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13. 絶望する資格など持ちあわせていない (後編)
2008.07.16 Wed
啓ちゃんが哲也にメールしたけど返事がなくて、きっと仕事中だからケータイ見てられないんだろうって、仕事終わったら2人で哲也の店に行ってみることにした。
哲也は自分から出て行きたいって言ったわけだし、別に啓ちゃんだってそのことを責めたりはしないけど、何となく…………罪悪感。
何でだろ。
やっぱ無理にでも引き止めるべきやったんだろうか。宿なしになるかもしれないんだからなぁ。でも、哲也が俺んちにはいたくないって言ったんだから…。
「あんま深刻に考えんなって。今日また話聞いたらいいじゃん」
相当深刻そうな顔してたのかな。
啓ちゃんにそう言われて、俺は曖昧に笑って返した。
テツの勤めてる店に行くのは、これが2回目。
店に入れば、この前チラッとだけ挨拶した店長さんが伝票の確認をしてて、啓ちゃんが声を掛けたら、「よぉ」って顔を上げた。
俺と違って啓ちゃんは何度か来てるみたいで、店長さんとも顔見知りみたい。
「テツ、います?」
そう尋ねれば、店長さんはキュッと眉を潜めた。
「?? 今日、休みですか?」
「啓、お前何も聞いてないの?」
「何がです?」
「アイツ、辞めたんだよ、ここ」
「えっ!?」
哲也が店辞めた?
もちろん俺だって初耳だけど、啓ちゃんもそれは知らなかったみたいで、すごいビビってる。
「いつですか?」
「…………1週間くらい前にそんな話してきて……3日前が最後の仕事」
「3日前!?」
…………3日前、てことは……5日も帰らないで、ようやく哲也がウチに帰って来た日だ。そんときにはもう、この店辞めてきてたってこと?
俺んち来てなかった間、ずっと啓ちゃんちにいたのに、啓ちゃんに何の相談もしないで?
金溜めて、アパート借りるとか言ってたのに、店辞めてどうする気?
「何で、とか言ってました? アイツ」
「いや…特には。俺も引き止めたんだけど、無理だって言われて。アイツのデザインする服、人気あったから……これからだって思ってたんだけど…………なぁ啓、もしテツに会ったら、もっぺん戻る気ないかって言ってくれない?」
「…………はい」
それから俺らは店長さんに挨拶して、店を出て。
どこに向かっていいか分からずに、2人してただ立ち尽くした。
哲也は自分から出て行きたいって言ったわけだし、別に啓ちゃんだってそのことを責めたりはしないけど、何となく…………罪悪感。
何でだろ。
やっぱ無理にでも引き止めるべきやったんだろうか。宿なしになるかもしれないんだからなぁ。でも、哲也が俺んちにはいたくないって言ったんだから…。
「あんま深刻に考えんなって。今日また話聞いたらいいじゃん」
相当深刻そうな顔してたのかな。
啓ちゃんにそう言われて、俺は曖昧に笑って返した。
テツの勤めてる店に行くのは、これが2回目。
店に入れば、この前チラッとだけ挨拶した店長さんが伝票の確認をしてて、啓ちゃんが声を掛けたら、「よぉ」って顔を上げた。
俺と違って啓ちゃんは何度か来てるみたいで、店長さんとも顔見知りみたい。
「テツ、います?」
そう尋ねれば、店長さんはキュッと眉を潜めた。
「?? 今日、休みですか?」
「啓、お前何も聞いてないの?」
「何がです?」
「アイツ、辞めたんだよ、ここ」
「えっ!?」
哲也が店辞めた?
もちろん俺だって初耳だけど、啓ちゃんもそれは知らなかったみたいで、すごいビビってる。
「いつですか?」
「…………1週間くらい前にそんな話してきて……3日前が最後の仕事」
「3日前!?」
…………3日前、てことは……5日も帰らないで、ようやく哲也がウチに帰って来た日だ。そんときにはもう、この店辞めてきてたってこと?
俺んち来てなかった間、ずっと啓ちゃんちにいたのに、啓ちゃんに何の相談もしないで?
金溜めて、アパート借りるとか言ってたのに、店辞めてどうする気?
「何で、とか言ってました? アイツ」
「いや…特には。俺も引き止めたんだけど、無理だって言われて。アイツのデザインする服、人気あったから……これからだって思ってたんだけど…………なぁ啓、もしテツに会ったら、もっぺん戻る気ないかって言ってくれない?」
「…………はい」
それから俺らは店長さんに挨拶して、店を出て。
どこに向かっていいか分からずに、2人してただ立ち尽くした。
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