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「目の中にゴミが」なんて言うところ (1)
2013.03.06 Wed
100人以上入る大きな教室の、端っこの後ろから2列目の席となれば、大抵の学生にとっては、授業中にバレることなく寝ていられる特等席的な席だ。
学生の本分が勉強である以上、寝ていられるとか、そんなことを言っていてはいけないのだが、まぁそういうことなのである。
――――そしてそれは、睦月にもしっかりと当てはまるわけで。
(……爆睡…)
隣の席の亮がチラリと横目で窺うと、右手にペンを持ち、左手で頬杖を突いた睦月の頭が、先ほどからフラフラと揺れている。
今日は空いていた席の関係で、祐介と和衣が睦月たちより少し前のほうに座ったものだから、余計に気が緩んだのか、睦月は眠気を堪えることなく寝ているのだ。
最初、授業が始まって数分で睦月はウトウトしたのだが、そのときは亮がこっそり起こしたので、それからしばらくの間はがんばってノートを取っていたのに、結局耐え切れなくなったようだ。
亮はもう1度起こそうかとも思ったが、あと5分足らずで授業は終わるし、この教授はそういうことに無頓着だから、とりあえず今日のところはこのままにしておく。
今から起きたところで、どうせまともにノートが取れるわけがないし、後で亮が見せてやるはめになることに変わりはないし。
「――――ということで、今日はここまで」
チャイムと同時に教授がそう告げ、みんなが後片付けをし出すと、教室の中がざわつき始める。
それでも睦月に起きる気配がないから、起こしてやろうと亮が手を伸ばした、その瞬間。グラッと睦月の体が大きく揺れて、あ、と思う間もなく、睦月の頭が頬杖から滑り落ち、
――――ガゴンッ!!
カクンとなった瞬間に、睦月は目を覚ましたのかもしれない。けれど、その一瞬では状況を把握するには至らないし、体勢を立て直すには時間が足りな過ぎた。
例えばもっと体が硬かったらむしろ、こんなことにはならなかっただろうに、睦月の頭は、重力に逆らうことなく自然落下し、そして机に激突した…。
「…………」
「…………」
「あー……」
周りに座っていた学生たちも、あまりのことに絶句し、片付けの手が止まる。
まるで机の上で弾んだかのように、睦月は勢いのままに頭を上げたので、亮とは反対側の隣に座っていた学生が声を掛けようとしたが、亮が『大丈夫だから』と目で合図をして来たので、苦笑しながら去って行った。
ゼミも違って、名前もよく知らない相手だから、心配に思っても、何と声を掛けるべきか悩むところがあったのだろう。
「何か…、痛い…。………………、ううぅ、いったぁ~~~~~いっ!」
最初は、何が起こったのか分からない様子で、ボンヤリと亮のほうを見た睦月だったが、徐々に痛みが脳に伝わって来たのか、目が覚めて来たのか、額を押さえて呻き声を上げた。
かなり思い切り行ったからなぁ…。
back next
学生の本分が勉強である以上、寝ていられるとか、そんなことを言っていてはいけないのだが、まぁそういうことなのである。
――――そしてそれは、睦月にもしっかりと当てはまるわけで。
(……爆睡…)
隣の席の亮がチラリと横目で窺うと、右手にペンを持ち、左手で頬杖を突いた睦月の頭が、先ほどからフラフラと揺れている。
今日は空いていた席の関係で、祐介と和衣が睦月たちより少し前のほうに座ったものだから、余計に気が緩んだのか、睦月は眠気を堪えることなく寝ているのだ。
最初、授業が始まって数分で睦月はウトウトしたのだが、そのときは亮がこっそり起こしたので、それからしばらくの間はがんばってノートを取っていたのに、結局耐え切れなくなったようだ。
亮はもう1度起こそうかとも思ったが、あと5分足らずで授業は終わるし、この教授はそういうことに無頓着だから、とりあえず今日のところはこのままにしておく。
今から起きたところで、どうせまともにノートが取れるわけがないし、後で亮が見せてやるはめになることに変わりはないし。
「――――ということで、今日はここまで」
チャイムと同時に教授がそう告げ、みんなが後片付けをし出すと、教室の中がざわつき始める。
それでも睦月に起きる気配がないから、起こしてやろうと亮が手を伸ばした、その瞬間。グラッと睦月の体が大きく揺れて、あ、と思う間もなく、睦月の頭が頬杖から滑り落ち、
――――ガゴンッ!!
カクンとなった瞬間に、睦月は目を覚ましたのかもしれない。けれど、その一瞬では状況を把握するには至らないし、体勢を立て直すには時間が足りな過ぎた。
例えばもっと体が硬かったらむしろ、こんなことにはならなかっただろうに、睦月の頭は、重力に逆らうことなく自然落下し、そして机に激突した…。
「…………」
「…………」
「あー……」
周りに座っていた学生たちも、あまりのことに絶句し、片付けの手が止まる。
まるで机の上で弾んだかのように、睦月は勢いのままに頭を上げたので、亮とは反対側の隣に座っていた学生が声を掛けようとしたが、亮が『大丈夫だから』と目で合図をして来たので、苦笑しながら去って行った。
ゼミも違って、名前もよく知らない相手だから、心配に思っても、何と声を掛けるべきか悩むところがあったのだろう。
「何か…、痛い…。………………、ううぅ、いったぁ~~~~~いっ!」
最初は、何が起こったのか分からない様子で、ボンヤリと亮のほうを見た睦月だったが、徐々に痛みが脳に伝わって来たのか、目が覚めて来たのか、額を押さえて呻き声を上げた。
かなり思い切り行ったからなぁ…。
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けいったん ⇒
むっちゃん、お寝むなんだね♪
少しザワツイタ空気の中で うつらうつら~となるって 気持ち良いしね!
ほんと 受講中に聞く教授の声は 如何して 子守歌に聞こえるのでしょうね(笑)
小・中・高の時の 授業中の教師の声は 生徒の気を引く為に 大きかったのに!
大学の教授は、そんな気も無いのか あまり声も張らないし ボソボソと話す人が多かった気がします。
「ガコンッ!」…すっごい音!
むっちゃんの可愛いおでこにタンコブ?
☆ ̄(>。☆)イテェ...byebye☆
少しザワツイタ空気の中で うつらうつら~となるって 気持ち良いしね!
ほんと 受講中に聞く教授の声は 如何して 子守歌に聞こえるのでしょうね(笑)
小・中・高の時の 授業中の教師の声は 生徒の気を引く為に 大きかったのに!
大学の教授は、そんな気も無いのか あまり声も張らないし ボソボソと話す人が多かった気がします。
「ガコンッ!」…すっごい音!
むっちゃんの可愛いおでこにタンコブ?
☆ ̄(>。☆)イテェ...byebye☆
- |2013.03.06
- |Wed
- |10:07
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
勉強するために進学しているわけで、寝ている場合じゃないんだけれど、眠くなっちゃうんですよね~!
ただでさえ寝ることの大好きなむっちゃんにしたら…(笑)
> 「ガコンッ!」…すっごい音!
> むっちゃんの可愛いおでこにタンコブ?
おでこを机にぶつける痛みなら、身を以って経験していますが、ホント、とんでもない痛みなんですよ!!
ぶつかった瞬間は、一瞬だけ痛くないんです。わけ分かんなくて。
でもすぐに痛みがやってきて…………あとは、お話の中のむっちゃんのとおり、「いったぁ~~~~~いっっ」て感じで…。
むっちゃんのおでこ。。。
亮タンにたっぷり慰めてもらわないとですね(>_<)
コメントありがとうございました!
ただでさえ寝ることの大好きなむっちゃんにしたら…(笑)
> 「ガコンッ!」…すっごい音!
> むっちゃんの可愛いおでこにタンコブ?
おでこを机にぶつける痛みなら、身を以って経験していますが、ホント、とんでもない痛みなんですよ!!
ぶつかった瞬間は、一瞬だけ痛くないんです。わけ分かんなくて。
でもすぐに痛みがやってきて…………あとは、お話の中のむっちゃんのとおり、「いったぁ~~~~~いっっ」て感じで…。
むっちゃんのおでこ。。。
亮タンにたっぷり慰めてもらわないとですね(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2013.03.06
- |Wed
- |22:15
- |URL
- |EDIT|