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恋と呼ぶにはまだ早い (25)
2013.01.17 Thu
「んふふー、大和くん、すっごい」
「…そう?」
千尋がウットリとした表情でそういうので、大和は満更でもない気持ちになる。
今回、映画のためにかなり体を絞って筋肉を付けたら、映画関係者や男友だちには好評だったけれど、やっぱり女の子受けはしなくて、早く今までくらいに戻って、とよく言われていたのだ。
モテたくて体を作っているわけではないけれど、やっぱりアイドルでムキムキ過ぎるのはどうかな、と思うところもあって、体型を戻そうかと考えていたのだが、千尋がこんなに気に入ってくれるなら、もうしばらくはこれでいいかも。
「つか…この体勢、ちょっとキツいから、もう元に戻っていいですか?」
「えー、だらしないなぁ、大和くんは。しょうがないから、いいよ」
完全に上から目線の千尋に言われて、大和は自分のソファに戻った。
「ちーちゃん、俺の筋肉、そんなに好きなの?」
「好きー」
「俺のこと好き?」
「好きー」
「なら、付き合っちゃう?」
「ぅん?」
とても上品とは言い難い体勢で寛ぎながら生返事をしていた千尋は、大和の最後の質問には流されることなく、眉を寄せて大和のほうを見やった。
「俺と大和くんが付き合っちゃうの?」
「うん。だってちーちゃん、俺のこと好きなんでしょ? 俺もちーちゃんのこと好きだもん。これは付き合うしかないでしょ」
モゾモゾと起き上がった千尋は、大和の言葉にさらに首を捻った。
「俺ら、付き合うしかないの? 俺、大和くんの恋人になるの??」
「イヤ?」
「大和くんに、男の恋人? アイドルなのに? ヤバイ! 週刊誌に撮られちゃうっ! そんなのダメー! キャハハ!」
大和の言葉を全然本気にしていないのか、千尋はソファの上で、足をバタバタさせながら笑い転げている。
琉辺りが見たら、こんななのに、千尋のどこがいいの? とか言いそうだ。
「ダメなの? ちーちゃん、さっき、相手がアイドルだからて理由じゃ断んないて言ったのに」
「だって、水落とハルちゃんが付き合ってんのに、大和くんまで俺と付き合ったらさ、大変! ストレスで南條の髪の毛がなくなっちゃうっ。それはダメだぁっ!」
千尋の返事は本気なのか(酔っ払っているから、本気といってもどこまで本気なのかは…だが)、大和の告白をうまく躱しているだけなのか、よく分からない。
しかし千尋は自分の言葉にウケて、ますます大笑いしている。何とも平和な酔っ払いだ。
「ちーちゃん、南條の心配してんの?」
「そーだよっ、俺、南條なんかの心配してんの! 偉いでしょー? 大和くんは、もっと南條の心配しないとダメなのー」
「………………。そうだね、ちーちゃんは友だち思いだねぇー…」
「えへへー」
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「…そう?」
千尋がウットリとした表情でそういうので、大和は満更でもない気持ちになる。
今回、映画のためにかなり体を絞って筋肉を付けたら、映画関係者や男友だちには好評だったけれど、やっぱり女の子受けはしなくて、早く今までくらいに戻って、とよく言われていたのだ。
モテたくて体を作っているわけではないけれど、やっぱりアイドルでムキムキ過ぎるのはどうかな、と思うところもあって、体型を戻そうかと考えていたのだが、千尋がこんなに気に入ってくれるなら、もうしばらくはこれでいいかも。
「つか…この体勢、ちょっとキツいから、もう元に戻っていいですか?」
「えー、だらしないなぁ、大和くんは。しょうがないから、いいよ」
完全に上から目線の千尋に言われて、大和は自分のソファに戻った。
「ちーちゃん、俺の筋肉、そんなに好きなの?」
「好きー」
「俺のこと好き?」
「好きー」
「なら、付き合っちゃう?」
「ぅん?」
とても上品とは言い難い体勢で寛ぎながら生返事をしていた千尋は、大和の最後の質問には流されることなく、眉を寄せて大和のほうを見やった。
「俺と大和くんが付き合っちゃうの?」
「うん。だってちーちゃん、俺のこと好きなんでしょ? 俺もちーちゃんのこと好きだもん。これは付き合うしかないでしょ」
モゾモゾと起き上がった千尋は、大和の言葉にさらに首を捻った。
「俺ら、付き合うしかないの? 俺、大和くんの恋人になるの??」
「イヤ?」
「大和くんに、男の恋人? アイドルなのに? ヤバイ! 週刊誌に撮られちゃうっ! そんなのダメー! キャハハ!」
大和の言葉を全然本気にしていないのか、千尋はソファの上で、足をバタバタさせながら笑い転げている。
琉辺りが見たら、こんななのに、千尋のどこがいいの? とか言いそうだ。
「ダメなの? ちーちゃん、さっき、相手がアイドルだからて理由じゃ断んないて言ったのに」
「だって、水落とハルちゃんが付き合ってんのに、大和くんまで俺と付き合ったらさ、大変! ストレスで南條の髪の毛がなくなっちゃうっ。それはダメだぁっ!」
千尋の返事は本気なのか(酔っ払っているから、本気といってもどこまで本気なのかは…だが)、大和の告白をうまく躱しているだけなのか、よく分からない。
しかし千尋は自分の言葉にウケて、ますます大笑いしている。何とも平和な酔っ払いだ。
「ちーちゃん、南條の心配してんの?」
「そーだよっ、俺、南條なんかの心配してんの! 偉いでしょー? 大和くんは、もっと南條の心配しないとダメなのー」
「………………。そうだね、ちーちゃんは友だち思いだねぇー…」
「えへへー」
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