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恋と呼ぶにはまだ早い (4)
2012.12.25 Tue
「何で? 何でっ? ちーちゃん、何でそんなことゆーの? 一緒に行こうよ、FATEのコンサート!」
「ヤダよ! 何で行かなきゃなんないの? ハルちゃん1人で行きなよ」
「チケット2枚ある~!」
「じゃあ、誰かファンの人と行きなよっ。どうせいっぱいいるでしょ、FATEのファンなんて」
「『どうせ』て何ぃ~!?」
だから、突っ込むべきはそこではないのに。
FATEのことを悪く言われれば、ファンとして文句を言いたくなるのは当然のことだが、今はただでさえ酔っ払ってタチ悪い感じになっているから、余計に突っ掛ってくる。
「あーもう、うっさい! だってさ、俺、コンサート行ったって、こんなだよ? 隣の人がこんなだったら、ハルちゃんもつまんないでしょ? それより一緒に盛り上がれる人のほうがいいでしょ?」
「ヤダー、ちーちゃんがいい~!」
「何で!」
どうあっても千尋と一緒に行きたいらしい遥希は、頑として説得されてくれない。
千尋は宙を仰いだ後、深い溜め息を零した。
千尋にとってFATEは、特別ファンでもないが、毛嫌いするほど嫌いなわけでもない。
遥希を琉に取られたのはおもしろくないが、千尋は遥希を恋愛対象として見ていないから、そのことで琉を恨むつもりはないし、相方の大和のことはよく分からない。
遥希がCDを買っただの、携帯電話の着信音をFATEの曲にしただの、そういうことは、『勝手にやってよ、いちいち報告しなくていいから』というスタンスだ。
しかし、一緒に写真を買いに行こう、一緒にコンサートに行こう、となったら話は別だ。
どちらも、その場所には女の子しかいない。いや、『若干』と言うのも申し訳ない程度の男性ならいないこともないが、99.99%の割合で女の子しかいないのだ。
千尋はゲイだが、女の子が苦手なわけではない。けれど、そんな女の子祭りの会場に男2人で行くことの恥ずかしさなんて、想像するまでもない。
「もぉ~、何でハルちゃん、俺と一緒がいいの? ハルちゃんだって、男2人で行ったら恥ずかしいの、分かるでしょ?」
「そうだけどー。でも俺の友だちの中で、FATE大好き! ていうのを分かち合ってくれる人が、ちーちゃんの他にいない」
「いや、別に俺だって、何も分かち合ってないけど」
遥希がベラベラ勝手に思いの丈をぶちまけるのに付き合ってはいるが、それに賛同したことも、一緒に盛り上がったことも、1度だってない。
「でも、俺が琉と付き合ってるの知ってるの、ちーちゃんだけだもん」
確かに、それはそうだった。
一昔前の少女マンガのような出会いから始まり、紆余曲折を経て、晴れて恋人同士となった2人。その関係を知っているのは、大和とマネージャーの南條以外では、千尋しかいないのだ。
「だからって、俺が一緒に行く理由には…。大体24日てイブじゃん。クリスマスイブ! そんな聖なる夜にどうして…」
「でもちーちゃん、どうせ予定ないでしょ? 今フリーだし」
「…………」
先ほど千尋が『どうせいっぱいいるでしょ、FATEのファンなんて』と言ったとき、その『どうせ』という言葉に反応して、遥希は散々喚き散らしたというのに、今度はシレッとそんなことを言ってくるか…!
千尋はピクピクと口の箸を引き攣らせつつ、どう言い返してやろうかと思案する。遥希と本気でケンカをするつもりはないが、言われっ放しでは気が済まない。
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「ヤダよ! 何で行かなきゃなんないの? ハルちゃん1人で行きなよ」
「チケット2枚ある~!」
「じゃあ、誰かファンの人と行きなよっ。どうせいっぱいいるでしょ、FATEのファンなんて」
「『どうせ』て何ぃ~!?」
だから、突っ込むべきはそこではないのに。
FATEのことを悪く言われれば、ファンとして文句を言いたくなるのは当然のことだが、今はただでさえ酔っ払ってタチ悪い感じになっているから、余計に突っ掛ってくる。
「あーもう、うっさい! だってさ、俺、コンサート行ったって、こんなだよ? 隣の人がこんなだったら、ハルちゃんもつまんないでしょ? それより一緒に盛り上がれる人のほうがいいでしょ?」
「ヤダー、ちーちゃんがいい~!」
「何で!」
どうあっても千尋と一緒に行きたいらしい遥希は、頑として説得されてくれない。
千尋は宙を仰いだ後、深い溜め息を零した。
千尋にとってFATEは、特別ファンでもないが、毛嫌いするほど嫌いなわけでもない。
遥希を琉に取られたのはおもしろくないが、千尋は遥希を恋愛対象として見ていないから、そのことで琉を恨むつもりはないし、相方の大和のことはよく分からない。
遥希がCDを買っただの、携帯電話の着信音をFATEの曲にしただの、そういうことは、『勝手にやってよ、いちいち報告しなくていいから』というスタンスだ。
しかし、一緒に写真を買いに行こう、一緒にコンサートに行こう、となったら話は別だ。
どちらも、その場所には女の子しかいない。いや、『若干』と言うのも申し訳ない程度の男性ならいないこともないが、99.99%の割合で女の子しかいないのだ。
千尋はゲイだが、女の子が苦手なわけではない。けれど、そんな女の子祭りの会場に男2人で行くことの恥ずかしさなんて、想像するまでもない。
「もぉ~、何でハルちゃん、俺と一緒がいいの? ハルちゃんだって、男2人で行ったら恥ずかしいの、分かるでしょ?」
「そうだけどー。でも俺の友だちの中で、FATE大好き! ていうのを分かち合ってくれる人が、ちーちゃんの他にいない」
「いや、別に俺だって、何も分かち合ってないけど」
遥希がベラベラ勝手に思いの丈をぶちまけるのに付き合ってはいるが、それに賛同したことも、一緒に盛り上がったことも、1度だってない。
「でも、俺が琉と付き合ってるの知ってるの、ちーちゃんだけだもん」
確かに、それはそうだった。
一昔前の少女マンガのような出会いから始まり、紆余曲折を経て、晴れて恋人同士となった2人。その関係を知っているのは、大和とマネージャーの南條以外では、千尋しかいないのだ。
「だからって、俺が一緒に行く理由には…。大体24日てイブじゃん。クリスマスイブ! そんな聖なる夜にどうして…」
「でもちーちゃん、どうせ予定ないでしょ? 今フリーだし」
「…………」
先ほど千尋が『どうせいっぱいいるでしょ、FATEのファンなんて』と言ったとき、その『どうせ』という言葉に反応して、遥希は散々喚き散らしたというのに、今度はシレッとそんなことを言ってくるか…!
千尋はピクピクと口の箸を引き攣らせつつ、どう言い返してやろうかと思案する。遥希と本気でケンカをするつもりはないが、言われっ放しでは気が済まない。
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COMMENT-FORM
凪 ⇒
どきどきどき・・・(/////)
お相手って…って思いつつ
毎日覗いております☆
如月様、メリークリスマスです☆
って、ちーちゃん嫌がりすぎ(笑)
はるちゃんはいつもだれとコンサトいってるのかなぁ
背景が気になっちゃう~ でした♪
お相手って…って思いつつ
毎日覗いております☆
如月様、メリークリスマスです☆
って、ちーちゃん嫌がりすぎ(笑)
はるちゃんはいつもだれとコンサトいってるのかなぁ
背景が気になっちゃう~ でした♪
- |2012.12.25
- |Tue
- |08:21
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >凪さん
メリークリスマスです~。
すてきなクリスマスを過ごされましたか? サンタさんはやって来ましたか?
それにしても凪さんの仰るとおり、ちーちゃん、すごい嫌がりよう…(笑)
ハルちゃんはお写真買いに行くとき、ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒に行ってるようなので、コンサートもきっと一緒に行ってもらってたのかと…(笑)
でも、お付き合いしてるのはちーちゃん以外には内緒なので、嫌でも連れて行きたいハルちゃんでした(*^_^*)
コメントありがとうございました!
すてきなクリスマスを過ごされましたか? サンタさんはやって来ましたか?
それにしても凪さんの仰るとおり、ちーちゃん、すごい嫌がりよう…(笑)
ハルちゃんはお写真買いに行くとき、ちーちゃんのお姉ちゃんと一緒に行ってるようなので、コンサートもきっと一緒に行ってもらってたのかと…(笑)
でも、お付き合いしてるのはちーちゃん以外には内緒なので、嫌でも連れて行きたいハルちゃんでした(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.12.25
- |Tue
- |22:44
- |URL
- |EDIT|