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恋の女神は微笑まない (25)
2014.05.30 Fri
「ちなみにちーちゃん、俺と付き合いたいと思えるようにがんばるって…………どんなことするつもり?」
「えー?」
「だってさ、例えば嫌いになるための努力だったらさ、ちーちゃんの嫌なところをいっぱい知るとか、何かあるじゃん? でも、付き合いたいって思えるように…て、どうがんばんの?」
「そうだなぁ…」
大和の質問に、千尋は唇をキュウと結んで、真剣に考え込んでしまった。
努力とかそんなこと、単に大和のことを躱したいがための、口先だけのことだと思っていたのだが、もしかして本当に本気なのだろうか。
「大和くんのいいところとか、カッコいいところとか、好きなところをいっぱい思い浮かべる」
「え……。いや、別にその方法でもいいんだけど…」
「ぅん?」
「俺のこと、そんなに知ってんの? そんなにいろいろ思い浮かべてくれるほど」
「………………」
大和の好きなところとか、たくさん思い浮かべてくれるなんて、それはすごく嬉しいけれど、今はまだそこまで好きじゃない人のこと、そもそも、そんなに知っているのだろうか。
しかも、それをいっぱい思い浮かべるなんて、本当に出来るの?
そこまでするくらいなら、いっそ、付き合っちゃったほうがいいんじゃないかとも思うけれど…。
「いや…、まぁ、あの、まぁまぁまぁ、いろいろ知ってますよ、いろいろとね」
すごく分かりやすく言葉を詰まらせた後、千尋は取って付けたように言う。
自分が思い付いた方法がむちゃくちゃだということに、少しは気付いたようだ。
「ホントに? じゃあ、例えばどんなこと思い浮かべてくれんの?」
「どんな、て…」
赤信号で停まったのをいいことに、大和がその顔を覗き込んで尋ねれば、千尋は気まずそうに視線をキョロキョロと彷徨わせた。
「えー……っと、…………あ、イケメン」
「顔!?」
まぁ、アイドルなんてことを職業にしてますから、そりゃ人より多少は顔の造作もいいだろうけど…………千尋がたくさん思い浮かべようとしてくれている大和のいいところて、顔だけ!?
「いやいやいや、それだけじゃないよ、大和くんのいいトコ。あ、青!」
全然うまくない感じでごまかして、千尋は前の青信号を指差した。
やっぱり、まったく思い付いていないとしか思えない。
千尋の言い分としては、これから千尋は、大和のいいところとか好きなところをたくさん思い浮かべるはずなのに、これじゃあ全然出来そうもない。
「じゃあ他にも言ってよ、ちーちゃん」
「いや、そういうのはさ、やっぱ本人に言うもんじゃないよ。俺が1人でこっそり思い浮かべてこそだと思う」
「何で! ………………。 ちーちゃん、ホントは全然思い付かないんでしょ? 俺のいいトコとか思い浮かべて、付き合いたいて思えるようにがんばるとか言ったけど、どうせ今日これでバイバイしたら会わなくなるし、俺のことなんかそのまま忘れちゃうんでしょ?」
「そっ…そんなことねぇし!」
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「えー?」
「だってさ、例えば嫌いになるための努力だったらさ、ちーちゃんの嫌なところをいっぱい知るとか、何かあるじゃん? でも、付き合いたいって思えるように…て、どうがんばんの?」
「そうだなぁ…」
大和の質問に、千尋は唇をキュウと結んで、真剣に考え込んでしまった。
努力とかそんなこと、単に大和のことを躱したいがための、口先だけのことだと思っていたのだが、もしかして本当に本気なのだろうか。
「大和くんのいいところとか、カッコいいところとか、好きなところをいっぱい思い浮かべる」
「え……。いや、別にその方法でもいいんだけど…」
「ぅん?」
「俺のこと、そんなに知ってんの? そんなにいろいろ思い浮かべてくれるほど」
「………………」
大和の好きなところとか、たくさん思い浮かべてくれるなんて、それはすごく嬉しいけれど、今はまだそこまで好きじゃない人のこと、そもそも、そんなに知っているのだろうか。
しかも、それをいっぱい思い浮かべるなんて、本当に出来るの?
そこまでするくらいなら、いっそ、付き合っちゃったほうがいいんじゃないかとも思うけれど…。
「いや…、まぁ、あの、まぁまぁまぁ、いろいろ知ってますよ、いろいろとね」
すごく分かりやすく言葉を詰まらせた後、千尋は取って付けたように言う。
自分が思い付いた方法がむちゃくちゃだということに、少しは気付いたようだ。
「ホントに? じゃあ、例えばどんなこと思い浮かべてくれんの?」
「どんな、て…」
赤信号で停まったのをいいことに、大和がその顔を覗き込んで尋ねれば、千尋は気まずそうに視線をキョロキョロと彷徨わせた。
「えー……っと、…………あ、イケメン」
「顔!?」
まぁ、アイドルなんてことを職業にしてますから、そりゃ人より多少は顔の造作もいいだろうけど…………千尋がたくさん思い浮かべようとしてくれている大和のいいところて、顔だけ!?
「いやいやいや、それだけじゃないよ、大和くんのいいトコ。あ、青!」
全然うまくない感じでごまかして、千尋は前の青信号を指差した。
やっぱり、まったく思い付いていないとしか思えない。
千尋の言い分としては、これから千尋は、大和のいいところとか好きなところをたくさん思い浮かべるはずなのに、これじゃあ全然出来そうもない。
「じゃあ他にも言ってよ、ちーちゃん」
「いや、そういうのはさ、やっぱ本人に言うもんじゃないよ。俺が1人でこっそり思い浮かべてこそだと思う」
「何で! ………………。 ちーちゃん、ホントは全然思い付かないんでしょ? 俺のいいトコとか思い浮かべて、付き合いたいて思えるようにがんばるとか言ったけど、どうせ今日これでバイバイしたら会わなくなるし、俺のことなんかそのまま忘れちゃうんでしょ?」
「そっ…そんなことねぇし!」
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