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暴君王子のおっしゃることには! (230)
2012.12.17 Mon
「だって怠いのも、腰痛いのも、侑仁のせいじゃんっ。侑仁が激しくするからぁ!」
「お前がもう1回とか言ったんだろうが」
「だって、もっかいしたかったんだもん」
侑仁だってそのお誘いに乗ってしまったわけだから、一概に一伽のことは言えないんだけれど。
でも、侑仁ばかりが責められることでは絶対にないはずなので、一応そのことは言ってみるが、思ったとおり、一伽に悪びれた様子はない。
「一伽、コーヒーは?」
「…いらない」
ダイニングテーブルにべたっと突っ伏した一伽が、怠そうに侑仁に視線を向けて答えた。
やはり、調子は相当悪いようだ。
「お前、そんなんで仕事大丈夫なのか?」
「…ダメかも。航平くんに何か言われたら、侑仁のセックスが激しかったから、て言っていい?」
「バカ、ふざけんな。絶対言うなよ」
一伽の場合、絶対に冗談と思われることも、冗談でなく本当に実行することがあるから、釘を刺しておかないと。
航平は、侑仁と一伽のこれまでのことを知っているから、付き合うことになったのを知っても驚かないだろうが、前の晩のセックスが激し過ぎて仕事に支障が出たなんて知れば、ふざけるなと吐き捨てるに決まっている。
「だって俺、航平くんに怒られたくない~。侑仁のせいて言えば、航平くん、あんま怒んないと思う」
「怒るわっ!」
たとえ親友であっても、航平の怒りが和らぐとは思えない。というか、余計に怒りが増しそうだ。
怒り狂った航平の顔を思い出しつつ、侑仁はトースターに向かった。
「お前もさぁ、何か食わなくてもいいつったって、ちょっとは何か食ったほうが…………え? ――――うわっ!」
焼き上がったトーストを皿に乗せて振り返った侑仁は、今の今まで話をしていた一伽の姿がなくなっていて、驚いた次の瞬間、椅子のところにポツンとコウモリがいたので、さらに驚いた。
「ビビったー…。何してんだよ、お前はっ」
そのコウモリの正体といえばもちろん一伽で(別に侑仁にコウモリを見分けられるわけではないが、この状況から考えて一伽しかあり得ない)、一体どういうことなのかと、思わず突っ込んだ……が。
「…いや、コウモリの格好で何か言われたって分かんねぇし」
コウモリ姿の一伽が、侑仁の質問に答えるべく何か言っているが、チィチィ言っているだけで、侑仁には分からない。
姿はコウモリでも人間の言葉を喋ることが出来るとかだったらいいんだけれど、コウモリになると、人間の言葉は聞き取れるが、発する言葉はコウモリに従ってしまうから、うまくはいかない。
「コウモリになれば、何か腰とか痛くねぇかなぁ、て思ったんだけど。だってホラ、こんなん腰とかあんのかねぇのか分かんねぇし。でもダメだね。何か全身怠かった…」
「バカやってんじゃねぇよ」
人間の姿に戻った一伽が明かした理由があんまりだったので、侑仁は頭を抱えたくなった。
もしコウモリの姿なら腰や体が痛くなかったとして、その姿で仕事が出来るとでも思っているのだろうか。それこそ航平に怒られる。
「…一伽、」
「ぁん?」
「血、吸う?」
トーストを半分くらい食べたところで、侑仁が思い切ってそう提案してみれば、一伽は意味が分かっていないような顔で、パチパチと瞬きをしながら侑仁を見た。
「…何急に」
「いや、何か調子悪そうだし…、お前、血飲むと復活したりすんじゃん」
以前、酒を飲み過ぎた翌日に、血を飲んでもまだ飲みたいみたいなことを言っていたから、今日は二日酔いではないけれど、調子が悪いなら、何か効果があるかな、と思ったのだ。
でも一伽は申し訳ないと思っているのか、そんなことで効き目はないと思っているのか、いつもだったらすぐに飛び付いてくるくせに、渋ってなかなか「うん」と言わない。
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「お前がもう1回とか言ったんだろうが」
「だって、もっかいしたかったんだもん」
侑仁だってそのお誘いに乗ってしまったわけだから、一概に一伽のことは言えないんだけれど。
でも、侑仁ばかりが責められることでは絶対にないはずなので、一応そのことは言ってみるが、思ったとおり、一伽に悪びれた様子はない。
「一伽、コーヒーは?」
「…いらない」
ダイニングテーブルにべたっと突っ伏した一伽が、怠そうに侑仁に視線を向けて答えた。
やはり、調子は相当悪いようだ。
「お前、そんなんで仕事大丈夫なのか?」
「…ダメかも。航平くんに何か言われたら、侑仁のセックスが激しかったから、て言っていい?」
「バカ、ふざけんな。絶対言うなよ」
一伽の場合、絶対に冗談と思われることも、冗談でなく本当に実行することがあるから、釘を刺しておかないと。
航平は、侑仁と一伽のこれまでのことを知っているから、付き合うことになったのを知っても驚かないだろうが、前の晩のセックスが激し過ぎて仕事に支障が出たなんて知れば、ふざけるなと吐き捨てるに決まっている。
「だって俺、航平くんに怒られたくない~。侑仁のせいて言えば、航平くん、あんま怒んないと思う」
「怒るわっ!」
たとえ親友であっても、航平の怒りが和らぐとは思えない。というか、余計に怒りが増しそうだ。
怒り狂った航平の顔を思い出しつつ、侑仁はトースターに向かった。
「お前もさぁ、何か食わなくてもいいつったって、ちょっとは何か食ったほうが…………え? ――――うわっ!」
焼き上がったトーストを皿に乗せて振り返った侑仁は、今の今まで話をしていた一伽の姿がなくなっていて、驚いた次の瞬間、椅子のところにポツンとコウモリがいたので、さらに驚いた。
「ビビったー…。何してんだよ、お前はっ」
そのコウモリの正体といえばもちろん一伽で(別に侑仁にコウモリを見分けられるわけではないが、この状況から考えて一伽しかあり得ない)、一体どういうことなのかと、思わず突っ込んだ……が。
「…いや、コウモリの格好で何か言われたって分かんねぇし」
コウモリ姿の一伽が、侑仁の質問に答えるべく何か言っているが、チィチィ言っているだけで、侑仁には分からない。
姿はコウモリでも人間の言葉を喋ることが出来るとかだったらいいんだけれど、コウモリになると、人間の言葉は聞き取れるが、発する言葉はコウモリに従ってしまうから、うまくはいかない。
「コウモリになれば、何か腰とか痛くねぇかなぁ、て思ったんだけど。だってホラ、こんなん腰とかあんのかねぇのか分かんねぇし。でもダメだね。何か全身怠かった…」
「バカやってんじゃねぇよ」
人間の姿に戻った一伽が明かした理由があんまりだったので、侑仁は頭を抱えたくなった。
もしコウモリの姿なら腰や体が痛くなかったとして、その姿で仕事が出来るとでも思っているのだろうか。それこそ航平に怒られる。
「…一伽、」
「ぁん?」
「血、吸う?」
トーストを半分くらい食べたところで、侑仁が思い切ってそう提案してみれば、一伽は意味が分かっていないような顔で、パチパチと瞬きをしながら侑仁を見た。
「…何急に」
「いや、何か調子悪そうだし…、お前、血飲むと復活したりすんじゃん」
以前、酒を飲み過ぎた翌日に、血を飲んでもまだ飲みたいみたいなことを言っていたから、今日は二日酔いではないけれど、調子が悪いなら、何か効果があるかな、と思ったのだ。
でも一伽は申し訳ないと思っているのか、そんなことで効き目はないと思っているのか、いつもだったらすぐに飛び付いてくるくせに、渋ってなかなか「うん」と言わない。
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