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ビターチョコレートに込めた甘い愛 (67)
2014.04.05 Sat
「あ、あ、あの、あの、」
「直央くん、俺のためにチョコ作ってくれたんじゃないの?」
「えっと…」
決定的な証拠を突き付けられて、俺は完全に言葉を失った。
元はと言えば、俺がバレンタインのこと隠してたせいで、徳永さんに嫌な思いさせちゃって、チョコなんて上げる雰囲気じゃなくなっちゃったのが原因だけど…。
でも、こんなふうに徳永さんにチョコが見つかることは想定してなかったから、今さらチョコを上げていいものなのかも分かんないし、そもそも何をどう言っていいかも分かんないよ…。
「ねぇ、俺、意味分かんない。直央くん、教えて? 俺、これに気付いちゃいけなかった? ホントは俺にくれるためのものじゃないの? カードも俺宛てになってたけど、ホントは違うの?」
「………………」
「…言えないの?」
徳永さんがベッドに腰を下ろして、俺の顔を覗き込んできた。
そんなジッと見られると居た堪れないけど、何か言わなきゃ誤解されちゃう、て思って、俺は大きく息を吸い込んで口を開いた。
「…徳永さんに、上げる、つもりだった」
「『つもりだった』てことは、もう上げるつもりじゃないてこと?」
もちろん、上げたっていいんだけど、でも俺の気持ち的には、もう上げるつもりはない。だって今さら上げらんないし、大体徳永さんだって、俺の作ったチョコなんて、欲しくないでしょ?
だから俺は、徳永さんの問い掛けに、コクンと頷いた。
「俺に上げないで、他の誰かに上げるつもりだったの? 蓮沼? だから冷蔵庫に隠してたの?」
そんなことは絶対ないから、今度はブンブンと首を横に振る。
何で蓮沼さんに上げないといけないの? まぁ、試食のは蓮沼さんに上げたけど、あれは練習のだし。
「じゃあ、どうするつもりだったの?」
「…自分で、食べるつもり、だった」
「えっ? ………………………………。え?」
たっぷり間を置いて、2回聞き返された。
俺、そこまで変なこと言った? 自分で作ったの、自分で食べる…て、別にそんなに変じゃないよね? あ、徳永さんに宛てたカードが付いてたから、徳永さんへのものだって分かったのか!
「あ、あのカードはね、あのね、字がさ、大きさが、」
「え?」
「大きさが…………変になった」
「字の?」
「うん」
俺が頷くと、徳永さんは再びメッセージカードを開いた。
何回見ても同じ。文字の大きさ、最後のほうが小っちゃくなっちゃってる…。
「カードの、字の大きさが変になったから、このチョコ、俺にくれないで、自分で食べちゃおうとしたの?」
「そういうわけじゃないけど…」
徳永さんに上げないことにしたのは、別にカードのせいじゃなくて、えっと…。
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「直央くん、俺のためにチョコ作ってくれたんじゃないの?」
「えっと…」
決定的な証拠を突き付けられて、俺は完全に言葉を失った。
元はと言えば、俺がバレンタインのこと隠してたせいで、徳永さんに嫌な思いさせちゃって、チョコなんて上げる雰囲気じゃなくなっちゃったのが原因だけど…。
でも、こんなふうに徳永さんにチョコが見つかることは想定してなかったから、今さらチョコを上げていいものなのかも分かんないし、そもそも何をどう言っていいかも分かんないよ…。
「ねぇ、俺、意味分かんない。直央くん、教えて? 俺、これに気付いちゃいけなかった? ホントは俺にくれるためのものじゃないの? カードも俺宛てになってたけど、ホントは違うの?」
「………………」
「…言えないの?」
徳永さんがベッドに腰を下ろして、俺の顔を覗き込んできた。
そんなジッと見られると居た堪れないけど、何か言わなきゃ誤解されちゃう、て思って、俺は大きく息を吸い込んで口を開いた。
「…徳永さんに、上げる、つもりだった」
「『つもりだった』てことは、もう上げるつもりじゃないてこと?」
もちろん、上げたっていいんだけど、でも俺の気持ち的には、もう上げるつもりはない。だって今さら上げらんないし、大体徳永さんだって、俺の作ったチョコなんて、欲しくないでしょ?
だから俺は、徳永さんの問い掛けに、コクンと頷いた。
「俺に上げないで、他の誰かに上げるつもりだったの? 蓮沼? だから冷蔵庫に隠してたの?」
そんなことは絶対ないから、今度はブンブンと首を横に振る。
何で蓮沼さんに上げないといけないの? まぁ、試食のは蓮沼さんに上げたけど、あれは練習のだし。
「じゃあ、どうするつもりだったの?」
「…自分で、食べるつもり、だった」
「えっ? ………………………………。え?」
たっぷり間を置いて、2回聞き返された。
俺、そこまで変なこと言った? 自分で作ったの、自分で食べる…て、別にそんなに変じゃないよね? あ、徳永さんに宛てたカードが付いてたから、徳永さんへのものだって分かったのか!
「あ、あのカードはね、あのね、字がさ、大きさが、」
「え?」
「大きさが…………変になった」
「字の?」
「うん」
俺が頷くと、徳永さんは再びメッセージカードを開いた。
何回見ても同じ。文字の大きさ、最後のほうが小っちゃくなっちゃってる…。
「カードの、字の大きさが変になったから、このチョコ、俺にくれないで、自分で食べちゃおうとしたの?」
「そういうわけじゃないけど…」
徳永さんに上げないことにしたのは、別にカードのせいじゃなくて、えっと…。
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