スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
「目の中にゴミが」なんて言うところ (2)
2013.03.07 Thu
「ぐうぅ~~~~…」
「あの…、睦月さん、大丈夫…?」
「ッ…、だ大丈夫に決まってんじゃんっ、何がっ? 何言ってんの!?」
さすがに心配になって亮が声を掛ければ、睦月は、ただ自分の頭が痛いというだけでなく、周りにも人がたくさんいて、思い切り見られていたのだということにも気が付いて、恥ずかしさのあまり、アワアワしながら言い返した。
「なぁ睦月、大丈夫? 医務室…」
「だっ…から、何がっ? 別に何もないしっ」
「いや、目に涙いっぱい溜めながらそんなこと言われたって。ちょっと見してみ?」
頭をぶつけると、その衝撃で生理的な涙が零れるのかどうかは知らないが、とにかく睦月がこんなことで泣くなんて普段あり得ないことだから、絶対にすごく痛いに決まっている。
なのに亮がそう言っても、睦月は決してそれを認めようとはせず、両手で額を隠してしまった。
「睦月。…むーっちゃん、」
「だから、平気だ、ってば」
「泣きながら何言ってんの。泣くほど痛いんでしょ?」
「違ぇよバカ、目の中にゴミが入っただけだしっ!」
「………………」
足をジタバタさせながら、睦月はがんばってそう言い返して来た。
確かに目の中にゴミが入れば、涙は零れる。しかし、一体どこの世界に、だからといって、額を押さえて身悶える人間がいるだろう。いつもは口八丁の睦月も、今ばかりは全然うまくいっていない。
(もう、何なの、この子!)
目にゴミとか、あまりにもかわいい嘘をつく睦月に、思わず笑みが零れそうになったが、笑えば余計に機嫌を損ねてしまうので、亮は必死に口元を引き締めた。
本当はきっともっと、痛いと喚き散らしたいんだろうけど、完全に自業自得なので文句も言えないのだ。それが余計にストレスになっているに違いない。
睦月は涙を拭いながら、ノロノロと荷物を片付け始める。
いつもは、この後ご飯だから、呆れるくらいの速さで荷物をしまうのに。手加減なしでぶつけたおでこの痛みは、そう簡単には引かないだろう。
「睦月、」
「…ンだよ」
「ご飯、プリンの付いてるヤツにしよっか?」
「勝手に決めんな」
ようやく荷物をみんなカバンの中に詰め込んだ睦月は、目に涙を浮かべたまま亮を睨む。
もう次の授業の学生たちが、どんどんと教室にやって来ているから、早く教室を出ないと。
「俺のプリン、睦月にあげる」
「え、マジ!? あ、べ別にいらないし! 何気ィ遣ってんの?」
プリンの魅力にあっさり負けた睦月は、しかしすぐに我に返って、ツンとそっぽを向いた。
「だって俺、甘いモン食わないし」
「だったら違うの食えばっ」
「ヤーダ。睦月にあげたいの」
「意味分かんないっ」
そんな返事をしながらも、もうプリンを貰える気になっている睦月の表情は嬉しげだ。
ちょっとはおでこの痛み、引いたかな。
「プリン食ったら、おでこ痛いのも治るでしょ?」
「ッ、、、、だから、目にゴミが入った、つってんだろっ!」
「はいはい」
亮は、ゲシッと蹴りを入れてくる睦月を、軽く躱した。
あーかわい。
back next
*end*
「あの…、睦月さん、大丈夫…?」
「ッ…、だ大丈夫に決まってんじゃんっ、何がっ? 何言ってんの!?」
さすがに心配になって亮が声を掛ければ、睦月は、ただ自分の頭が痛いというだけでなく、周りにも人がたくさんいて、思い切り見られていたのだということにも気が付いて、恥ずかしさのあまり、アワアワしながら言い返した。
「なぁ睦月、大丈夫? 医務室…」
「だっ…から、何がっ? 別に何もないしっ」
「いや、目に涙いっぱい溜めながらそんなこと言われたって。ちょっと見してみ?」
頭をぶつけると、その衝撃で生理的な涙が零れるのかどうかは知らないが、とにかく睦月がこんなことで泣くなんて普段あり得ないことだから、絶対にすごく痛いに決まっている。
なのに亮がそう言っても、睦月は決してそれを認めようとはせず、両手で額を隠してしまった。
「睦月。…むーっちゃん、」
「だから、平気だ、ってば」
「泣きながら何言ってんの。泣くほど痛いんでしょ?」
「違ぇよバカ、目の中にゴミが入っただけだしっ!」
「………………」
足をジタバタさせながら、睦月はがんばってそう言い返して来た。
確かに目の中にゴミが入れば、涙は零れる。しかし、一体どこの世界に、だからといって、額を押さえて身悶える人間がいるだろう。いつもは口八丁の睦月も、今ばかりは全然うまくいっていない。
(もう、何なの、この子!)
目にゴミとか、あまりにもかわいい嘘をつく睦月に、思わず笑みが零れそうになったが、笑えば余計に機嫌を損ねてしまうので、亮は必死に口元を引き締めた。
本当はきっともっと、痛いと喚き散らしたいんだろうけど、完全に自業自得なので文句も言えないのだ。それが余計にストレスになっているに違いない。
睦月は涙を拭いながら、ノロノロと荷物を片付け始める。
いつもは、この後ご飯だから、呆れるくらいの速さで荷物をしまうのに。手加減なしでぶつけたおでこの痛みは、そう簡単には引かないだろう。
「睦月、」
「…ンだよ」
「ご飯、プリンの付いてるヤツにしよっか?」
「勝手に決めんな」
ようやく荷物をみんなカバンの中に詰め込んだ睦月は、目に涙を浮かべたまま亮を睨む。
もう次の授業の学生たちが、どんどんと教室にやって来ているから、早く教室を出ないと。
「俺のプリン、睦月にあげる」
「え、マジ!? あ、べ別にいらないし! 何気ィ遣ってんの?」
プリンの魅力にあっさり負けた睦月は、しかしすぐに我に返って、ツンとそっぽを向いた。
「だって俺、甘いモン食わないし」
「だったら違うの食えばっ」
「ヤーダ。睦月にあげたいの」
「意味分かんないっ」
そんな返事をしながらも、もうプリンを貰える気になっている睦月の表情は嬉しげだ。
ちょっとはおでこの痛み、引いたかな。
「プリン食ったら、おでこ痛いのも治るでしょ?」
「ッ、、、、だから、目にゴミが入った、つってんだろっ!」
「はいはい」
亮は、ゲシッと蹴りを入れてくる睦月を、軽く躱した。
あーかわい。
back next
*end*
- 関連記事
-
- イラつくとやつあたってくるところ (1) (2013/03/08)
- 「目の中にゴミが」なんて言うところ (2) (2013/03/07)
- 「目の中にゴミが」なんて言うところ (1) (2013/03/06)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒
いじっぱりのむっちゃん…
亮タンが心配してくれているのに…ァハハ・・(^д^;)
プリン食べたら、目の中に入ったゴミも
取れちゃうかもよ~!? (なんちゃって)
ステキなプリンタイムになるといいねぇ。
あ、でもでも、プリンは食後だよ!!
一番最初に食べようとすると、
オカン度アップした人達に怒られちゃうよ~!!
亮タンが心配してくれているのに…ァハハ・・(^д^;)
プリン食べたら、目の中に入ったゴミも
取れちゃうかもよ~!? (なんちゃって)
ステキなプリンタイムになるといいねぇ。
あ、でもでも、プリンは食後だよ!!
一番最初に食べようとすると、
オカン度アップした人達に怒られちゃうよ~!!
- |2013.03.07
- |Thu
- |13:07
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
こんなときでも素直になれないむっちゃん…。
でも、このツンデレ感が亮タンには堪らないんでしょう!(私も堪りませんっっ)
> プリン食べたら、目の中に入ったゴミも
> 取れちゃうかもよ~!? (なんちゃって)
ですね!
でもちゃんと食後まで待てるのか……2個あるから、1個は最初! とか言っちゃいそうなむっちゃんですが、怒られないようにしないとですね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
でも、このツンデレ感が亮タンには堪らないんでしょう!(私も堪りませんっっ)
> プリン食べたら、目の中に入ったゴミも
> 取れちゃうかもよ~!? (なんちゃって)
ですね!
でもちゃんと食後まで待てるのか……2個あるから、1個は最初! とか言っちゃいそうなむっちゃんですが、怒られないようにしないとですね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2013.03.07
- |Thu
- |22:38
- |URL
- |EDIT|