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もしかしたら君は天使かもしれない。 (81)
2013.11.21 Thu
時間が中途半端だったせいか、それほど待たないうちに、観覧車は亮と睦月の順番が回って来た。
亮は、繋いでいた睦月の手を離したくなかったけれど、2人の後ろに並んでいたカップルの女の子がジロジロと見てくるものだから、やむなく手を離してしまった。
そんな亮を、睦月は不思議そうに眺めてから、特に気にするふうもなく、亮の浴衣の袖を掴んだ。
そうだ。
どうせここで会ったカップルなんて赤の他人だし、多分もう2度と会うこともないだろうから、別に気にすることなどないのだ。睦月と付き合っていることは、何も恥ずかしいことじゃないんだし。
…でも、そう出来なかった自分。
(だから、ヘタレ…て思われんだよな…)
ゴンドラに乗り込みながら、亮はそう思って暗くなった。
「え?」
ふと隣に気配を感じてそちらを見れば、亮の隣に睦月がちょこんと座っていた。
観覧車に乗って、ドアが閉まるまでは、睦月は亮の向かい側の席に座っていたはずなのに。
「…んだよ、ダメなのかよ、こっち座っちゃ」
「ダメじゃない、ダメじゃないっ!」
ムッと眉間を寄せた睦月に、亮は慌てて釈明する。
嫌なんじゃなくて、ビックリしただけ。
「……亮」
「ん?」
「ゴメンなさい」
「……………………。えっ!?」
基本的に睦月は、『え?』とか、『は?』とかいう反応が嫌いだ。同じことをもう1回言うのが面倒くさいし、話聞いてんのか? て思うから。
それを知っているのに、亮は思わずそう聞き返してしまった。
だって、あまりに突然の謝罪だったから、意味が分からなかったのだ。
「………………」
「あ、ゴメン。いや、急に謝るから。どうしたの、むっちゃん」
案の定、ジト…と亮の顔を見つめる睦月と目が合ったので、素直に謝っておく。
これから観覧車を降りるまでの15分ほど、ずっと気まずい思いはしたくない。
「…別に」
「別に、て。別になら謝ることないじゃん。何、むっちゃん」
「いや、謝っといたほうがいいかな、て思って」
「だから何を」
今日、睦月が亮に謝らなければならないようなことなど、何もしていない…………こともない、というか、してばかりだったというか、まぁ謝って当然かもしれないけれど、一体どうした、突然。
「そもそも、亮を遊園地に連れて来たこと」
「えっ、そこから!?」
睦月も自分で『そもそも』なんて言ってくるくらいだが、亮としても、まさかそんなところから謝られるとは思ってもみなかったので、非常にビックリした。
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亮は、繋いでいた睦月の手を離したくなかったけれど、2人の後ろに並んでいたカップルの女の子がジロジロと見てくるものだから、やむなく手を離してしまった。
そんな亮を、睦月は不思議そうに眺めてから、特に気にするふうもなく、亮の浴衣の袖を掴んだ。
そうだ。
どうせここで会ったカップルなんて赤の他人だし、多分もう2度と会うこともないだろうから、別に気にすることなどないのだ。睦月と付き合っていることは、何も恥ずかしいことじゃないんだし。
…でも、そう出来なかった自分。
(だから、ヘタレ…て思われんだよな…)
ゴンドラに乗り込みながら、亮はそう思って暗くなった。
「え?」
ふと隣に気配を感じてそちらを見れば、亮の隣に睦月がちょこんと座っていた。
観覧車に乗って、ドアが閉まるまでは、睦月は亮の向かい側の席に座っていたはずなのに。
「…んだよ、ダメなのかよ、こっち座っちゃ」
「ダメじゃない、ダメじゃないっ!」
ムッと眉間を寄せた睦月に、亮は慌てて釈明する。
嫌なんじゃなくて、ビックリしただけ。
「……亮」
「ん?」
「ゴメンなさい」
「……………………。えっ!?」
基本的に睦月は、『え?』とか、『は?』とかいう反応が嫌いだ。同じことをもう1回言うのが面倒くさいし、話聞いてんのか? て思うから。
それを知っているのに、亮は思わずそう聞き返してしまった。
だって、あまりに突然の謝罪だったから、意味が分からなかったのだ。
「………………」
「あ、ゴメン。いや、急に謝るから。どうしたの、むっちゃん」
案の定、ジト…と亮の顔を見つめる睦月と目が合ったので、素直に謝っておく。
これから観覧車を降りるまでの15分ほど、ずっと気まずい思いはしたくない。
「…別に」
「別に、て。別になら謝ることないじゃん。何、むっちゃん」
「いや、謝っといたほうがいいかな、て思って」
「だから何を」
今日、睦月が亮に謝らなければならないようなことなど、何もしていない…………こともない、というか、してばかりだったというか、まぁ謝って当然かもしれないけれど、一体どうした、突然。
「そもそも、亮を遊園地に連れて来たこと」
「えっ、そこから!?」
睦月も自分で『そもそも』なんて言ってくるくらいだが、亮としても、まさかそんなところから謝られるとは思ってもみなかったので、非常にビックリした。
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