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恋の女神は微笑まない (27)
2014.06.01 Sun
「そう、お試しで。俺のこと知るにもそうだけど、友だちでいたいのと、恋人として付き合いたいのだって、雑誌とかネットじゃ分かんないでしょ? だったら、試しに付き合ってみるのが手っ取り早くない?」
もしかしたらこのままうまくいくかもしれないと思い、大和は、千尋にあまり考える隙を与えずに話を進める。
あと一押し。
「ちーちゃん、どうする?」
「んー……………………分かった。お試しで大和くんと付き合う」
大和が畳み掛けたら、千尋はしばらく考えた末、ついに大和と付き合うという結論を出した。
喜びと驚きのあまり、「ホントに!?」と大和は心の声を口にして、千尋のほうを向いてしまったけれど、ようやくものにしたチャンスを事故って逃したくはないので、すぐに前を向いた。
「でも俺がこんだけがんばるんだから、大和くんだって、ちゃんとがんばってよね?」
「ぅん?」
「俺のこと、嫌いになるように努力するの!」
「えー?」
そ、それは、やっぱり、がんばらないといけないの…?
今までのやり取りの中で、そのことは忘れていると思っていたのに、どうやら千尋は、お互いが努力しないとフェアじゃない、ということが、しっかり頭に入っているようだ。
「でもさ、俺ら、付き合うんだよ? お試しだけど。その相手のことを嫌いになるようにがんばってたら、うまく付き合えないと思わない? ちーちゃん、俺のいいトコとか知ろうとしてるんでしょ? 俺がちーちゃんのこと嫌いになるようにがんばってたら、ちーちゃん、俺の嫌なトコしか見えなくなっちゃうんじゃない?」
「…………、そっか…。じゃあ大和くんは、あんまりがんばれないね」
大和としては、いつかはお試しでなく、本当にお付き合いしたいと思っているので、最初に千尋が言った大和の努力は、出来ればなかったことにしてもらいたいのだ。
だから、慌てて言い募れば、千尋はすぐに納得してしまった。
頭が切れるのか、抜けているのか、天然なのか、抜け目ないのか、本当に千尋という男は計り知れない。
「じゃあちーちゃん、今からよろしくね」
「え、今から!? 今からもうお付き合いするの? 俺たち?」
「ダメ? 今からじゃないなら、いつからがいいの?」
もし本当に想いを通じ合せて付き合うのだとしたら、それは、一方が告白して、もう一方がそれを受け入れたときから始まるんだろうけど、大和と千尋の場合は、そんなふうにはいかない。
恋人としてお付き合いするのに、さぁ今から始めましょう、というのもおかしな話だが、2人にはそれが必要なのだ。
「いや、今からでもいいけどさぁ…」
「何かあんの?」
「俺、今めっちゃ腹減ってんだよね」
「………………、…は?」
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もしかしたらこのままうまくいくかもしれないと思い、大和は、千尋にあまり考える隙を与えずに話を進める。
あと一押し。
「ちーちゃん、どうする?」
「んー……………………分かった。お試しで大和くんと付き合う」
大和が畳み掛けたら、千尋はしばらく考えた末、ついに大和と付き合うという結論を出した。
喜びと驚きのあまり、「ホントに!?」と大和は心の声を口にして、千尋のほうを向いてしまったけれど、ようやくものにしたチャンスを事故って逃したくはないので、すぐに前を向いた。
「でも俺がこんだけがんばるんだから、大和くんだって、ちゃんとがんばってよね?」
「ぅん?」
「俺のこと、嫌いになるように努力するの!」
「えー?」
そ、それは、やっぱり、がんばらないといけないの…?
今までのやり取りの中で、そのことは忘れていると思っていたのに、どうやら千尋は、お互いが努力しないとフェアじゃない、ということが、しっかり頭に入っているようだ。
「でもさ、俺ら、付き合うんだよ? お試しだけど。その相手のことを嫌いになるようにがんばってたら、うまく付き合えないと思わない? ちーちゃん、俺のいいトコとか知ろうとしてるんでしょ? 俺がちーちゃんのこと嫌いになるようにがんばってたら、ちーちゃん、俺の嫌なトコしか見えなくなっちゃうんじゃない?」
「…………、そっか…。じゃあ大和くんは、あんまりがんばれないね」
大和としては、いつかはお試しでなく、本当にお付き合いしたいと思っているので、最初に千尋が言った大和の努力は、出来ればなかったことにしてもらいたいのだ。
だから、慌てて言い募れば、千尋はすぐに納得してしまった。
頭が切れるのか、抜けているのか、天然なのか、抜け目ないのか、本当に千尋という男は計り知れない。
「じゃあちーちゃん、今からよろしくね」
「え、今から!? 今からもうお付き合いするの? 俺たち?」
「ダメ? 今からじゃないなら、いつからがいいの?」
もし本当に想いを通じ合せて付き合うのだとしたら、それは、一方が告白して、もう一方がそれを受け入れたときから始まるんだろうけど、大和と千尋の場合は、そんなふうにはいかない。
恋人としてお付き合いするのに、さぁ今から始めましょう、というのもおかしな話だが、2人にはそれが必要なのだ。
「いや、今からでもいいけどさぁ…」
「何かあんの?」
「俺、今めっちゃ腹減ってんだよね」
「………………、…は?」
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