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この街は、今日もメイドで溢れている (3)
2013.05.02 Thu
「ご…ご主人様、」
「………………。何時までバイトなの?」
「はっ?」
「今日、何時まで?」
ビラから顔を上げた先生は、今度は俺の顔をジッと見ながら、そう言って来た。
声変えて喋り続けようとしたら、若干上擦っちゃって、それに焦り掛けてたけど、それ以上に、先生の言葉にわけ分かんなくなった。何言ってんだ、この人は。メイドさんをナンパしたいだけの人?
「えっと…」
本気で答えたほうがいいのか、適当に受け流したほうがいいのか、答えに迷う。
これが三木本先生じゃなかったら、どうとでも出来るのに。
「何時まで?」
「えー…と、23時まで営業中でーす」
とりあえず、当たり障りのない答え。
もしナンパ目的だとしても、この返事なら、その気がないのが分かるし(もし伝わんなかったら……先生、鈍感すぎる…)。
「…俺、マナくんの、バイトの終わる時間聞いてんだけど?」
こないだ、初めて話をしたときは、何かかわいらしい印象だったけど、メガネしてるせいかな? ちょっとクールそうな雰囲気…………て、そうじゃなくて!
今先生、『マナくん』て言ったよね? もしかして、俺だって気付いてる…?
「何時に終わるの? マナくんメイドさん」
ニッコリ。
その最上級の微笑みは、男の娘メイドやってる俺ですら、負けちゃうんじゃないかていうくらい、かわいらしいけど、今の俺にしたら、ただただ恐ろしいだけでしかない。
「三木本、先生…」
「グフ」
俺が何とか声を絞り出せば、先生は、あの変な笑い方で笑った。
男の娘メイドやってるのがバレて、俺が焦ってるとでも思ってるんだろうか。
でも、お店は全然違法じゃないから問題ないし、男の娘だって好きでやってるんだから、俺が焦ることなんか何もない…………わけじゃないけど(やっぱり誰かにバラされたくないし)。
でも、もし先生が誰かに言ったところで、俺が男の娘メイドやってる証拠なんて、どこにもない。メイド姿の写真はあるけど、それで俺だってバレるわけないし。
いざとなったら、白を切り通せばどうにかなる!
「『メイドカフェぴゅあ』――――チラシ貰っちゃった、俺」
「ッ!」
俺が心の中で、三木本先生の思いどおりになんかなんないぞ、てほくそ笑んでたら、三木本先生はそれを見透かしたかのように、手にしていたビラをチラつかせてきた。
バカか俺は。さっき、三木本先生だって気付かずに、ビラを渡してるじゃないか!
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「………………。何時までバイトなの?」
「はっ?」
「今日、何時まで?」
ビラから顔を上げた先生は、今度は俺の顔をジッと見ながら、そう言って来た。
声変えて喋り続けようとしたら、若干上擦っちゃって、それに焦り掛けてたけど、それ以上に、先生の言葉にわけ分かんなくなった。何言ってんだ、この人は。メイドさんをナンパしたいだけの人?
「えっと…」
本気で答えたほうがいいのか、適当に受け流したほうがいいのか、答えに迷う。
これが三木本先生じゃなかったら、どうとでも出来るのに。
「何時まで?」
「えー…と、23時まで営業中でーす」
とりあえず、当たり障りのない答え。
もしナンパ目的だとしても、この返事なら、その気がないのが分かるし(もし伝わんなかったら……先生、鈍感すぎる…)。
「…俺、マナくんの、バイトの終わる時間聞いてんだけど?」
こないだ、初めて話をしたときは、何かかわいらしい印象だったけど、メガネしてるせいかな? ちょっとクールそうな雰囲気…………て、そうじゃなくて!
今先生、『マナくん』て言ったよね? もしかして、俺だって気付いてる…?
「何時に終わるの? マナくんメイドさん」
ニッコリ。
その最上級の微笑みは、男の娘メイドやってる俺ですら、負けちゃうんじゃないかていうくらい、かわいらしいけど、今の俺にしたら、ただただ恐ろしいだけでしかない。
「三木本、先生…」
「グフ」
俺が何とか声を絞り出せば、先生は、あの変な笑い方で笑った。
男の娘メイドやってるのがバレて、俺が焦ってるとでも思ってるんだろうか。
でも、お店は全然違法じゃないから問題ないし、男の娘だって好きでやってるんだから、俺が焦ることなんか何もない…………わけじゃないけど(やっぱり誰かにバラされたくないし)。
でも、もし先生が誰かに言ったところで、俺が男の娘メイドやってる証拠なんて、どこにもない。メイド姿の写真はあるけど、それで俺だってバレるわけないし。
いざとなったら、白を切り通せばどうにかなる!
「『メイドカフェぴゅあ』――――チラシ貰っちゃった、俺」
「ッ!」
俺が心の中で、三木本先生の思いどおりになんかなんないぞ、てほくそ笑んでたら、三木本先生はそれを見透かしたかのように、手にしていたビラをチラつかせてきた。
バカか俺は。さっき、三木本先生だって気付かずに、ビラを渡してるじゃないか!
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