スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
ヨッシー先輩と宇佐美くん (4)
2013.01.22 Tue
「ヨッシー先輩、おいしい? おいしい?」
「(ムグムグ)」
「ねぇ、おいしい?」
「(ムグムグムグムグ…………ゴックン)」
「ヨッシー先輩!」
「…リンゴだから、普通にうめぇよ」
「違うでしょ! 俺が『あーん』してあげたから、その愛のスパイスが効いて…」
うさぎリンゴ1個をそのまま口に入れられた直後、そんなにすぐさま味の感想を聞かれたって、答えられるわけがない。
それでもがんばって飲み込んだ吉沢が、当たり前のことを答えれば、宇佐美にはその答えが不服だったのか、吉沢に対する自分の深い愛情について語り始めてしまった。
――――そう、この宇佐美奏斗という男。
単に吉沢に懐いているわけではない。LOVEという意味で、吉沢のことを好きだと言うのだ。
確かに毎日の宇佐美の行動は、単に後輩として先輩に懐いている、というレベルは遥かに超えている(…し、対好きな人だとしても、今のうさぎリンゴ然り、度は越えている)。
誰に聞いても間違いなく、宇佐美は吉沢に惚れていると答えるだろう――――吉沢は断じて認めたくないが。
「ねぇねぇヨッシー先輩。あー…」
「…何?」
「……ーん」
「…………」
間抜けな顔で口を開けている宇佐美。
先ほどの『あーん』のお返しを要求しているのだ。
「ヨッシー先輩、ヨッシー先輩っ! あー」
吉沢が、コイツ、ホントにアホかな…と思っていることなど気付きもしないのか、宇佐美は大きく口を開けたまま。
この口の中に何かを入れてやらない限り、宇佐美は昼休みが終わるまで(いや、終わってもまだ)口を開け続けているだろう。
「…ホラ」
「、ンッ!」
仕方なく吉沢は、自分の弁当の中からウィンナーを1つ、宇佐美の口に入れてやる。
「ん~~~っっ!!」
「…………宇佐美?」
「おいしいっ!!」
「……あ、そう…」
別に、普通のウィンナーだけど…。
大げさに喜ぶ宇佐美に悪い気はしないが、その後にキュウキュウと抱き付かれるのはいただけない。
「だーかーらー、抱き付くなっつってんだろ、宇佐美!」
「えぇ~」
抱き付いてくる宇佐美を鬱陶しそうに押し遣れば、案の定、宇佐美は不満そうな声を上げたが、素直に吉沢から離れた。
ようやく宇佐美の願いが聞き入れられた……と思ったのも束の間。
「じゃあ、ヨッシー先輩。抱き付いてもいい?」
「ギャッ!」
まだ吉沢は、何も返事をしていない。
したとしても、絶対に答えはNOなのに、宇佐美は断りを入れたらオッケーと覚えてしまったのか、再び吉沢にキュウキュウに抱き付く。
「ヨッシーせんぱ~いっ!」
「は~な~れ~ろ~~~!!」
「何でぇ~~~!?」
だから、断りを入れればいい、というものではないのだ。
*END*
back
「(ムグムグ)」
「ねぇ、おいしい?」
「(ムグムグムグムグ…………ゴックン)」
「ヨッシー先輩!」
「…リンゴだから、普通にうめぇよ」
「違うでしょ! 俺が『あーん』してあげたから、その愛のスパイスが効いて…」
うさぎリンゴ1個をそのまま口に入れられた直後、そんなにすぐさま味の感想を聞かれたって、答えられるわけがない。
それでもがんばって飲み込んだ吉沢が、当たり前のことを答えれば、宇佐美にはその答えが不服だったのか、吉沢に対する自分の深い愛情について語り始めてしまった。
――――そう、この宇佐美奏斗という男。
単に吉沢に懐いているわけではない。LOVEという意味で、吉沢のことを好きだと言うのだ。
確かに毎日の宇佐美の行動は、単に後輩として先輩に懐いている、というレベルは遥かに超えている(…し、対好きな人だとしても、今のうさぎリンゴ然り、度は越えている)。
誰に聞いても間違いなく、宇佐美は吉沢に惚れていると答えるだろう――――吉沢は断じて認めたくないが。
「ねぇねぇヨッシー先輩。あー…」
「…何?」
「……ーん」
「…………」
間抜けな顔で口を開けている宇佐美。
先ほどの『あーん』のお返しを要求しているのだ。
「ヨッシー先輩、ヨッシー先輩っ! あー」
吉沢が、コイツ、ホントにアホかな…と思っていることなど気付きもしないのか、宇佐美は大きく口を開けたまま。
この口の中に何かを入れてやらない限り、宇佐美は昼休みが終わるまで(いや、終わってもまだ)口を開け続けているだろう。
「…ホラ」
「、ンッ!」
仕方なく吉沢は、自分の弁当の中からウィンナーを1つ、宇佐美の口に入れてやる。
「ん~~~っっ!!」
「…………宇佐美?」
「おいしいっ!!」
「……あ、そう…」
別に、普通のウィンナーだけど…。
大げさに喜ぶ宇佐美に悪い気はしないが、その後にキュウキュウと抱き付かれるのはいただけない。
「だーかーらー、抱き付くなっつってんだろ、宇佐美!」
「えぇ~」
抱き付いてくる宇佐美を鬱陶しそうに押し遣れば、案の定、宇佐美は不満そうな声を上げたが、素直に吉沢から離れた。
ようやく宇佐美の願いが聞き入れられた……と思ったのも束の間。
「じゃあ、ヨッシー先輩。抱き付いてもいい?」
「ギャッ!」
まだ吉沢は、何も返事をしていない。
したとしても、絶対に答えはNOなのに、宇佐美は断りを入れたらオッケーと覚えてしまったのか、再び吉沢にキュウキュウに抱き付く。
「ヨッシーせんぱ~いっ!」
「は~な~れ~ろ~~~!!」
「何でぇ~~~!?」
だから、断りを入れればいい、というものではないのだ。
*END*
back
- 関連記事
-
- ヨッシー先輩と宇佐美くん (4) (2013/01/22)
- ヨッシー先輩と宇佐美くん (3) (2013/01/21)
- ヨッシー先輩と宇佐美くん (2) (2013/01/20)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:読み切り短編
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒
ヨッシー先輩…なんだかんだ言っていますが、
あーん返し、してくれましたね♪
やさしい~(o^-')b !グッジョブ
宇佐美くんが、近くに居ると大変な時がほとんどだけど、
居なくなったら物足りなくなったり…。
(そんなことあるかな!?)
今後の二人のこと、気になす~\(^^)/
如月さま、
かわいいお話をありがとうございました!!
あーん返し、してくれましたね♪
やさしい~(o^-')b !グッジョブ
宇佐美くんが、近くに居ると大変な時がほとんどだけど、
居なくなったら物足りなくなったり…。
(そんなことあるかな!?)
今後の二人のこと、気になす~\(^^)/
如月さま、
かわいいお話をありがとうございました!!
- |2013.01.22
- |Tue
- |14:17
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ヨッシー先輩は器が大きいのか、諦めが早いのか……宇佐美くんと一緒にいると、良くも悪くも、いろんなスキルが身に付き添う…(笑)
でも宇佐美くんも、あーんしてもらえて、天にも昇る気持ち……ますますヨッシー先輩のこと、好きになっちゃうでしょうね(*^_^*)
> 宇佐美くんが、近くに居ると大変な時がほとんどだけど、
> 居なくなったら物足りなくなったり…。
> (そんなことあるかな!?)
私自身、おんなじことを思ってました!!
急にいなくなったら、寂しくなりそう……だけど、解放された! とか思っちゃうのかしら、て。。。
元気のいい高校生男子、また登場させたいです!
その際はまた、かわいがってくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
PS…スマホ、私もなかなかうまくいきません(>_<) がんばりましょうね!!
でも宇佐美くんも、あーんしてもらえて、天にも昇る気持ち……ますますヨッシー先輩のこと、好きになっちゃうでしょうね(*^_^*)
> 宇佐美くんが、近くに居ると大変な時がほとんどだけど、
> 居なくなったら物足りなくなったり…。
> (そんなことあるかな!?)
私自身、おんなじことを思ってました!!
急にいなくなったら、寂しくなりそう……だけど、解放された! とか思っちゃうのかしら、て。。。
元気のいい高校生男子、また登場させたいです!
その際はまた、かわいがってくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
PS…スマホ、私もなかなかうまくいきません(>_<) がんばりましょうね!!
- |2013.01.22
- |Tue
- |22:29
- |URL
- |EDIT|