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21. 虹色の空のなかに、泣きたくなるほどの希望を見た気がして、 (前編)
2008.08.12 Tue
だって俺のこの気持ち、伝えたって、叶わないでしょう?
*****
「おはよう、貴久」
会社に行けば、早速ニヤニヤした顔の啓ちゃんが近付いてきた。
嫌な顔。
「…………何?」
「何だよ、その反応。で、どうだった? 昨日は」
「……啓ちゃん、何かおっさん化してる……アダッ」
失礼な言い草には、即行でデコピンが飛んでくる。
「昨日はー……熱が出た」
「はぁ?」
痛む額をさすりながら答えれば、啓ちゃんはグッと眉を顰める。
そんな顔されたって、ホントだもん。
「風邪か?」
露骨に嫌な顔をして俺から少し距離を取る啓ちゃんに、「知恵熱」って答える。
「知恵熱~? 頭使い過ぎたってこと?」
「そぉ」
「まぁそりゃ悩むだろうけど……熱まで出すか?」
「知らん」
だってですよ?
もし俺のこの気持ちが、哲也に対する気持ちが度の過ぎた友情じゃなくて、愛情なんだとして。
哲也は『ノン気には手ぇ出さない』って言ってたし。
つまりは、どの道、報われない想いってことだ。
あーでも、哲也のこと好きだって思ってるってことは、もうノン気とは違うのかな?
でも他の男、例えば啓ちゃんとかに、そういう感情は湧かないのよ。
「う゛ー……」
「おい、こんなとこでまた熱出すなよ?」
「………………はい」
ダメだ、またショートしそう…。
「なぁ、じゃあさ、今日やろっか?」
「何を?」
「テツの復職祝い会」
「、ッ…なんっ……テッ…」
またペチンて額を叩かれて、「動揺しすぎ」って言われる。
もう、朝っぱらからこんなにド突かれて、これ以上アホになったらどうすんの?
「いいじゃん。どうせまた家で2人きりになれば、気まずいんだろ?」
「気まずいわけじゃ…」
「ホントか? でもテツは」
「え?」
「…………何でもない」
啓ちゃんが、言ってから、思わず「しまった!」みたいな顔で視線を逸らすから、俺は無理やりその視界に割り込む。
「啓ちゃん」
「何でもないって」
「哲也が気まずいて言ってたの?」
俺と一緒にいるのを? 俺んちにいるのを? それとも、昨日のこと?
「違うって。だからー」
「何?」
「お前が何か気まずそうにしてるって…」
「哲也がそう言ってたの?」
「…………まぁ……」
俺、そんな雰囲気醸し出してたか?
自分で気付いてないだけで、昨日とかもそんなだったとか?
「自分で気付いてないのか?」
確かに、今までと同じような感じではいれないって思って…………でも気まずいとか、そんなんじゃないけど……。
「いいじゃん、な? 今晩、一緒にメシしようぜ? 俺からテツに連絡するし」
「……うん」
「だって、そう転ぶにしたって、このままじゃいられないだろ?」
啓ちゃんは俺の肩をポンと叩くと、そう言い残して自分の席へと戻っていった。
*****
「おはよう、貴久」
会社に行けば、早速ニヤニヤした顔の啓ちゃんが近付いてきた。
嫌な顔。
「…………何?」
「何だよ、その反応。で、どうだった? 昨日は」
「……啓ちゃん、何かおっさん化してる……アダッ」
失礼な言い草には、即行でデコピンが飛んでくる。
「昨日はー……熱が出た」
「はぁ?」
痛む額をさすりながら答えれば、啓ちゃんはグッと眉を顰める。
そんな顔されたって、ホントだもん。
「風邪か?」
露骨に嫌な顔をして俺から少し距離を取る啓ちゃんに、「知恵熱」って答える。
「知恵熱~? 頭使い過ぎたってこと?」
「そぉ」
「まぁそりゃ悩むだろうけど……熱まで出すか?」
「知らん」
だってですよ?
もし俺のこの気持ちが、哲也に対する気持ちが度の過ぎた友情じゃなくて、愛情なんだとして。
哲也は『ノン気には手ぇ出さない』って言ってたし。
つまりは、どの道、報われない想いってことだ。
あーでも、哲也のこと好きだって思ってるってことは、もうノン気とは違うのかな?
でも他の男、例えば啓ちゃんとかに、そういう感情は湧かないのよ。
「う゛ー……」
「おい、こんなとこでまた熱出すなよ?」
「………………はい」
ダメだ、またショートしそう…。
「なぁ、じゃあさ、今日やろっか?」
「何を?」
「テツの復職祝い会」
「、ッ…なんっ……テッ…」
またペチンて額を叩かれて、「動揺しすぎ」って言われる。
もう、朝っぱらからこんなにド突かれて、これ以上アホになったらどうすんの?
「いいじゃん。どうせまた家で2人きりになれば、気まずいんだろ?」
「気まずいわけじゃ…」
「ホントか? でもテツは」
「え?」
「…………何でもない」
啓ちゃんが、言ってから、思わず「しまった!」みたいな顔で視線を逸らすから、俺は無理やりその視界に割り込む。
「啓ちゃん」
「何でもないって」
「哲也が気まずいて言ってたの?」
俺と一緒にいるのを? 俺んちにいるのを? それとも、昨日のこと?
「違うって。だからー」
「何?」
「お前が何か気まずそうにしてるって…」
「哲也がそう言ってたの?」
「…………まぁ……」
俺、そんな雰囲気醸し出してたか?
自分で気付いてないだけで、昨日とかもそんなだったとか?
「自分で気付いてないのか?」
確かに、今までと同じような感じではいれないって思って…………でも気まずいとか、そんなんじゃないけど……。
「いいじゃん、な? 今晩、一緒にメシしようぜ? 俺からテツに連絡するし」
「……うん」
「だって、そう転ぶにしたって、このままじゃいられないだろ?」
啓ちゃんは俺の肩をポンと叩くと、そう言い残して自分の席へと戻っていった。
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