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絶望ルーレット (3)
2013.07.04 Thu
「有沢っ! 俺のマナくんに触んなっ!」
俺が有沢さんに戸惑ってると、早速先生が喚き始める。
先生の人格そのものと、言ってる内容は考え物だけど、有沢さんを何とかしてくれるのは先生しかいないから、先生、何とかがんばってくれ。
「はーい、ミキちゃんも部屋に戻りますよー」
「ちょっバカッ! 帰れっつってんだろっ!」
…でも先生は、思った以上に何もがんばってくれず、あっさりと有沢さんに躱されてしまったけれど、それでもそのおかげで、有沢さんの手が俺から離れた。
そして有沢さんは、騒ぎ立てる先生にまったく動じることなく、今度は先生をヒョイと抱き上げた。
え、これっていわゆるお姫様抱っこ? 何でそういう展開になるのか分かんないけど、手を離してもらえたから、まぁいっか。
「下ろせバカッ!」
「何言ってんの、ミキちゃん。1人じゃ歩けないくせにー」
「歩けるわっ! つか、大体、こうなったのはお前のせいだろっ」
「だからー、責任取って面倒見てんじゃん」
…1人じゃ歩けない?
そんなに具合悪いとは思えないくらい先生は元気そうだけど、それが本当なら、有沢さんがインターフォンに出たり、ドアを開けてくれたりした理由は分かる。
「えっと…、お邪魔なら帰りますが」
先生と有沢さんに向かって、そう申し出た。
具合が悪いなら、俺がいたんじゃ邪魔になりそうだし…。看病だって、有沢さんがいるから問題ないだろう(そもそも、有沢さんのせいみたいだし)。
具合が悪いのを喜んじゃいけないけど、これで帰れるなら、そのほうが好都合だ。
…でも先生は、やっぱり一筋縄じゃいかないんだよね。
「邪魔じゃない、邪魔じゃないっ! マナくんは邪魔じゃないのっ。邪魔なのは有沢っ!」
せっかく帰れる口実が出来たと思ったのに、これだもん。
しかも先生は、相変わらず子どもみたいに喚き立てながら、有沢さんのことを悪く言ってるし(こんなに世話してくれてるのに…)。
「だーかーらー、何で俺だけ邪魔者扱いなのよ」
けど有沢さんは、そんな先生にキレることもなく、先生をソファに下すと、肩を竦めながらその隣に座った。
有沢さんの言うことは尤もだと思う。この状況で邪魔者なのは、有沢さんじゃない、どう考えても俺のほうだ。なのに先生は、俺に『帰んないで』て言う。
「でも先生、具合悪いなら、休んでたほうがいいんじゃないですか?」
「具合なんか悪くないし」
「だって、1人じゃ歩けないとか…」
俺だって、先生のこの元気さを見る限り、具合悪いなんて信じらんないけど、1人で歩けないとか言われると…。
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俺が有沢さんに戸惑ってると、早速先生が喚き始める。
先生の人格そのものと、言ってる内容は考え物だけど、有沢さんを何とかしてくれるのは先生しかいないから、先生、何とかがんばってくれ。
「はーい、ミキちゃんも部屋に戻りますよー」
「ちょっバカッ! 帰れっつってんだろっ!」
…でも先生は、思った以上に何もがんばってくれず、あっさりと有沢さんに躱されてしまったけれど、それでもそのおかげで、有沢さんの手が俺から離れた。
そして有沢さんは、騒ぎ立てる先生にまったく動じることなく、今度は先生をヒョイと抱き上げた。
え、これっていわゆるお姫様抱っこ? 何でそういう展開になるのか分かんないけど、手を離してもらえたから、まぁいっか。
「下ろせバカッ!」
「何言ってんの、ミキちゃん。1人じゃ歩けないくせにー」
「歩けるわっ! つか、大体、こうなったのはお前のせいだろっ」
「だからー、責任取って面倒見てんじゃん」
…1人じゃ歩けない?
そんなに具合悪いとは思えないくらい先生は元気そうだけど、それが本当なら、有沢さんがインターフォンに出たり、ドアを開けてくれたりした理由は分かる。
「えっと…、お邪魔なら帰りますが」
先生と有沢さんに向かって、そう申し出た。
具合が悪いなら、俺がいたんじゃ邪魔になりそうだし…。看病だって、有沢さんがいるから問題ないだろう(そもそも、有沢さんのせいみたいだし)。
具合が悪いのを喜んじゃいけないけど、これで帰れるなら、そのほうが好都合だ。
…でも先生は、やっぱり一筋縄じゃいかないんだよね。
「邪魔じゃない、邪魔じゃないっ! マナくんは邪魔じゃないのっ。邪魔なのは有沢っ!」
せっかく帰れる口実が出来たと思ったのに、これだもん。
しかも先生は、相変わらず子どもみたいに喚き立てながら、有沢さんのことを悪く言ってるし(こんなに世話してくれてるのに…)。
「だーかーらー、何で俺だけ邪魔者扱いなのよ」
けど有沢さんは、そんな先生にキレることもなく、先生をソファに下すと、肩を竦めながらその隣に座った。
有沢さんの言うことは尤もだと思う。この状況で邪魔者なのは、有沢さんじゃない、どう考えても俺のほうだ。なのに先生は、俺に『帰んないで』て言う。
「でも先生、具合悪いなら、休んでたほうがいいんじゃないですか?」
「具合なんか悪くないし」
「だって、1人じゃ歩けないとか…」
俺だって、先生のこの元気さを見る限り、具合悪いなんて信じらんないけど、1人で歩けないとか言われると…。
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