楽しみ~
あれ!? déjà-vu!?
大和くんも同じく…!?
ぐーぐー寝ちゃっているちーちゃんのことは、
ハルちゃんがお世話しなくてもいいかもよ…
ちーちゃんのお目覚めが楽しみ~
あれ!? déjà-vu!?
- |2014.06.15
- |Sun
- |10:04
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ハルちゃんがボーっとしている間に、何やらFATEのお2人の間では計画が進んでいるようで…。
でも今のハルちゃんには、潰れちゃったちーちゃんを何とかしなきゃ! て気持ちでいっぱいのようです(笑)
大抵はハルちゃんのほうが先に酔っ払っちゃうのですが、本気で酔っ払ったときは、ちーちゃんのほうがタチ悪いですよね。。。
目が覚めたときに、あわわわわ、て思いをしている回数、絶対にちーちゃんのほうが多そうです。
そして今回も…………déjà-vu!?
コメントありがとうございました!
余談ですが、私のPCは「déjà-vu」を日本語読みからは変換してくれませんでした…涙
でも今のハルちゃんには、潰れちゃったちーちゃんを何とかしなきゃ! て気持ちでいっぱいのようです(笑)
大抵はハルちゃんのほうが先に酔っ払っちゃうのですが、本気で酔っ払ったときは、ちーちゃんのほうがタチ悪いですよね。。。
目が覚めたときに、あわわわわ、て思いをしている回数、絶対にちーちゃんのほうが多そうです。
そして今回も…………déjà-vu!?
コメントありがとうございました!
余談ですが、私のPCは「déjà-vu」を日本語読みからは変換してくれませんでした…涙
- |2014.06.15
- |Sun
- |22:35
- |URL
- |EDIT|