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もしかしたら君は天使かもしれない。 (50)
2013.10.21 Mon
「ゴメンね…」
「別にいいけど」
分かりやすくシュンとする和衣に、亮は苦笑する。
睦月への土産を忘れなかっただけでなく、おまけのりんご飴も買って来たのだから、それで十分だろう。
「つか、祐介は? 一緒じゃねぇの?」
「一緒だよ。でも今、先に部屋」
「? 何で?」
「だだって、恥ずかしいじゃんっ」
「…そうか?」
亮は、2人が花火大会に行ったことも知っているし、その浴衣姿も睦月のスマホで見ているのに、それでいて、今一緒にここに来ることの、一体何が恥ずかしいのだろう。
まぁ、大体こういう場合、恥ずかしいだの何だのと言い出すのは和衣だから、祐介も意味不明と思いつつ、和衣の言葉に従ったのだろう。
「とりあえず、むっちゃん寝てるし、お礼とか、明日また来るね」
「おぅ」
「あ、亮も」
「ん?」
「ありがとう」
「は? 何が?」
ここには和衣だけで来たけれど、この後、再び祐介と会うつもりなのだろう。ソワソワした雰囲気を隠し切れないまま、和衣は亮にお礼を言ってきた。
しかし、浴衣を貸したのは睦月だし、着付けをしたのは祐介だ。亮には、和衣に礼を言われる覚えがない。
「何?」
「だって亮が、むっちゃんと一緒に浴衣着たい、ていっぱい言ってくれたから……だから何か俺も浴衣で祐介と出掛けられたのかな、て…」
「はぁ?」
確かに亮は、睦月と一緒に浴衣で出掛けたい、と騒いだけれど、それは他意などない自分の願望なだけであって、和衣のことを思って言ったわけではなかったのだが…。
まぁ、和衣が勝手に感謝してくれる分には、一向に構わないけれど。
「ね、亮もむっちゃんと出掛けるんでしょ? 浴衣で」
「あぁ、うん、まぁ」
「どこ行くの? 俺、今日の花火大会、来るのかと思ってた」
「暑くて、混んでて、腹の足しにならないところに、睦月が行きたがると思うか?」
和衣ほどのロマンチストでなくても、やはり夏の定番イベントとして花火大会は外せないが、睦月にしたら、それほど魅力的ではなかったようで、誘ってもいまいち乗り気ではなかったのだ。
亮としては、そこまで嫌がるほどのことでもないけれど、睦月を説得してまで行かなければ、というほどでもなかったので、結局今年は行かないことで事は収まった。
それでもちゃっかり和衣に焼きそばをねだっているところが、睦月らしいといえば睦月らしいのだが。
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「別にいいけど」
分かりやすくシュンとする和衣に、亮は苦笑する。
睦月への土産を忘れなかっただけでなく、おまけのりんご飴も買って来たのだから、それで十分だろう。
「つか、祐介は? 一緒じゃねぇの?」
「一緒だよ。でも今、先に部屋」
「? 何で?」
「だだって、恥ずかしいじゃんっ」
「…そうか?」
亮は、2人が花火大会に行ったことも知っているし、その浴衣姿も睦月のスマホで見ているのに、それでいて、今一緒にここに来ることの、一体何が恥ずかしいのだろう。
まぁ、大体こういう場合、恥ずかしいだの何だのと言い出すのは和衣だから、祐介も意味不明と思いつつ、和衣の言葉に従ったのだろう。
「とりあえず、むっちゃん寝てるし、お礼とか、明日また来るね」
「おぅ」
「あ、亮も」
「ん?」
「ありがとう」
「は? 何が?」
ここには和衣だけで来たけれど、この後、再び祐介と会うつもりなのだろう。ソワソワした雰囲気を隠し切れないまま、和衣は亮にお礼を言ってきた。
しかし、浴衣を貸したのは睦月だし、着付けをしたのは祐介だ。亮には、和衣に礼を言われる覚えがない。
「何?」
「だって亮が、むっちゃんと一緒に浴衣着たい、ていっぱい言ってくれたから……だから何か俺も浴衣で祐介と出掛けられたのかな、て…」
「はぁ?」
確かに亮は、睦月と一緒に浴衣で出掛けたい、と騒いだけれど、それは他意などない自分の願望なだけであって、和衣のことを思って言ったわけではなかったのだが…。
まぁ、和衣が勝手に感謝してくれる分には、一向に構わないけれど。
「ね、亮もむっちゃんと出掛けるんでしょ? 浴衣で」
「あぁ、うん、まぁ」
「どこ行くの? 俺、今日の花火大会、来るのかと思ってた」
「暑くて、混んでて、腹の足しにならないところに、睦月が行きたがると思うか?」
和衣ほどのロマンチストでなくても、やはり夏の定番イベントとして花火大会は外せないが、睦月にしたら、それほど魅力的ではなかったようで、誘ってもいまいち乗り気ではなかったのだ。
亮としては、そこまで嫌がるほどのことでもないけれど、睦月を説得してまで行かなければ、というほどでもなかったので、結局今年は行かないことで事は収まった。
それでもちゃっかり和衣に焼きそばをねだっているところが、睦月らしいといえば睦月らしいのだが。
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