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恋と呼ぶにはまだ早い (3)
2012.12.24 Mon
「あ、でもちーちゃん、チケットはちーちゃんの分もあるから、心配しないで?」
「ぅん?」
心配? 何を心配?
千尋は何の心配もしていない。
いや、遥希と琉がうまくいかなくなったら、遥希がすんごい落ち込んで面倒くさいことになりそうだから、そのとばっちりを食うことがありませんように、という心配ならしているが、それ以外は何もない。
「えへへー、ちーちゃん、24日、ちゃんと予定空けててね?」
「はい?」
いやいやいや、ちょっと待ってください、遥希さん。
千尋の分のチケットがある? 予定空けといて?
「はぁ~~~~!!!???」
「なっ、ちょっ、ちーちゃん、声おっきいよっ…」
先ほどまでの自分の声の大きさを棚に上げて、慌てて起き上がった遥希は「シーッ!」と千尋を注意する。
しかし、そんなことされたって、千尋はごまかされない。
「何、俺の分のチケットて」
「え? だからFATEのコンサートのチケット。今までずっとその話してたじゃん。だいじょぶ? ちーちゃん、酔っ払っちゃった?」
「…………」
いや、『大丈夫?』はこっちのセリフだ。
酔っ払ってはいたけれど、今、完全に醒めたし。
「え…何、コンサートのチケットて……は? 俺の分?」
「ぅん? ちーちゃんの分もあるよ? だって、1回に2枚まで取れるもん。ちゃんとちーちゃんの分も取ったってば」
「いやいやいや、『ちゃんと』の意味が分かんない」
別に千尋は1度だって遥希に、『FATEのコンサートに行きたい』なんて言った覚えはない。
もちろん、千尋の分もチケットを取ってほしいなどとお願いしたこともないし、それ以前に、FATEのコンサートに行きたいと言ったことすらないのに。
なのに。
「え、何で? 行くでしょ、ちーちゃんも」
何ですか、そのごく当然のような口振りは。
遥希の中で、千尋がFATEのコンサートに行くのは、もうずっと前から、それこそチケットを取ろうとしているそのときから、決定事項ですか。
「何言ってんの、ハルちゃん。俺が行くわけないじゃん」
「はぁっ? 何でぇ!?」
「何で、じゃないよ。それこそ、何で俺がそんなの行かなきゃなんないの?」
「『そんなの』て何~!?」
突っ込むべきところはそこではないのに、いちいち細かいところが気になるのか、遥希はバシバシとテーブルを叩いてむくれる。
「『そんなの』だもん。俺、そんなの行かないもん」
「何でぇ~? 行こうよ、ちーちゃん。超いい席だよ~?」
「知んないっ」
わざわざ千尋のほうにずり寄って来て、遥希はその腕に縋り付くが、千尋はプン! と顔を背けた。
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「ぅん?」
心配? 何を心配?
千尋は何の心配もしていない。
いや、遥希と琉がうまくいかなくなったら、遥希がすんごい落ち込んで面倒くさいことになりそうだから、そのとばっちりを食うことがありませんように、という心配ならしているが、それ以外は何もない。
「えへへー、ちーちゃん、24日、ちゃんと予定空けててね?」
「はい?」
いやいやいや、ちょっと待ってください、遥希さん。
千尋の分のチケットがある? 予定空けといて?
「はぁ~~~~!!!???」
「なっ、ちょっ、ちーちゃん、声おっきいよっ…」
先ほどまでの自分の声の大きさを棚に上げて、慌てて起き上がった遥希は「シーッ!」と千尋を注意する。
しかし、そんなことされたって、千尋はごまかされない。
「何、俺の分のチケットて」
「え? だからFATEのコンサートのチケット。今までずっとその話してたじゃん。だいじょぶ? ちーちゃん、酔っ払っちゃった?」
「…………」
いや、『大丈夫?』はこっちのセリフだ。
酔っ払ってはいたけれど、今、完全に醒めたし。
「え…何、コンサートのチケットて……は? 俺の分?」
「ぅん? ちーちゃんの分もあるよ? だって、1回に2枚まで取れるもん。ちゃんとちーちゃんの分も取ったってば」
「いやいやいや、『ちゃんと』の意味が分かんない」
別に千尋は1度だって遥希に、『FATEのコンサートに行きたい』なんて言った覚えはない。
もちろん、千尋の分もチケットを取ってほしいなどとお願いしたこともないし、それ以前に、FATEのコンサートに行きたいと言ったことすらないのに。
なのに。
「え、何で? 行くでしょ、ちーちゃんも」
何ですか、そのごく当然のような口振りは。
遥希の中で、千尋がFATEのコンサートに行くのは、もうずっと前から、それこそチケットを取ろうとしているそのときから、決定事項ですか。
「何言ってんの、ハルちゃん。俺が行くわけないじゃん」
「はぁっ? 何でぇ!?」
「何で、じゃないよ。それこそ、何で俺がそんなの行かなきゃなんないの?」
「『そんなの』て何~!?」
突っ込むべきところはそこではないのに、いちいち細かいところが気になるのか、遥希はバシバシとテーブルを叩いてむくれる。
「『そんなの』だもん。俺、そんなの行かないもん」
「何でぇ~? 行こうよ、ちーちゃん。超いい席だよ~?」
「知んないっ」
わざわざ千尋のほうにずり寄って来て、遥希はその腕に縋り付くが、千尋はプン! と顔を背けた。
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