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もしかしたら君は天使かもしれない。 (49)
2013.10.20 Sun
「ねぇねぇ、むっちゃんは?」
「…もう寝てっけど」
「やっぱりー」
大体からして、睦月の夜は早いのだ。一般的な大学生が寝るにはまだまだ早い時間だが、ご飯を食べて風呂から上がった睦月にしたら、とっくにおねむの時間だ。
それは和衣も知っていることだろうに、一体どうしたことだ。まさか、今さら一緒に風呂に入る約束? 悪いが睦月は今日、もう風呂に入っているのだが。
「あのね、今日ね、祐介と一緒に花火大会行って来たの」
「知ってる」
「あ、そう? でね、でね、あ、もしかして亮ももう寝てた? ゴメン」
「寝てねぇよ」
なかなか本題に入らない和衣に、ちょっとばかし苛付いていたら、和衣はそれを、寝ているところを起こされたせいで機嫌が悪い、と勘違いしたらしく、見当違いな謝罪をしてきた。
楽しそうに喋っていたかと思うと、急にシュンとして……ホント、目まぐるしいヤツ。
「で、何の用だよ。睦月のこと、起こしたほうがいいわけ? 起きるかどうか分かんねぇけど」
「んー…、あのね、むっちゃんにね、焼きそば頼まれてたの。お土産に買って来てーて。だから、これ」
はい、と和衣は、白いレジ袋を亮のほうに差し出した。
「祐介とね、むっちゃんに焼きそば頼まれたけど、帰ったらもう寝てるんじゃないかなぁ、て話してたんだけどね、一応約束だから」
「ふぅん。焼きそばが来た、て言えば起きるかな、睦月」
「あはは、それ、俺らも言ってた! 眠気と食欲、どっちが勝つんだろ、て」
「…試す?」
亮は袋の中を覗き込んでから、ベッドでまさに「大」の字になって寝ている睦月を振り返った。
和衣も部屋の中を覗き込む。
「うぅん、いい。もしなら明日食べて? あ、あとりんご飴はおまけね。ホントは綿あめにしようとしたんだけど、ちょっと、あの……あれだったから、りんご飴にした」
「あれ、て?」
「いや…まぁまぁ」
アニメの絵が描かれた袋を持って来るのが恥ずかしかったから、とは何となく言い出しにくくて、だったら最初から綿あめの話など出さなければいいのに、それが出来ないのが和衣だ。
全然うまくない和衣のごまかし方に、亮はとりあえず素直に騙されておく。
「あっ、てかゴメン、亮の分っ…」
綿あめでなくりんご飴を買って来たことよりも、もっと重大な問題に気が付いて、和衣はハッとした。
睦月に頼まれた焼きそばを買って来たところまではよかったのだが、睦月には同室者である亮がおり、おまけに和衣たちは亮とは知らぬ仲ではないのだ。
普通、亮の分だって買ってくる。
愚鈍な和衣はそういうこと、なかなか気付かないほうだけど、あのときは祐介も何も言わなかった…。
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「…もう寝てっけど」
「やっぱりー」
大体からして、睦月の夜は早いのだ。一般的な大学生が寝るにはまだまだ早い時間だが、ご飯を食べて風呂から上がった睦月にしたら、とっくにおねむの時間だ。
それは和衣も知っていることだろうに、一体どうしたことだ。まさか、今さら一緒に風呂に入る約束? 悪いが睦月は今日、もう風呂に入っているのだが。
「あのね、今日ね、祐介と一緒に花火大会行って来たの」
「知ってる」
「あ、そう? でね、でね、あ、もしかして亮ももう寝てた? ゴメン」
「寝てねぇよ」
なかなか本題に入らない和衣に、ちょっとばかし苛付いていたら、和衣はそれを、寝ているところを起こされたせいで機嫌が悪い、と勘違いしたらしく、見当違いな謝罪をしてきた。
楽しそうに喋っていたかと思うと、急にシュンとして……ホント、目まぐるしいヤツ。
「で、何の用だよ。睦月のこと、起こしたほうがいいわけ? 起きるかどうか分かんねぇけど」
「んー…、あのね、むっちゃんにね、焼きそば頼まれてたの。お土産に買って来てーて。だから、これ」
はい、と和衣は、白いレジ袋を亮のほうに差し出した。
「祐介とね、むっちゃんに焼きそば頼まれたけど、帰ったらもう寝てるんじゃないかなぁ、て話してたんだけどね、一応約束だから」
「ふぅん。焼きそばが来た、て言えば起きるかな、睦月」
「あはは、それ、俺らも言ってた! 眠気と食欲、どっちが勝つんだろ、て」
「…試す?」
亮は袋の中を覗き込んでから、ベッドでまさに「大」の字になって寝ている睦月を振り返った。
和衣も部屋の中を覗き込む。
「うぅん、いい。もしなら明日食べて? あ、あとりんご飴はおまけね。ホントは綿あめにしようとしたんだけど、ちょっと、あの……あれだったから、りんご飴にした」
「あれ、て?」
「いや…まぁまぁ」
アニメの絵が描かれた袋を持って来るのが恥ずかしかったから、とは何となく言い出しにくくて、だったら最初から綿あめの話など出さなければいいのに、それが出来ないのが和衣だ。
全然うまくない和衣のごまかし方に、亮はとりあえず素直に騙されておく。
「あっ、てかゴメン、亮の分っ…」
綿あめでなくりんご飴を買って来たことよりも、もっと重大な問題に気が付いて、和衣はハッとした。
睦月に頼まれた焼きそばを買って来たところまではよかったのだが、睦月には同室者である亮がおり、おまけに和衣たちは亮とは知らぬ仲ではないのだ。
普通、亮の分だって買ってくる。
愚鈍な和衣はそういうこと、なかなか気付かないほうだけど、あのときは祐介も何も言わなかった…。
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