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恋の女神は微笑まない (19)
2014.05.24 Sat
…けれど、大和の気持ちがちゃんと伝わっていない、というのだって、単なる大和の妄想でしかない。いや、遥希や琉もそう思っているみたいだが、それも想像の範囲だ。
もしかしたら、大和の告白のこと、本当はちゃんと覚えていて、それを踏まえたうえでの『付き合うほどじゃない』なのかもしれないじゃないか。
「あーもうっ!」
まだ2回しか会ったことはないのに、一体いつの間に、こんなに好きになっていたのかと思う。
一目惚れ? 笑える。
女の子相手なら、遊びから本気まで、色々な恋はして来たけれど、良くも悪くも、こんなに心を心を揺さぶられたことなんかない。今まで付き合ってきた彼女、ゴメン。
顔とか忘れ掛けている昔の彼女に謝罪を入れたところで、ようやく目的地付近に到着して、大和は近くの駐車場に車を停めた。周囲を見回しても、千尋らしき姿は見当たらない。
千尋との電話を切ってから、何だかんだで1時間は経過している。合コンはすでに始まっているに違いない。
(…………合コンっ………!)
その単語を思い出すたび、大和はどうしようもなく打ちのめされる。
大和は大きく息をついて気持ちを落ち着けると、サングラスを掴んで車を降りた。焦っていても、サングラスを忘れないところがアイドルというか、習慣化されているというか。
そんな自身を嗤笑しつつ、大和は目的の店に向かった。
洋風の居酒屋というより、もう少しバーに近い雰囲気。でも堅苦しさはなく、適度に静かで、適度に賑やか。大和が店内に足を踏み入れると、若い男性店員がそばにやって来た。
「いらっしゃいませ。…お一人ですか?」
「あー……先に来てるんですけど…」
「ご予約のお名前は?」
「えっと…」
席まで案内してくれようとする店員に適当に返事をしつつ、大和は店内を見回して千尋の姿を探す――――いた!
「あっ…、いましたっ、いましたんで」
「はぁ…?」
6人? 8人? 男だけの集団が1つのテーブルを囲んでいる。
一見するとただの飲み会だが、千尋がゲイであることと、彼が今日合コンに参加することを知っている身としては、もちろん単にそういうふうには見えない。
その中に、千尋はいた。
大和はキョトンとしている店員の脇をすり抜けて、そのテーブルへと向かう。
心臓の音がうるさい。
「――――ちーちゃん、」
「ぅ?」
幸いにも一番通路に近い席にいた千尋は、大和が声を掛けると、すぐに気が付いてくれた。
もちろん千尋だけでなく、その場にいたみんなが大和のほうを向いたのだが、大和はサングラスを掛けていたし、まさかこんなところに国民的アイドルが現れるなんて思ってもいないからか、特に騒ぎにはならなかったものの、しかし訝しげに大和を見ている。
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もしかしたら、大和の告白のこと、本当はちゃんと覚えていて、それを踏まえたうえでの『付き合うほどじゃない』なのかもしれないじゃないか。
「あーもうっ!」
まだ2回しか会ったことはないのに、一体いつの間に、こんなに好きになっていたのかと思う。
一目惚れ? 笑える。
女の子相手なら、遊びから本気まで、色々な恋はして来たけれど、良くも悪くも、こんなに心を心を揺さぶられたことなんかない。今まで付き合ってきた彼女、ゴメン。
顔とか忘れ掛けている昔の彼女に謝罪を入れたところで、ようやく目的地付近に到着して、大和は近くの駐車場に車を停めた。周囲を見回しても、千尋らしき姿は見当たらない。
千尋との電話を切ってから、何だかんだで1時間は経過している。合コンはすでに始まっているに違いない。
(…………合コンっ………!)
その単語を思い出すたび、大和はどうしようもなく打ちのめされる。
大和は大きく息をついて気持ちを落ち着けると、サングラスを掴んで車を降りた。焦っていても、サングラスを忘れないところがアイドルというか、習慣化されているというか。
そんな自身を嗤笑しつつ、大和は目的の店に向かった。
洋風の居酒屋というより、もう少しバーに近い雰囲気。でも堅苦しさはなく、適度に静かで、適度に賑やか。大和が店内に足を踏み入れると、若い男性店員がそばにやって来た。
「いらっしゃいませ。…お一人ですか?」
「あー……先に来てるんですけど…」
「ご予約のお名前は?」
「えっと…」
席まで案内してくれようとする店員に適当に返事をしつつ、大和は店内を見回して千尋の姿を探す――――いた!
「あっ…、いましたっ、いましたんで」
「はぁ…?」
6人? 8人? 男だけの集団が1つのテーブルを囲んでいる。
一見するとただの飲み会だが、千尋がゲイであることと、彼が今日合コンに参加することを知っている身としては、もちろん単にそういうふうには見えない。
その中に、千尋はいた。
大和はキョトンとしている店員の脇をすり抜けて、そのテーブルへと向かう。
心臓の音がうるさい。
「――――ちーちゃん、」
「ぅ?」
幸いにも一番通路に近い席にいた千尋は、大和が声を掛けると、すぐに気が付いてくれた。
もちろん千尋だけでなく、その場にいたみんなが大和のほうを向いたのだが、大和はサングラスを掛けていたし、まさかこんなところに国民的アイドルが現れるなんて思ってもいないからか、特に騒ぎにはならなかったものの、しかし訝しげに大和を見ている。
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